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リバティベルIVは何故5ゲーム連チャンしたのか?

2013-06-23 17:06:25 | パチスロ2号機

※以前書いた、こちらの記事も参照されたい
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/cb7b259febe7bbc068a992c45f3a626e

 

「リバティベルIV」(1990年、2-2号機)は、両ボーナス&フルーツの「5ゲーム連チャン」で知られる。

一度ボーナスが来ると、終了後5ゲームで再び連チャンする。さらに、3連目は必ずフルーツゲーム(60ゲームの小役集中)が来る、という流れで人気を得た。

※ベルIVの主な連パターン
3連コース…B⇒B⇒F、B⇒R⇒F、R⇒B⇒F、R⇒R⇒F
2連コース…B⇒B、B⇒R、R⇒B、R⇒R、B⇒F、R⇒F
(B…ビッグ、R…レギュラー、F…フルーツ)

ビッグ⇒ビッグ⇒フルーツの「フルコース」なら、約900枚をワンチャンスでゲットできた。

ベルIVの主なリーチ目は7のテンパイ形である(中段・右上がり・プラム付きテンパイなど)。初ボーナス後の5G目は気合でレバーを叩き、「テンパイしろ!」と祈りつつ7を目押しした。

7がテンパイしなかったときは、小役が続けて揃えばフルーツでホッとするが、何も起こらずに「単発」が確定すると、心底ガックリきた、

 

ところで、ノーマルのベルIV解析では、5ゲーム連チャンの「カラクリ」が見つからなかった。

なので、「なぜ、ベルIVは5G連するのか?」という素朴な疑問が、一部ファンの間でくすぶり続けていた。

結論から言ってしまうと、ベルIVの5G連は、いわゆる「注射」で仕込まれたものだった。

特別なドーピングで「チューンナップ」されたからこそ、あのパターン化された連チャンを実現できた訳だ。

では、どんな注射だったかといえば、それは「ランダムに移行すべき乱数に、一定の移行パターン(規則性)があった」のである。

ノーマルのベルIVは、レバーを叩く度にランダムな乱数を拾うよう設計されており、ボーナスやフルーツの抽選は、毎プレイ「完全確率方式」で行われる。

一方の5G連Verでは、1ゲーム消化する毎に、乱数が「+31」と規則正しく移行するのだ。

では、なぜ乱数が「31」づつ進むと、5ゲーム連チャンするのか?

その前に、ベルIVのボーナス抽選方法を簡単に説明すると、一次判定と二次判定からなる「二段階抽選方式」を取っている。これは、ノーマルも5G連Verも同じである。

(1)一次判定

二次判定に進むか小役判定に進むかを決める。ここでの決定は、ボーナスorフルーツに一次当選するか否かであって、BRの振り分けは行われない。

一次判定用の乱数カウンターは0~255の256通り。一方、当選用乱数は一種類ではなく、以下の4パターンが用意されている。

・パターンA(ボーナス当選値=「128、27」、フルーツ当選値=「151」)
・パターンB(ボーナス当選値=「152、51」、フルーツ当選値=「175」)
・パターンC(ボーナス当選値=「165、64」、フルーツ当選値=「188」)
・パターンD(ボーナス当選値=「231、130」、フルーツ当選値=「254」)

プレイ中は、上記A~Dの何れかのパターンが、適宜選択される。どのパターンも、ボーナス当選値は2つ、フルーツ当選値は1つ。よって、ボーナスの一次当選率は2/256、フルーツの一次当選率は1/256(共に全設定共通)。

なぜ、大当り乱数をわざわざ4パターンも用意したのか?表向きは、通常時のゲーム性に「波」を持たせる為と思われるが、実は5ゲーム連のシステムと密接に繋がっている。ただ、メーカーが裏に関与した証拠はないので(あったかな?)、あまり深くは突っ込まない。

 

(2)二次判定

ビッグ、レギュラー、フルーツに「最終当選」するか否かを決める。一次判定と違い、二次判定には明確な「設定差」が存在する。また、B・Rの振り分けもここで行われる。

ボーナスの二次当選率は、約75~90%と各設定とも高い。一方、フルーツの二次当選率は約40~92%と設定差大。特に、設定6のフルーツ当選率は優遇されており、一次判定を通過すれば約9割の確率でフルーツに入る。「フルーツが良く出る台は設定6濃厚」なのだ。

 

とりあえず、ベルIVのボーナス(フルーツ)抽選システムを、ご理解頂けただろうか。両ボーナスやフルーツは、まず一次判定を通過後、設定差のある二次判定をパスした段階で当選となる。

因みに、これら一連の流れを「大学受験」に置き換えてみると、けっこう面白いかもしれない。設定1~6を「実力が異なる6人の受験生」とすると、一次判定(試験)は運任せの「くじ引き」なので、誰が受けても合格率は同じ。一方、二次判定(試験)は受験生の実力が大きく反映する。おバカな設定1君は、「BIG」「REG」「フルーツ」何れの科目も、合格点を取る可能性は4割弱しかない。一方、校内一の秀才である設定6君は、二次にさえ進めばバリバリ実力を発揮。特に、「集中」の試験が得意であり、9割以上の確率で合格点を取る事が出来る。

