こんにちは。
シニア担当 shikibuです。
東京は例年より3日早く梅雨入り
その梅雨入り前の真夏のようなとある一日、「イメージの力」展@国立新美術館(~6/9まで開催)に行ってきました。
入ってすぐの大きな木像、そして壁面いっぱいに展示された世界各国の仮面の存在感に圧倒されます。
改めて”人間”という存在の不思議さを感じた展覧会でした。
もちろん人間以外の生き物ももしかしたら夢を見たり、何らかのイメージを思い描いているかもしれません。
でも
頭の中にあるイメージが、形になって頭の外から出る、これってすごいことではないでしょうか・・・
それより少し遡って、毎月開催の高齢者介護施設におけるアートセラピー。
いつもこの場にご参加くださるA様が、よくワークの最中に歌われる「椰子の実」、♫ふ~る~さとの岸を
は~なれて♫ という歌詞から、皆さまの「ふるさと」への”想い”を何か”形”にできないだろうか
・・・と思ったのが今回のプログラム作りのきっかけです。
ふるさとを離れ様々な経験を経てこられた皆さまが、父や母、夫でも妻でも無く少年少女として暮らして
いた、その時の気持ちを思い起こしていただけたら・・・
そして願わくばその無邪気なこども時代に感じたあたたかい気持ち、家族の愛に包まれていた幸せ感等など
・・・を今、何か形で残す事ができないか・・・
あれこれ試行錯誤しながら、最終的にはふるさとへの想いを自分(あるいは自分以外のどなたか)に
宛てた「絵手紙」にする、というプログラムとして形になりました。
ウォーミングアップとして今回は「椰子の実」そして「故郷(ふるさと)」の2曲を歌います。
日本の唱歌のメロディと歌詞は歌うとわかりますが本当に美しくやさしくあたたかい。
この「故郷」を歌っているとき、そして歌い終えても部屋全体がやさしい空気に包まれているような感じを
覚えた程です。
そして奇跡?!が。
お部屋にいらしても目を閉じてお休みされているH様、なんと「故郷」の歌をしっかり声に出して歌われました。
(しかも歌詞カード無し!実は2回目です)
目は瞑られたままでしたので聴覚のみで「故郷」の歌を感じ取り、ご自身でも歌を合わせて下さいます。
思わず歌いたくなるほど、H様の体に、心に刻まれた歌なのかもしれません・・・
歌を終え、昭和初期のこどもの写真などご覧いただきながら皆様のふるさとの話をお伺いすると、お一人お一人の
宝物のようなイメージが皆様の頭の中に浮かんでいるようです。
実は皆様の子どもの頃というと時代背景もあって「子ども時代が幸せとは限らない方もいるのではないか・・・
と心配する仲間もいました。
しかし、歌の効果でしょうか。皆さまが話してくださったふるさとのイメージはどれもとてもあたたかく、幸せで、
子どもでいることを楽しんでいるような・・・そんなお話ばかりでした。
私たちセラピストは皆様の思い出のイメージと一緒に旅するように注意深く耳を傾け、寄り添います。
・HI様
この日はちょうど息子さんが面会にいらしていました。
母親想いの立派な息子さんを育てられ、妻として母として充分お勤めを果たして来られたHI様
ふるさとの思い出を聞かれて
「うまれは東北のほう、両親は自分の事をとても大事に大事に育ててくれた」
と語ったHI様。”娘”に戻った一瞬でした。
作品はご両親から感じた慈しみと愛情を受けて大きく開いたお花。
そこに笑顔が見えるのは私だけでしょうか。
・HA様
「お母さんがいろいろな端切れを使ってお手玉を作ってくれた」
と話して下さったのは御年102歳のHA様。95年以上?!前の思い出も鮮やかによみがえってくるようです。
「お手玉に入れるアズキはね普通の小豆じゃないの。くずれアズキというのを使うのよ」
とまるでついこの間の事のようにお話して下さいます。
さらに
「私は商いをしている家を手伝うために商業高校に行ったの。これはその時に来ていた矢絣の着物」
”はいからさんが通る”を思わせるような柄はHA様が女学生の頃に流行った柄だったのかもしれません。
お話を伺いながら、さっそうと高校に通うHA様の隣を歩いているような、そんな気持ちになります。
作品上部はふるさとの空だそうです。
見ている私の心の中にも青い空が広がります。
・I様
普段、お休みがちで久しぶりにご参加下さったI様
ご参加されている時のI様のイメージはとても鮮やかです。(お休みがちと思えません!)
