Road to Kona・・・遥かなる長い道

1988年のIronman Hawaii以来、Hawaiiにこだわり歩み続ける「長い道」。

IM Korea report・・・二つ目の落とし穴

2011-07-08 22:12:41 | トライアスロン

ハワイスロット獲得時にもらえるAthlete Passwordが入ったOnline Resistrationの案内。

この1枚の「紙切れ」を獲得するために、多くのアスリートが凌ぎを削る。

 

10時間14分で何とかフィニッシュしたIM Koreaですが、

バイク、ランの距離不足を考えると、約15分タイムが速いはず。

ミスコースとそれに伴うタイムロスもほぼ同じくらいと思われるので、

プラスマイナスゼロの計算です。

ということは、やはり10時間は切っておかないといけなかった。

 

これまでしてきた努力を考えると、ちょっと情けない・・・。

 

フィニッシュ後、ゴール付近で仲間たちとお互いの健闘を称え合い、

しばらくの間、苦しかったレースからの開放感と達成感に浸る。

 

バイクでの脱水症状で本来の走りができなかったおちゃぴーは

ランで粘り、10時間27分でフィニッシュ。

M45の最激戦区でありながら、スロット獲得に望みを繋ぐ。

 

その後一緒にホテルへ帰り、ビールで乾杯。

レース後はいつもビールがまずくて飲めないのに、

何故かこの日は美味い。

1リットルほど飲み干し、おちゃぴー持参のカップ入りパスタをご馳走になり、

これもあまりないことですが、朝まで熟睡。

追い込めていなかった証拠か・・・。

 

そして運命の朝、9時過ぎにハワイスロット発表会場のロッテホテルへ。

エイジチャンプは無理としても、スロット獲得は確信してました。

あとは表彰対象の3位以内に入っているかどうか。

 

会場に入ると、すでに結果が張り出されていました。

自分のことより、おちゃぴーや練習仲間、友人たちの結果が気になる。

順を追って彼らの名前を捜し、一喜一憂する。

 

そしてM50を見た時、一瞬目を疑った。

僕の名前が、ない・・・。

頭の中が真っ白になる。

何度見ても、他のどこを捜しても、ない。

なんで???

そこでランスタート時のタイミングチップの事を思い出す。

手と足両方に付けて走ったのに、まさか故障?

 

とにかく何とかしなければ・・・。

スタッフルームに行って事情を説明すると、記録をチェックしてくれました。

ところが、リストには僕の名前はなく、

「記録が残っていない」という信じられない事態に。

最終的にはPCに保存されたフィニッシュ時の画像で僕のゼッケンを確認し、

事なきを得ました。

 

ただし、記録がないので3位表彰は無し。

バイクのタイムロスがなければ取れていたはずのエイジチャンプですが、

どっちにしてもダメだったことになります。

 

この間のスタッフの対応は極めて不親切でぶっきらぼう。

「よかったね」の言葉どころか、謝罪の一言もない。

$650払って受付の紙切れはもらったものの、怪しいものです。

 

実質的なエイジチャンプとハワイスロット獲得という目標は達成できましたが、

後味の悪いものとなってしまった。

 

でも、何となくチェジュは好きです。

来年のハワイ挑戦は未定ですが、

できれば来年も行きたいと思います。

 

発表会場でおちゃぴーと。

おちゃぴーは残念でした・・・。

New Zealand在住のYoko&Nao

Naoは4年ぶりのアイアンマンで見事ハワイゲット。

 

アワードでの激戦区M45エイジ2位のタケシさん、同じのりピー「門下生」のイシハラさん。

 

帰りの空港で「せいごさ~ん」と声をかけてくれたカオルくん、ほぼ20年ぶりの再会です。

彼は20代前半でハワイ33位に入ったトップエイジでした。

40歳となった昨年復帰し、今年の宮古島で西内プロに続く5位入賞。

再度ハワイを目指して臨んだKoreaでしたが、バイク終盤で西内プロをパスしたところで

クルマに激突。顔面骨折と肋骨2本にヒビが入り1日入院したそうです。

トップの外人2人は無理としても、3位に入っていた可能性は十分にあります。

「きちんと直して必ず復帰します」と誓ってくれました。

 

