遼、初勝利「本当にうれしい」-プレジデンツ杯
遼、初勝利だ!! 男子ゴルフの世界選抜vs米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」第2日は9日、米サンフランシスコのハーディングパークGCで行われ、大会史上最年少出場の石川遼(18)=パナソニック=が奮闘。8月の「全米プロ」覇者Y・E・ヤン(37)=韓国=と組み、米国選抜のケニー・ペリー(49)、ショーン・オヘア(27)相手に4アンド3で完勝した。前日8日はタイガー・ウッズ(33)擁する米国選抜の前にポイントを稼げなかった日本の若き天才が、敵地のギャラリーを驚嘆させた。
抜けるような青空の下、石川の顔に笑みが広がった。大歓声が沸き起こる。2アップで迎えた11番。グリーン奥のカラーから放った約8メートルのロングパットはゆっくりと左へ弧を描きながら、カップへ吸い込まれた。
貴重なパーディーを奪い、追撃態勢に入っていたペリー、オヘアの米国ペアとの差を3アップに。それまで「USA」コールを送っていた敵地のギャラリーも、この時ばかりは、日本の18歳に拍手せざるを得なかった。12番は米国選抜に取られたが、続く13番では300ヤードのドライバーショットで第1打をグリーンそばまで運び、簡単にバーディーを奪取。相手にスキを与えないゲーム運びで、大会初のポイントを勝ち取った。
「ペリーもオヘアもしぶとく、本当に引き分けも難しいゲームでしたけど、大事な1ポイントを2日目に取れて本当にうれしい」
4アップでドーミーホールとなった15番、ヤンがパーパットを沈め、残り3ホールを残して勝利が確定。ホールアウト後には現地テレビ局のインタビューに、堂々と通訳なしで英語で答えた。
この日は各ホールで、良い方のスコアを採用するフォアボール方式。現在、国内ツアーのバーディー率の部門別ランキング1位を誇る石川にとってはボギーを恐れずに戦えるだけに、ピンそばを狙う攻撃的なゴルフに徹することができた。
ヤンとのペアも追い風になった。昨年の「フジサンケイ・クラシック」で同組で回った経験があり、相性はバッチリ。プレーの合間にはヤンから「勝負を急ぐな」とのアドバイスを受け、石川は大きなスイングアークで安定したショットを繰り出していった。
日韓コンビの勝利で、米国選抜との差は前日同様、5.5-6.5と1ポイントビハインドのまま。初日8日は最強タイガー・ウッズ組に完敗した石川も、この日の完勝で表情も晴れやかに。「まだまだ全力を尽くして、チームに貢献していきたい」と言葉に力を込めた。
「プレジジテンツカップ」の対戦成績は米国が5勝1敗1分とリード。今大会も下馬評では米国断然有利だが、世界の「RYO」が新たな歴史を残す勢いだ。
▼プレジデンツ・カップ 1994年にスタートした欧州以外の国籍を持つ選手による世界選抜と、米国選抜で争われる男子ゴルフの対抗戦。自身はプレーをしない主将と、12選手でチームを編成。今回、世界選抜はグレグ・ノーマン(オーストラリア)、米国選抜はフレッド・カプルスが主将を務める。2人1組によるフォアサムやフォアボール、1対1で争うマッチプレーでポイントを取り合い、合計点でチームの勝敗を決める。
≪試合形式≫
【第2日】2人それぞれのボールをプレーしていい方のスコアを採用するフォアボール(6試合)
【第3日】午前にフォアサム(5試合)、午後からフォアボール(5試合)
【最終日】マッチプレー形式のシングルス(12試合)勝ちは1点、引き分けは0.5点で、負けは0点。4日間のポイントを合計する。