 

さて、ここまで見る限りでは、ベルIVが5ゲーム連する要素はどこにも見当たらない。

そこで「注射」の話になるが、5G連するベルIVをよくよく調べると、一次判定用の乱数に独特な「移行パターン」が存在したのだ。

一方、二次判定の部分には、全く手が加えられていない。

すなわち、ノーマルと5G連Verの違いは、「一次判定」の部分にあった。

一次判定用の乱数は、0~255の計256通りである。本来なら、レバーを叩くごとにランダムな値が拾われて、それがボーナス当選値orフルーツ当選値だった場合、二次判定へと進む。いわゆる「完全確率方式」で、5G連する要素など全くない。

しかし、「注射Ver」では、1ゲーム消化するごとに、乱数が31づつ進んでいたのだ。これは、ノーマルのベルIVでは有り得ない、「裏モノ」特有の動きといえる。

例えば、乱数が「0」からスタートすると、1ゲーム進むたびに、31⇒62⇒93⇒124⇒155⇒186⇒217⇒248⇒23⇒54・・・という具合に、規則正しく移行する。なお、「248」の次が「23」になっているのは、乱数の移行範囲が0~255なので、256を超えると再び「0」に戻るからである。

面白い事に、「0」を起点に31づつ乱数を加算すると、一度も同じ値を取ることなく、0~255のすべての値を取りながら移行していく。そして、この計算を256回繰り返した時点で、再び「0」(元の地点)に戻るのだ。

以下は、その移行パターンを示した表である(本邦初公開w)。

 

     乱数が毎ゲーム31づつ規則的に進んだ場合の移行パターン表
               (乱数の移行範囲=0~255)

ご覧の通り、左上の「0」から右下の「0」に戻るまで、一度たりとも同じ数値は出て来ない。それと同時に、0~255の各乱数が「1回だけ」出現している。

つまり、256回レバーを叩けば、全ての乱数を万遍なく拾うようになっているのだ(一般電役「フルーツパンチ」の連続回転中にも、同様の特徴があった)。

単純に見れば、256回に一度は一次当選のチャンスがある訳で、実に面白い設計といえる(実は、それ程「単純」ではないが…)。

で、この表の中に、「色つき数字」で示した部分が、計4か所あるのがお判りだろうか。

(231、130、254)…緑色の部分
(152、51、175)…青色の部分
(128、27、151)…赤色の部分
(165、64、188)…紫色の部分

実は、これらの各数値をよく見ると、先述した「一次判定の大当り乱数値(パターンA~D)」と全く同じなのだ。

一次判定の大当り乱数(4パターン)

・パターンA(ボーナス当選値「128、27」、フルーツ当選値「151」)⇒赤色
・パターンB(ボーナス当選値「152,51」、フルーツ当選値「175」)⇒青色
・パターンC(ボーナス当選値「165、64」、フルーツ当選値「188」)⇒紫色
・パターンD(ボーナス当選値「231、130」、フルーツ当選値「254」)⇒緑色

A~Dの各パターンは、プレイ中に任意の一つが選ばれる。繰り返すが、このパターンは「ノーマル」のプログラム内に、きちんと組み込まれている。

例として、パターンAが選択されたケースを考えてみよう。

この場合、レバーオン時に拾った乱数が「128」か「27」の場合、ボーナス一次当選となる。一方、「151」を拾うとフルーツ一次当選となる。

「128」を拾った場合は、二次判定に当選すれば、ビッグかバケの「初当り」となる。

そして、ボーナス終了後は「128」を起点に、乱数は1ゲーム消化する毎に31づつ進む。

128⇒(1G目)159⇒(2G目)190⇒(3G目)221⇒(4G目)252⇒(5G)27

そう、「128」の5ゲーム後には、必ず「27」を取るのだ。そして、「27」はパターンAのボーナス当選値である。つまり、「128」の5ゲーム後は、必ずボーナスに「一次当選」するのだ。

さらに、「27」を起点として、1ゲーム進む毎に31づつ加算していくと…

27⇒(1G目)58⇒(2G目)89⇒(3G目)120⇒(4G目)151

ご覧のように、「27」の4ゲーム後には、必ず「151」が来る。そして、「151」はパターンAのフルーツ当選値である。つまり、「27」の4ゲーム後は、必ずフルーツに「一次当選」するのだ。内部的には「4ゲーム連」だが、小役が高確率になるのは次ゲームからなので、実質は5ゲーム連といってよい。

 

