1996年(平成8年)に三星(現・サンセイR&D)から登場した一般電役「無錫旅情」(むしゃくりょじょう)
★賞球…オール15
★メインデジタル確率…1/40
★ミニデジタル確率…504/507(ハズレは「00」で、出現率は3/507)
★平均出玉…2400~3000個(電チュー付近の釘調整で、大きく変わる)
一般電役の名機「オークス2」で名を馳せた三星。同社は、この当時「中国チック」なネーミングの一般電役も続々と出しており(小籠包、杏仁豆腐、ヒーロー三国志など)、本機もその流れの一つ。なお、同名の演歌が1986年に出ているが、この方と本機の関係は不明。
無錫旅情といえば、O形D作さん
役物振り分け式のスタートチャッカーと、二桁ドットデジタルが特徴の本機。ゲーム性的には、同社の「必殺機(大入)」(普通機)と「ガリバー」(デジタル権利物)をミックスした感じだ。
デジタル左下の入賞口(白矢印)から飛び込んだ玉は、上段の一穴クルーンを経て、下段役物に落下。
下段では、剣(磁針)を模した回転体が時計方向に回っており、最下部に左・中・右3つの穴がある。
下段役物に落ちた玉が中央の穴に入ると、二桁のメインデジタルが回転する(左右はハズレ穴)。ダイレクトで中央に入る事もあるが、穴の手前が盛り上がっていて入賞しづらい。その為、左方向から来た玉が回転体に当って玉の勢いが弱まり、中央穴に吸い込まれるケースが多い。穴の振り分けは約1/5~1/12で、台の傾斜や役物のクセによって異なる。
メインデジタルには0~9の数字があり、右デジのみブランク絵柄もある。左に奇数(1,3,5,7,9)が出るとリーチとなる。2周以内で止まるノーマルと、2周を超えて発展するロングの二種類があり、いずれも大当りのチャンスあり(勿論、ロングの方が当り易い)。奇数のゾロ目で揃うと、デジタル大当りとなる(確率は1/40)。
メインデジタルが揃うと、役物左右の電チューが約5.9秒開放する。この間に、玉を5個入賞させる必要があり、4個以下だと出玉が減ってしまう。
電チュー入賞で、役物真下の「OPEN」電チューに内蔵された二桁ミニデジタル(4個保留付)が回転する。ここに「00」以外のゾロ目が出ると(確率=504/507)、「OPEN」電チューが約2.8秒×2回開放する。
「OPEN」チューリップに玉が入賞すると、今度は最下段の電チューに内蔵された二桁ミニデジタル(4個保留付)が回転する。ここにゾロ目が出ると、電チューが約3.4秒開放する。
その後は、「OPEN」電チューと下段電チューの連動で、出玉を稼いでいく。釘調整次第で出玉は変わってくるが、平均で約2400個、多い時は約3000個近い出玉が得られる。電チューの空振りはともかく、ミニデジにハズレの「00」が出ると、かなり悔しい。
大当り中も右打ちは不要で、引き続きメインデジタルを回す事が可能。一般電役のお楽しみとえいえば、この「自力連チャン」である。デジタル確率が1/40と非常に高い為、自力ダブルは頻繁に発生し、トリプル以上の期待も持てた。あまり早くにダブると勿体ない感じがしたが、終了直前で連チャンした時の「したやったり」感は、一般電役ならではだった。
このように、十分楽しめるゲーム性に仕上がっていたが、設置の少なさが最大のネックであった。マニア受けする要素は、十二分に備わっていたのだが…。