昭和パチンコ漫画レビュー
(C)久恵多勝利、石神保、日本文芸社
「ザ・パチンカー」(修業編)
★作:久恵多勝利 画:石神保
⇒原作の久恵多氏は、当時パチンコ攻略誌やラジオ・TV等に多数登場し、釘読みの技術などを解説する有名プロであった(「クエタさん」の愛称で知られた)。その専門知識を生かして、パチンコ全般のテクニックを一般ファンに教える「パチンコ専門高等技術学院」を開校。トレードマークは「スーツにサングラス」で、パチンカーの幅広い支持を得た。一方、作画担当の漫画家・石神氏は、本作の他に「漫画ゴラク」連載のパチンコ劇画「釘師放浪記」(原作・牛次郎)の作画も担当した。
★昭和後期~末期、パチンコ攻略誌「F」誌にて連載(同時期、神保あつし氏のパチンコ4コマ漫画「パチキチくん」も連載された)
★あらすじ…まだパチンコが手打ちだった時代(昭和40年代)、都内に住む高校生・勝利(かつとし)がパチンコと出会い、地元ホール「富士」のベテラン専従プロ「安さん」から釘の手ほどきを受け、一人前のパチンカーに成長する過程を描く。天四本の釘を抜いて止め針(ピン)を一本差し、玉をピンに当てて弾く訓練や、目隠しで玉を打って正確なストロークを養う特訓など、安さんの厳しい指導により、勝利はメキメキと腕を上げる。そして、ついに因縁のライバル「流れ打ちの銀二」と、シマの縄張りを賭けた対決の時を迎える…。「勝利」という主人公の名前から考えても、本作品は原作者・久恵多氏の「自叙伝」的な物語と思われる。
「修業編」に続いて、「放浪編」も連載された(当時の「F」誌より)。放浪編では、社会人となった勝利が本格的なパチプロになる決意をして会社を辞め、超大物パチプロ「大海修造」のもとで厳しい修業を積み、プロへの階段を着実に上る様子が描かれている。
(おまけ)昭和63年当時のパチスロ(1.5号機)中古販売広告より
「バイキングマスター」7万円、「ワンダーセブン(2)」7万円、「アメリカーナミント」10万円、「パルサーXXΣ」10万円、「デートライン21」20万円…と値の張る商品が目立つ。いずれも、当時ホールでバリバリ稼働していた現役機種だった為、このような価格設定となったのだろう。改修前の1号機「アーリーバード」は、この中では比較的古い部類に入るので、他機種と比べると値段も安めである(それでも特価3万円だが)。
★★追記★★
(H25.6.12)
「釘師放浪記」の画像を追加しました。
(C)牛次郎、石神保、日本文芸社
(主人公…天才釘師「剣崎先人」)
★★追記2★★
(H25.6.24)
「1990年代のパチンコ・パチスロ漫画」の過去記事リンク先を追加しました。
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/e438f67f5c6e32845400a0f5804e709f