「庭に池があったの。 そこには金魚がいて、この黒いのはお父さん金魚。」
「縁日では皆浴衣をきてそぞろ歩いたものよ」
遠くにおいてあった淡いピンク色の和紙を指して
「あれを取ってちょうだい。そしてここに貼って。庭には桜の木があったの。これはその桜」
I様が少女だった頃、いつも見慣れた風景だったのでしょうか。
特別では無い、日常のなにげない風景がふっと甦ること、ありますよね。
意外とそれが自分にとって大切なもの、だったりするのかもしれません。
そして作品右寄り中央に○がいくつかあるのにお気づきでしょうか。
これは金魚のあぶく! まっすぐではなく右に左に揺れながら立ち上るのがポイントとのこと。
I様の鮮やかなイメージにはいつも脱帽です。
------------------------------------------------------------------
今回参加の仲間の一人がこんなことを言ってくれました。
「アートセラピーって、アートを作るだけじゃない。
その時間まるごとが癒し、セラピーなんだ、ということがよく判った」
そうなのです。
シニアアートセラピーの現場は笑顔と喜びがいっぱいです。
時に悩んだりもするけれどそんな時は頼もしい仲間に支えられています。
「シニアの方と普段まるで接点ないけれど大丈夫かしら・・・」と言う方、
もちろん大丈夫です。
私自身それまではほぼ100%シニアの方との接点はありませんでした。
今の現場は自分にとって思いがけないギフトのようなところ・・・といつも思っています。
出会いって不思議ですね。
もし、ちらっとでも心が動いた方、一緒に仲間になりませんか?
シニアアートワーク初級認定講座、始まりますよー
シニア担当 shikibuです。
東京は例年より3日早く梅雨入り
その梅雨入り前の真夏のようなとある一日、「イメージの力」展@国立新美術館(~6/9まで開催)に行ってきました。
入ってすぐの大きな木像、そして壁面いっぱいに展示された世界各国の仮面の存在感に圧倒されます。
改めて”人間”という存在の不思議さを感じた展覧会でした。
もちろん人間以外の生き物ももしかしたら夢を見たり、何らかのイメージを思い描いているかもしれません。
でも
頭の中にあるイメージが、形になって頭の外から出る、これってすごいことではないでしょうか・・・
それより少し遡って、毎月開催の高齢者介護施設におけるアートセラピー。
いつもこの場にご参加くださるA様が、よくワークの最中に歌われる「椰子の実」、♫ふ~る~さとの岸を
は~なれて♫ という歌詞から、皆さまの「ふるさと」への”想い”を何か”形”にできないだろうか
・・・と思ったのが今回のプログラム作りのきっかけです。
ふるさとを離れ様々な経験を経てこられた皆さまが、父や母、夫でも妻でも無く少年少女として暮らして
いた、その時の気持ちを思い起こしていただけたら・・・
そして願わくばその無邪気なこども時代に感じたあたたかい気持ち、家族の愛に包まれていた幸せ感等など
・・・を今、何か形で残す事ができないか・・・
あれこれ試行錯誤しながら、最終的にはふるさとへの想いを自分(あるいは自分以外のどなたか)に
宛てた「絵手紙」にする、というプログラムとして形になりました。
ウォーミングアップとして今回は「椰子の実」そして「故郷(ふるさと)」の2曲を歌います。
日本の唱歌のメロディと歌詞は歌うとわかりますが本当に美しくやさしくあたたかい。
この「故郷」を歌っているとき、そして歌い終えても部屋全体がやさしい空気に包まれているような感じを
覚えた程です。
そして奇跡?!が。
お部屋にいらしても目を閉じてお休みされているH様、なんと「故郷」の歌をしっかり声に出して歌われました。
(しかも歌詞カード無し!実は2回目です)
目は瞑られたままでしたので聴覚のみで「故郷」の歌を感じ取り、ご自身でも歌を合わせて下さいます。
思わず歌いたくなるほど、H様の体に、心に刻まれた歌なのかもしれません・・・
