NPO法人 専攻科 滋賀の会

盲・聾・養護学校高等部への専攻科設置拡大、そして広く特別な教育的ニーズを有する青年たちの教育機会の保障をめざす滋賀の会

第12回障害青年発達保障研究会を終えて

2012年11月11日 09時16分28秒 | 会員募集のお知らせ
■第12回障害青年発達保障研究会 
2012年10月13日(土)午後1時半~約90分
講座・テーマ▶青年期教育の展望と課題
講師・▶渡部 明男先生(国立大学法人神戸大学発達科学部・
神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授)



渡部先生が前に勤務されていた、公立で唯一専攻科を設置している鳥取大付属支援学校の実践を中心に、写真やビデオも使ってわかりやすくお話しされました。トピックスをご紹介いたします。

どのようにして専攻科ができたのか
「学校から社会へ」「子供から大人へ」の移行には、より丁寧な支援が必要と感じていた。全国の専攻科(私学)を訪れ、その必要性をより実感された。
200年:小学部の定数を各学年1減らすことで高等部の専攻科(6名)が設置できた。(2年ほどの準備で文科省は了解し、1名の教員の増員も得た)
専攻科と並行し、NPO法人で作業所やグループホームも運営し、個々にあった移行支援をしている。
▼講座当日の様子①(当会理事長の立岡より冒頭ご挨拶)

どのような実践がされているのか
 一時間を100分単位とし、学習も5領域(くらし、労働、余暇・教養講座、研究ゼミ)にし、じっくりと取り組めるようにした。
青年がその課題に試行錯誤したり仲間と一緒に考えるなど「思案する」ことを大事にしている。

「七転び八起きの自分づくり」
大人は見守りに徹し経験や失敗から学ぶことを大事にする。(例:チャレンジ給食、週1回は学生自身が給食を作る。2,3回目でやっと、まともな給食にありつける)

青年の憧れや自尊心を大事に
題材やテーマで青年の自尊心を刺激し、ボランティアとして地域の祭りに参加するなど大人扱いのなかで、自信や誇りを育てる。研究ゼミ等で新しいことを知る喜びを体感していけるようにしている。
また、「実践創造サイクル」や「自分づくり段階表」など今後の実践に生かしていけることをたくさん紹介していただきました。

講座出席者からの質問概要
☆6人の人から感想や質問が出されました。その中で印象深かった、19才の娘さんを持つお母さんからの質問を紹介します。
Q:▶この3月に高等部を卒業して作業所に行きだしたが、すぐに「なぜ、働かなければあかんの」「私の将来はどうなるの」等々の疑問や悩みが強くなり、現在は作業所には行けていない。この子が「生き生きと暮らし、今日も楽しかったと思える充実した生活をおくらせてあげたい。どうしたらいいか」

A:渡部先生▶ 娘さんの思いは青年期では至極当然のものとして受け止めたい。鳥大の専攻科はそのような人は大歓迎。専攻科の面白いところは憧れや目当てになる「モデル」ができてくる所。
 認知が高い人は親など周りが何を期待しているのかびんびん感じるので自分の思いが出せない。また「自分のできないことがわかるので、その場面になると引いてしまう。」等丁寧に質問に答えていただきました。
▼講座当日の様子②(渡部先生のビデオを挟んだ講義)

研究会終了後、早速お母さんは、来年度から自立訓練事業で「専攻科」を立ち上げる「蒲生の会」の方と話し込んでおられました。文;山田 久視
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