Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

こころのことば

2010-10-27 09:41:58 | 素敵な現場
シニア担当のYokoです。



お一人ご紹介したい方がいらっしゃいます。

お名前はOZさんにしておきましょう。

女性です。

確か街の賑やかな商店街のおかみさんだったと伺っています。



私がお会いしたのはもうかなり認知症が進んでご入居された4年前。

じっとしている事がなかなか出来ない状態でした。

会話は飛び飛びですが、する事もできました。

フロア中を歩く 歩く 歩く

落ち着いている時はワークにも参加出来ていました。



今はそのほかの疾病もあり、車椅子の完全介護の状態です。

そして今 会話は・・・・

言葉に発するのは 「ああ~」「うう~」



でも会話って本当は一体なんのでしょう?



先日のワークでは私はサポーター参加だったため OZさんの隣りにいました。

そして手を肩を必ず体のどこかに触れながら、お伝えする時は目を見ながら

一緒にワークを過ごしました。



OZさん今日はコスモスを持ってきましたよ。

OZさん手を握りましょうか?

OZさん今日の歌は「紅葉」ですよ。

OZさん落ち着いて深呼吸しましょ。すーーはーー

OZさん黄色がいいいですか?赤がいいですか?



OZさんの返答はすべて「ああ~」「うう~」



私は介護のプロではありません。

介護の方がこのブログを読んだらどう思われるかはわかりません。



でもこの「ああ~」「うう~」には伝えている事がある。

私の思い違いかもしれませんが、私にはそう感じました。



なぜそう感じたか?

少し私が席を離れると 目でずっと追いながら 声が大きく「ああ~」「うう~」

そばに居て手を握り続けていると 少し声のトーンが小さくなって「ああ~」「うう~」



そしてうれしいことがありました。

小さな声の「ああ~」「うう~」で 「紅葉」を歌っていたのです。

私は驚いて顔を近づけじっと聞いてみました。

みんなの音にあわせて確かに「あ あ あ あ~ 」と歌っている。



うれしかった。



言葉は届いている。

そしてそれを「ああ~」「うう~」で返してくれている。



言葉の数が多い会話などよりもずっとずっと

私はOZさんと会話をしたような気持ちになりました。




私たちはたくさんの言葉を使って自分の気持ちを伝えようとします。

そして伝えることと説明することを取り違えてしまうときすらある。

でもほんとうにほんとうに伝えたいことは

とても短い言葉で十分なのかもしれません。





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2 コメント

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アンテナ (miwaji)
2010-11-04 21:01:04
OZさんの言葉にならない声を、豊かなアンテナでそっとキャッチしてくれているYokoちゃんがいる。
その事になぜか私が救われたような気持ちになりました。ありがとう。

アートセラピストって、キャッチする人なんだな
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キャッチ (Yoko)
2010-11-04 23:32:14
>miwajiさん

>アートセラピストって、キャッチする人なんだな

きっとmiwajiはまめぴよでたくさん子供たちの
心の声キャッチしてるんだろうな。


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