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Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

”パス” でつながる想い

2014-06-25 17:30:40 | 素敵な現場
こんにちは、シニア担当のshikibuです。

サッカーワールドカップ グループリーグ最終戦!

今日は日本のここ一番の大事な戦い。

結果はなんとも残念~~~でしたが日本選手団お疲れさまでした。

試合を見ていると往年のサッカー漫画、『キャプテン翼』(好きでした♡)

のような超絶テクニックに驚くことがあります。

が、ほとんどはドリブル、そしてパスでつなぎ、ここぞ!というところで

シューーートォォォ!!! という流れですよね。

自分ひとりで敵の陣中を切り開くのは大変だけれど、味方同士が

絶妙とも言えるタイミングでパスし合うことにより流れを変えること

ができるしもちろん得点にも結びつく。

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そんなサッカーの試合とは全く接点が無さそうな、高齢者介護施設に

おけるアートセラピークラスでのこと。

今月のテーマは『恵みの雨』

色のついていない、白い紫陽花の花に色水とスポイトを使い”恵みの雨”

を降らせて、彩り豊かにお花を咲かせ、単調な色合いになりがちな梅雨

の日々、ご自身の心の中のお花も瑞々しく色づいてゆきますように・・・

というプログラムでした。

この日、ご挨拶もそこそこでご自身のお話を繰り返し語られるH様。時間に

なってもしばらくは色々なところに気が行ってしまっているご様子でした。

ところが紫陽花に色を付ける、という段階でご自身で色付かせる、という

ことにすっかり夢中になられ、そのまま最後まで満面の笑顔で作品を作られ

ました。始まる前から終わりまで、サポーターが代わる代わるH様に寄り添い

ます。そんなH様の作品です。



黄色い紫陽花の周りには瑞々しい葉っぱとかわいらしいかたつむりが何匹も。

一目見ただけでにぎやかで楽しい雰囲気が伝わってくるようです。

そして皆様の作品。土台も絵の具も画材も、皆同じものを使っているのにどれ

一つとして同じものにはなりません。

 

あっという間の50分が過ぎると、皆様はおやつの時間ですが私たちは振返りの

時間。

今日の皆様の様子、そして私たち自身が気づいたことや反省点など、クラスの

時間と同じくらいかそれ以上の時間をかけてシェアします。

そんな中で、仲間の一人が話してくれたこと。

 「今までは自分が関わった方がなかなか集中できなかったり、反応

 を示してくださらなかったりすると、自分ひとりがなんとかしなきゃ、

 という気持ちになっていた。

  今日、やっぱりそういうことがあって、でも自分の手を離れて他

 の仲間が接してくれて、そこで元気に手を動かしてくださっていた

  のを見て、”ああ、自分一人で頑張らなくても大丈夫、仲間に任せ

 ることができるんだ”って思えた

・・・これっていわば、想いの”パス”?!


私たちは今期6名のチーム(ファシリテーター1名&サポーターとしてのセラ

ピスト5名)でこの場を作っています。

このチームは今年の4月から、しかもその時初めて顔を合わせる仲間が半数以上。

チームになってからの現場はたったの3回目です。

会う回数は限られていますが、温かい場を作るという気持ちは皆同じ。

参加してくださる皆さまにこのアートセラピーの時間を楽しく過ごしていただき

たい・・・

この想いが、私たちの間を目には見えないけれどまるでサッカーのパスのように

繋がって、引き継がれてゆくことで、ご参加の皆様の気持ちがゆっくりほぐれて

ゆくのではないか・・・

そんな風に思ったのです。

例えば私たち自身でも走り始めようとする時、いきなりトップスピードは難しい

ですよね。

最初はウォーミングアップで体そして心も温めて、そうしてようやく自分のペース

に乗れるようになる。

シニアの方は私たちよりもご自身のペースに乗れるまでもう少し時間がかかるかも

しれません。

私たちセラピストが大事にしているのはアイドリングからスタートまでその方の状態

に合わせて体も心も整うよう、サポートすること。

その状態を次の仲間に引き継ぎ、受け取った仲間はシニアの方お一人お一人のペース

で準備の時間を経てスタートしたその方に寄り添ってゆくのです。

「楽しい時間を味わっていただきたい」

「ご自身の力や意思(こうしたい、したくない、等)を表現できる場にしたい」

私たちが想いを共有しているということは言ってみれば目指すゴールが同じということ。

ゴールに向けて、ドリブルだけでなくパスという手段もあるんだな・・・

とは彼女の話を聞いて感じた私の心の声

そう考えると先の仲間はさながら、自分のパスが通って仲間がゴールを

決めた、そんな感覚でしょうか。

梅雨の合い間に鮮やかに咲く紫陽花のように晴れやかな顔をしていました

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