来むと言ふも 来ぬ時あるを
来じと言ふを
来むとは待たじ
来じと言ふものを
* 大伴坂上郎女 *
あなたは 来るとおっしゃっても 来ない時がおありなのだから
来ないとおっしゃるなら
もしかしていらっしゃるかも・・と淡い期待を抱いて お待ちしたりはしませんわ
今夜は来ないとおっしゃってるのですから
と いう意味の歌です。
万葉集 約4,530首の中の一首です。
大伴坂上郎女・・おおとものさかのうえのいらつめ と読みます。
こんな記事を書いたからといって、わたしが短歌をたしなむというわけではないのです。
今朝TVを見ていたら、BSハイビジョンの番組紹介をしていて、その中で万葉集が出てきたので ちょっと思い出したのです。
若い頃、和歌に興味があって、いろいろ解説本などを読んでいく中で印象深かった歌のひとつです。
31文字で、気持ちや情景を表現できるって、すごいですよね。
あの時代は、歌を詠む人も それを読む人も、感性が豊かだったのでしょうね。
大伴坂上郎女さんのカレシがこの歌を読んで、
「じゃあ、びっくりさせてやろうかな」
って、万障お繰り合わせの上 突撃訪問していたら、彼女、どんなリアクションで どんな歌を詠んだでしょうね・・?