歌を終え、昭和初期のこどもの写真などご覧いただきながら皆様のふるさとの話をお伺いすると、お一人お一人の
宝物のようなイメージが皆様の頭の中に浮かんでいるようです。
実は皆様の子どもの頃というと時代背景もあって「子ども時代が幸せとは限らない方もいるのではないか・・・
と心配する仲間もいました。
しかし、歌の効果でしょうか。皆さまが話してくださったふるさとのイメージはどれもとてもあたたかく、幸せで、
子どもでいることを楽しんでいるような・・・そんなお話ばかりでした。
私たちセラピストは皆様の思い出のイメージと一緒に旅するように注意深く耳を傾け、寄り添います。
・HI様
この日はちょうど息子さんが面会にいらしていました。
母親想いの立派な息子さんを育てられ、妻として母として充分お勤めを果たして来られたHI様
ふるさとの思い出を聞かれて
「うまれは東北のほう、両親は自分の事をとても大事に大事に育ててくれた」
と語ったHI様。”娘”に戻った一瞬でした。
作品はご両親から感じた慈しみと愛情を受けて大きく開いたお花。
そこに笑顔が見えるのは私だけでしょうか。
・HA様
「お母さんがいろいろな端切れを使ってお手玉を作ってくれた」
と話して下さったのは御年102歳のHA様。95年以上?!前の思い出も鮮やかによみがえってくるようです。
「お手玉に入れるアズキはね普通の小豆じゃないの。くずれアズキというのを使うのよ」
とまるでついこの間の事のようにお話して下さいます。
さらに
「私は商いをしている家を手伝うために商業高校に行ったの。これはその時に来ていた矢絣の着物」
”はいからさんが通る”を思わせるような柄はHA様が女学生の頃に流行った柄だったのかもしれません。
お話を伺いながら、さっそうと高校に通うHA様の隣を歩いているような、そんな気持ちになります。
作品上部はふるさとの空だそうです。
見ている私の心の中にも青い空が広がります。
・I様
普段、お休みがちで久しぶりにご参加下さったI様
ご参加されている時のI様のイメージはとても鮮やかです。(お休みがちと思えません!)
「庭に池があったの。 そこには金魚がいて、この黒いのはお父さん金魚。」
「縁日では皆浴衣をきてそぞろ歩いたものよ」
遠くにおいてあった淡いピンク色の和紙を指して
「あれを取ってちょうだい。そしてここに貼って。庭には桜の木があったの。これはその桜」
I様が少女だった頃、いつも見慣れた風景だったのでしょうか。
特別では無い、日常のなにげない風景がふっと甦ること、ありますよね。
意外とそれが自分にとって大切なもの、だったりするのかもしれません。
そして作品右寄り中央に○がいくつかあるのにお気づきでしょうか。
これは金魚のあぶく! まっすぐではなく右に左に揺れながら立ち上るのがポイントとのこと。
I様の鮮やかなイメージにはいつも脱帽です。
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今回参加の仲間の一人がこんなことを言ってくれました。
「アートセラピーって、アートを作るだけじゃない。
その時間まるごとが癒し、セラピーなんだ、ということがよく判った」
そうなのです。
シニアアートセラピーの現場は笑顔と喜びがいっぱいです。
時に悩んだりもするけれどそんな時は頼もしい仲間に支えられています。
「シニアの方と普段まるで接点ないけれど大丈夫かしら・・・」と言う方、
もちろん大丈夫です。
私自身それまではほぼ100%シニアの方との接点はありませんでした。
今の現場は自分にとって思いがけないギフトのようなところ・・・といつも思っています。
出会いって不思議ですね。
もし、ちらっとでも心が動いた方、一緒に仲間になりませんか?
シニアアートワーク初級認定講座、始まりますよー
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