以上、今回もいろいろありましたが(あり過ぎ)、

多くの新たな出会いと再会もあり、

実りの大きなレースでした。

皆さん、本当にお疲れ様でした。

 

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IM Korea report・・・サディスティックなランコース

2011-07-07 19:59:56 | トライアスロン

昨日の記事を書いていて気が付いたんですが、

GARMINデータのバイク走行距離は、ミスコースした5km弱を含めて181.98km。

てことは、チェジュのバイクコースは3kmほど短いことになります。

 サイコンの距離表示も同様に短かったので、ほぼ間違いないと思います。

 

そして今日ご紹介するランコース↓

http://connect.garmin.com/activity/96770975

やはり2kmほど短いです。

 

スイムコースのデータはないので定かではありませんが、

僕のタイムを考えるとスイムコースも短いことは十分に考えられますし、

運営のいい加減さを加味すると、確信に変わります・・・(汗)。

 

いい加減といえば、交通の安全管理も日本では考えられないレベル。

実際、バイク終盤の長い下り坂で突然"slow down!"の指示で、

何かと思えばその先の交差点でクルマとバイクの衝突事故。

止まったクルマの脇にクラッシュしたバイクと

ぐったりとして動かない選手が見えました。

流血も確認され、救急車がサイレンを鳴らして到着したばかり。

フィニッシュまであとわずかの地点でしたが、

「死亡事故」「レース中止」などの可能性を考えると

とてもレースに集中できる状況ではありませんでした。

 

どうやら死亡事故には至らなかったようですが、

gejiさん情報によると同様の事故が5件あったそうです。

後述しますが、久しぶりに再会した友人も犠牲になってました。

僕はミスコース程度で本当によかった・・・。

 

それではランパートのレポートを。

 

腰痛、ミスコース、ドラフティング、事故現場の目撃、そして何より

力不足ですっかり潰れてしまったバイクも、やっとフィニッシュ。

時計を見る気にもなれないほど消耗している。

「ランになったら元気になるんだろうか・・・」

T2は時間をかけようがないはずが、何となくゆっくりしたくて

歩きながら水をかぶる。

 

気持を整理し、やっとスタート。

するとスタッフが何やらわめきながら追いかけて来た。

立ち止まると、足首に装着しているものと同じタイミングチップ内蔵の

リストバンドを手渡された。

「Why?」と聞くと何やら言ってるが、韓国人の英語はよくわからない。

とりあえず手首に巻いて走れと言うのでその通りに。

よもやこれがこのレース最大の危機となった二つ目の落とし穴だったとは・・・。

 

スタートしてすぐ、200mほどの急激なダウンヒル。

その後は緩やかな下りになり、一転して長い登りに入る。

全体を通して平坦なところを捜すのが難しいほどで、

「今までで一番キツかった」去年のコースよりタフ。

「サディスティック」という表現がぴったりだ。

 

加えて気温の上昇。

エイドの数も少なく、エイドごとに立ち止まるどころか、

座り込んで何度も頭から水をかぶって体を冷やす。

そうしないと次のエイドまでたどり着けない気がするほどだった。

(GARMINデータで速度とHRが急激に落ち込むポイントがハッキリと・・・)

脚も一杯でバネもなく、徐々に気力が失せていく。

二週目に入ったあたりでは、何と睡魔に襲われた。

「このまま路上に横たわって眠りたい・・・。」

こんな感覚になったのは初めてだ。

 

応援してくれている人のことを思い、一緒に走っている

多くのアスリートもまた同様に苦しんでいることを励みに、

何とか気力を振り絞る。

 

いつもなら20kmあたりから元気になるはずが、

この日復調できたのは30km過ぎからだった。

最後の折り返しのworldcup studiumからは

徐々に元気になり、ペースは上がらないながらも

「レースが楽しい」という感情が蘇る。

ハワイのランでいつも口ずさむ言葉をやっと思い出した。

"Go home!"