これでお判りだろうか。ベルIVの5G連Verは、外部的な「注射」で乱数に規則性を持たせているが、連チャン発生のパターンには、正規の大当り判定値を利用している。

例えば、「ビッグ⇒ビッグ⇒フルーツ」の3連は、乱数でいうと「128」⇒(5G後に)「27」⇒(4G後に)「151」を拾った事を意味する。もちろん、二次判定において、ビッグ及びフルーツに当選した事は、いうまでもない。

当然、二次判定の結果いかんでは、ボーナスが2連になったり単発になったり、フルーツ単発になったりもする訳だ。もちろん、二次判定のチャンスに全て外れれば、単発さえ出現せずに終了である。

以上の説明は、他の大当り乱数パターン(B,C,D)についても、全く同じである。詳しくは、上記の移行パターン表を参考にしてほしい。

 

因みに、5ゲーム連Verでは、「フルーツに外れた後の60ゲームは、ボーナスもフルーツも抽選していない」(無抽選)という特徴がある。その間は1枚掛けでコイン節約という訳だ。一方、ノーマルにこうした特徴はない。

実は、この事も、上記の移行表を見れば「一目瞭然」である。

パターンAの場合、フルーツの一次当選値は「151」だ。移行表によれば、次に大当りのチャンスが巡ってくるのは、再び初当りの「128」を引いた時である。しかし、「151」から「128」にたどり着くまでは、247回転かかる計算になる。但し、実際はフルーツの判定に外れてから60~190ゲーム以内に新たなパターンが選ばれるので、そこまでは長引かない。いずれにせよ、「151」から60回転の間は、ひたすらハズレ乱数しか引かない。まさに「無抽選ゾーン」であり、このゾーンは一枚掛けで節約するのがベストだ。

一方、ノーマルの場合は、一次判定で常にランダムな乱数を取るので、たとえフルーツゲーム中であっても、ボーナスを引くことがある。この場合、レギュラーなら終了後にフルーツが復活し、ビッグなら7を揃えた時点でフルーツは終了する。但し、7を揃えない事で60ゲーム完走させることも可能だ。

 

「でも、途中で大当り乱数パターンがAからBとかに変化すれば、もっと早めに大当りのチャンスが来るのでは?」と思った方は、かなり鋭い。理論的には、もちろんその通りである。

もしパターンが全く変わらないとすると、一度大当りを引いた時点で、乱数の位置が外から丸判りとなり、捨てゲームを一枚掛けするだけで、ペイアウトが飛躍的にアップしてしまう。当然、大当り乱数のパターンは、ある条件のもとで変化するようになっている。

但し、ベルIVで大当り乱数のパターン(A~D)が再選択されるのは、「フルーツゲーム終了後、0~130ゲーム消化時※」或いは「フルーツに外れた後、60~190ゲーム消化時」である。したがって、フルーツ消化中、又はフルーツに外れてから60ゲーム以内に、新たなパターンに変わる事は、絶対にない。

※フルーツ終了後、新たな大当り判定パターンが選ばれる地点は、前回のパターンによって異なる(前回がAなら59ゲーム後、Bなら83ゲーム後、Cなら0ゲーム後、Dなら130ゲーム後)。この間のゲーム消化中も、ボーナス及びフルーツの「無抽選状態」となる。また、フルーツハズレ時は、ハズレ時を起点として、上記各ゲーム数に「60」を足したゲーム数(A=119ゲーム、B=143ゲーム、C=60ゲーム、D=190ゲーム)が、やはり無抽選状態となる。但し、前回どのパターンだったかは外部から判らないので、全ての無抽選ゾーンを一枚掛けで消化するのは不可能だ。よって、フルーツハズレ後の60ゲームに限り、一枚掛けの効果がある。

 

なお、以前どこかのサイトで、ベルIVには「フルーツ⇒フルーツ」の連チャンパターンがあるか、という議論がなされていた。もちろん、ノーマルのベルIVなら当然に起こりうる事象だ。

一方、5G連Verの場合、乱数パターンを見ればわかる通り、仕込まれたF⇒Fの連チャンは存在しない。ただ、大当り乱数パターンCを選択していた場合、フルーツ終了直後に新たなパターンを選択する為、フルーツの「単発」を立て続けに引くことは有りうる。

ちなみに、単発フルーツの2連発は、ボーナスの二次判定に4連続で外れた事を意味するので、かなりの「ヒキ弱」という事になる(笑)。

 

 

以上が、リバティベルIVの5ゲーム連の仕組みである。ややこしい部分も多いが、ご理解いただけただろうか。

それにしても、ノーマルで用意された4パターンの大当り乱数を連チャンに利用したとは、実に巧妙な設計である。同時に、5G連Verの乱数移行パターン表と、ノーマルの大当り乱数パターンの奇妙な「一致」が、今さらながら気になる。

まさか、最初から5G連を「前提」に設計されていた…?いやいや、あくまでも、これは一部の裏業者による「悪戯」としておこう。

なお、メーカーと裏〇ノに関するコメントは、かなりデリケートな部分に属するので、くれぐれもご遠慮願いたい(笑)。