カルカッタより愛を込めて・・・。

今月のアピア40のライブは3月21日(金)です。また生配信があるので良かったら見てください。

花を。

2014-01-24 16:40:01 | Weblog

 今日は病院に向かう前にバーニーから哀しい話を聞いた。

 MCではないが、マザーハウスのミサに来ていた若いシスターが先週バスとバスに挟まれて亡くなったとのことだった。

 ほんとうに交通事故には気を付けなければならない、、。

 病院にも交通事故にあった小さな子供が病院に来ていた、父親がケアをしていたが、子供は痛さのあまり悲鳴をあげていた。

 子供の悲鳴ほど胸に刺さるものはない、私には胸の痛めることしか出来なかった。

 病院の4階には家族のいない患者が二人いる、その一人は廊下の運搬用のベッドから降りて、モーフに包まって床で寝ていた、服は何も来ていなかった。

 私はメリーと二人で病院に向かい、彼に服を着せ、エッグトーストを与えていたが水とビスケットも彼に与えた。

 彼の様態は良くはない、何て言ったら良いのだろうか、彼はずっと体を左右に揺らし震えているようだった。

 ベッドの上は糞尿で汚れていたので、それをきれいにしてから、彼をベッドに乗せ、帰ってきた。

 すでに他のメンバーは駅に向かっていたので、メリーはサウスステーションに向かい、自分はノースステーションに向かった。

 私は一人でボランティアの誰かが来るだろうと思われる場所で待っていたが、しばらく待っても来ないのでディスペンサリーに行こうとした。

 歩いていると、骨だけの下半身を丸出しにし、寝ている男性{35歳くらい}の患者を見つけた。

 彼の臀部は皮が向け、激しい下痢の後があり、もう死にそうだった。

 苦しさのあまり、のた打ち回るように体を動かしていた。

 彼は初め、私が病院{プレムダン}に連れて行くと伝えると拒否するような仕草を見せた。

 少し離れて様子を伺うようにしてから、またゆっくりと彼に近づき、話しかけた。

 病院はお金は要らないし、きれいなベッドもある、食べ物をあげるし、何の問題もないと言うと彼は微かに頷き、受け容れてくれた。

 ここに患者がいると言う事はまだ他のボランティアはここを歩いていないことだと言う事が分かったので、みんなが一度集まる場所に向かうと、バーニーたちがいた。

 一度みんなディスペンサリーに集まり、休憩を取りながら、それからの行動を話し合った。

 私とマリオと新しく加わったケベック出身のジェニンがプレムダンに運ぶことにした。

 バーニーはタクシーに乗せるところまで付き合うと私たちと一緒に来た。

 患者のところに着くと、彼の意識はすでに無かった。

 私が両足を持ち、マリオが肩を持ち、バーニーが頭を支えながら患者を車椅子に乗せた。

 すでに虫の息だった。

 運んでいる途中、これはタクシーの中で亡くなるかもしれないと思った。

 しばらく歩くとマリオが少し叫ぶように言った。

 「死んだ、、」

 だが、彼はまだ微かに息をしていた、止まったように見えた彼の喉仏はまだ間を置きながらだが動いた。

 そこで私は言った。

 「もうこの患者はタクシーでは運べない」

 バーニーは言った。

 「ポリスのところに連れて行こう」

 そこからポリスステーションまで100メートルも無かったが、そこまで行くと、彼は亡くなった。

 バーニーとマリオと私で患者を車椅子から降ろし、持っていたビニールシートに彼をきれいに包んだ。

 ジェニンはそれをずっと見つめていた。

 バーニーが警察のところに行き、話しをしている間、ジェニンを見ると小さな声でロザリオの祈りを祈っていた。

 戻ってきたバーニーは亡くなった人のために花を買いに行くとジェニンと一緒に買いに行った。

 マリオは真剣そのものの顔していた、パーカーを脱いでいなかったから熱かったのだろう、彼の鼻先には汗が一粒光り、今にも落ちそうになっていた。

 私は亡くなった彼の瞳を閉じようと右手の人差し指と親指で彼の瞳を閉じると、私の右手の小指は微かに震えていた。

 私の意識にはない行動を小指はしていた、小指は私の感じる感情以上の感情を感じていたのだろう、私はそれを見て、その思いを知るのだった。

 バーニーが帰ってくるまでずっと彼の傍に腰を下ろし、祈っていた。

 もう苦しくないだろう、どんなに苦しい時を過ごしていたんだろう、もうゆっくりと休むと良い、もう何も苦しむ必要はないんだから、そんなことを私は胸の中から、彼に向かって話しかけていた。

 バーニーたちが戻ってきた、花を首に掛け、みんなで最後に一緒に祈り、彼のもとを離れた。

 
 もう一度ディスペンサリーに戻り、もう一度休憩をした。

 私の指先はしっかりと洗い、消毒もしたにも関わらず、彼の死臭が残っていた。

 
 帰る途中、メンタルな女性が道路脇の水を野良犬のように飲んでいた。

 すぐにそれを止めさせ、私のミネラルウォーターをあげ、パンを買い与えた。

 一緒にいたジェニンに「ハードライフ」とだけ、私は言った。

 ジェニンは一度も患者に触れなかった、私はあえて何も言わなかった。

 あまりにショックだったのか、それとも怖かったのか、それとも何が何だか分からなかったのか、それは分からない。

 「彼が神さまだよ」とは彼女には伝えなかった。

 彼女は彼女自身でこの現実を受け容れていく方が良いと私は考えていた。
コメント
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