 

ハイウェイを左折し、最後の下りに差し掛かると、

さながらKonaのPalani Roadを走っているような錯覚。

ウィットさんのMCが徐々に大きくなり、ついに歓喜のフィニッシュ。

 

10時間14分17秒  M50エイジ3位

 

Road to Kona 2011を勝ち取った瞬間、

のはずだった・・・。

 

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IM Korea report ・・・バイクでの悪夢

2011-07-06 17:41:41 | トライアスロン

1時間8分という信じられないタイムでスイムアップしたものの、

トランジットエリアで費やした時間は長かった。

なにしろトランジットでウェットを脱ぐ作業をするのは実に15年ぶりで、

手際の悪いこと・・・。

おまけに平衡感覚がなく、よろけて隣の選手に倒れ掛かってしまうありさま。

結局バイクスタートまで5分を要す

 

それでもバイクに乗ってからは突っ込んで踏み込み続け、

HR145-150と練習ではありえない追い込みで20km地点の最初の折り返しまで飛ばす。

約30人をパスし、この時点で順位を確認すると120位前後。

すでにほぼ一人旅だ。

50km地点の折り返しでは95位程度、ここからは選手の数も少なく、

たまに一人抜いたり抜かれたりで順位はほとんど変わらない。

この頃から腰が痛み始め、終盤の失速の一因となる。

二周目に入って、6人のパックに抜かれた。

あたかも当然のようにピッタリと付いた、悪質なドラフティングだ。

後ろに付いて7m空けても35km/h程度の巡航だと明らかに楽で、

間が詰まってしまう。

やむなく「プロ規定」の10m以上を空けて先に行かせることに。

こんなところでペースを乱されるのは本当に腹が立つ。

 

その中で一人だけ僕と同じように「ドラフティングフリー」で走っていた

日本人らしき若者と、抜きつ抜かれつしばらくランデブー。

「やつらに付いて行かなかったキミは本当に偉い」と、

真剣に声を掛けてやりたくなった。

 

そして運命の120km地点。

その時若者の前を走っていた僕は、誘導員の指示通りに右折し、

腰を伸ばすため、ゆるやかな登りをダンシングで登る。

一瞬「こんなところ曲がったかな?」と思い、

後ろから何か声が聞こえたような気がしたものの、

基本的には何の疑いもなし。

この時後ろを振り返っていたら、展開は大きく違っていたはず・・・。

 

(フィニッシュ後この若者(ホリエくんといいます)が僕のもとへ来てくれて、

実際その時声をかけてくれたとのこと)

悔やんでも悔やみきれない痛恨の不運だった。

 

何となく様子が変だと思ったのは2km程度走ったあたり。

交通規制のためクルマは走っていないものの、赤いコーンや

係員、レース表示が全く無い。

そこで初めて後ろを振り向いてペダルを止めると、誰もいない。

「やってしまった」

一瞬頭の中が真っ白に。

慌てるというより「間違いであって欲しい」との想いから

折り返してゆっくりと、あたりの様子を伺いながら走る。

誰もいない・・・。

この時の時間はとてつもなく長く思えた。

 

やがてバイクの流れが見えてくると、泣きたくなるほどの安堵感。

しかしコースに戻ると、そこはもうバイクだらけ。

スタート直後に抜いたはずの選手に軽くパスされる。

気持ちが切れるとこんなにもペースが落ちるものなのか・・・。

 

エイジチャンプと10時間カットは諦め、ハワイスロットのみのターゲットを

余儀なくされる。

 

それにしても今回のレース、ドラフティングがひどかった。

マーシャルも全く見かけなかったし、やりたい放題。

その後も二つほどのドラフティング集団に抜かれ、

そのうちの一つの最後尾で脚を休め、余裕でストレッチをしていた

白人のゼッケンは、僕と同じエイジだった・・・。

 

この時点でレースへの執着は完全になくなり、

無難にフィニッシュすることを心がける。

終盤は腰痛がひどく、脚も残っていない。

気持ち以前に、やはりバイクの地力が不足しているのは明らか。

ハワイに向けてもう少し乗り込まなければ、10時間の壁は高いままだ・・・。

 

バイクパートのGARMIN↓

http://connect.garmin.com/activity/96770960

地図中央の"sangchang-ri"のあたりで上にピュっと伸びたヒゲのような線が

ミスコースしたところ。

120km以降のHRが下がり、負荷が落ちているのがよくわかる。

 

