空を見上げる。
それが今回のテーマでした。
老いに伴い、視野が狭まり視線が下がることで、高齢者の心は閉じがちになります。
けれど視線を上げることで、その心を外に開きアートして頂きたい、と私たちセラピストは願いました。
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「○○さん、こんにちは!」
まず私たちは挨拶をしながら、お一人お一人と瞳を合わせることから始めました。
今回、皆様と見上げ味わいたいのは、夏の終わりと早秋が重なる「ゆきあいの空」
正に今、この移りゆく季節の空です。
この日、共にアートして頂く高齢の皆様は、思いや経験を雄弁に語るのが難しくなりつつある方々です。
けれど、
「昔、都庁が建つ前はさ…」と空の写真にご自身の思い出を重ねる、まなざし。
空に見立てた色合いの和紙を探す、まなざし。
私たちに向けてくださる、まなざし。
皆様の豊かな眼差しの先に、完成した「ゆきあいの空」をご紹介します。
室内から、ブラインド越しの窓を指されてつくられた、空。
「お母さん、もっと乗せたら?」「...……これで、いいの。(キッパリ!)」
面会にいらっしゃった娘様とつくられた、陽が落ちてゆくような、紫の空。
…空。
皆様は眼差しの先に、それぞれのゆきあいの空をつくられました。
皆様と共に、空を見上げられた喜びを感じたひと時でした。
シニアアートワークセラピスト 高橋 恵子
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