ランパートへ続く・・・。

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Ironman Korea レースレポート

2011-07-05 19:32:43 | トライアスロン

Ironman Koreaに参加された選手および応援に来てくださった多くの皆様、

お疲れ様でした。

 

出場選手のほとんど(韓国人以外)がハワイ狙いで乗り込んでいるはずのチェジュですが、

相対評価である以上、勝者がいれば敗者もいて、そのすべてにドラマがあります。

当然のことながら、一緒にハワイを目指してきた仲間のなかでも

明暗は分かれることになり、レースの結果を受けて

言葉に詰まる辛い場面もありました。

 

しかし・・・。

それでも諦めることなくチャレンジする価値がハワイにはありますし、

「想いを強く持てば、願いは必ず叶う」

みんな頑張れ、熱烈応援してます!

 

さて今年のチェジュは戦前の予想とは裏腹に、タフなレースとなりました。

僕に関しては「自分を信じて楽しむ」などの甘い決意表明など一瞬のうちに吹き飛び、

ハワイの権利が取れたとしても辞退しよう」とまで思ったほど、苦しかったです。

おまけに度重なる不運というか、今回用意されていた2つの「落とし穴」・・・。

こんなことがあろうとは、夢にも思いませんでした。

 

では、Ironman Korea 2011のレースレポートを。

 

7/1 6:00am  品川駅

今回宿泊したThe Suites Hotel。

おちゃぴーが手配してくれたコスパ抜群のホテル。

昨年の韓国コンドミニアムとは雲泥の差でした。

 

ご近所のLotte Hotel。

まるでグレードが違いますが、お値段も違います・・・(汗)。

 

街中もすっかりアイアンマンモード。

 

到着してとりあえずバイクの組み立て。

 

翌日、バイク練習もせずに早々に預託。

 

そしてレース当日。 

エントランス。あまり緊張感がありません。

 

ボディーマーキング中のおちゃぴー。

 

スイム会場。

昨年とは打って変わって鏡のような海面。

思わずニンマリ・・・。 

 

スイムアップからT1への通路。

 

結局スタート直前までスイム練習は無し、まる4日間泳いでいないことになります。

200m程度泳いでみたところで調子などわかるはずもなく早々に引き上げて陣取り。

出場数は900名弱でハワイの半分以下。

それだけで「バトルもハワイの半分以下」と解釈し、

無謀にもgejiさんと一緒に中央付近の前から2列目に並びました。

 

そして午前7時、運命のスタート・・・。

エリートスイマー揃いの最前列はさーっと行ってしまい、前が空く。

ほんの一瞬だけは泳ぎやすかったが、ほどなく後ろから「津波」のごとく

押し寄せる人の波に飲み込まれ、当然のことながら激しいバトル。

500mまでは本当にひどかった。

「これはトライアスロンという競技ではなく、別物だ」

ハワイの悪夢が脳裏をかすめ、「リタイア」「死ぬ」との言葉が浮かぶ。

 

500m以降は少しずつバラけ始め、泳ぎやすくなった。

加えて、理想的な展開として想定していた「ドラフティング」のターゲットが見つかり、

全体の2/3程度を引いてもらった。

 

結果、何と1時間8分でスイムアップ。

ウェットとドラフティング効果は絶大。

現役時代と変わらず、目標より7分のアドバンテージで

俄然ヤル気に火が付く。

ところが、最初の落とし穴はバイクで待ってました・・・。

 

明日は7ヶ月ぶりのお付き合いゴルフで早朝起床につき、to be continued.

 

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ただいまっ!

2011-07-04 23:57:03 | トライアスロン

先ほどチェジュより帰宅しました。

ネットでリザルトをチェックされた方は、僕の名前が無いことにお気付きでしょう。

「リタイア?」「失格?」

メールや留守電でご連絡いただいた皆様、ご心配をおかけしました。

結論から先に言うと10時間14分17秒、エイジ3位でフィニッシュし、

 無事Road to Konaをこじ開けることができました。

 

ただし、今回もいろいろありました。

今日はもう遅いので、詳細は明日以降順次レポートします。

おやすみなさい・・・。

 

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