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http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/d6d06f0bf82506e6c5b1a72c07bf82f3
最終章 衝撃的な告白
和彦のイメチェンはいいように成功し、性格も少し明るくなり、やがてクラスにも何人か仲のいい友人ができた。
和彦と未来はなんとなく馬があい、どちらとも好きだと告白をしないまま、なんとなく付き合い始めたような感じだった。
神様代理部長から言われた1ヶ月には、もうあと半月しかなかった。
ある日、和彦は、いつも一緒にお茶をする喫茶店に未来を呼び出した。
「どうしたの?改まって・・プロポーズは無理よ・・・学生結婚は絶対に認めないって親に言われているから」
「未来・・・茶化さないでちゃんと聞いてほしい。実は俺は一度死んでいるんだ」
未来は、最初、和彦の頭がおかしくなったのかと思っい、マジマジと和彦の顔を見た。
「でも和彦生きているジャン」
「話すと長くなるんだけど、人生に絶望して、高校の校舎の上から飛び降りたときに神様代理部長という神様の代理の人に『地獄に行きたくなければ、君はまだ若いんだから人生をやり直したほうがいい』といわれ、時間を戻され、生き返ったんだ・・・・」
と自分でも他人に言われたら、絶対に信じないだろうと思うような、それでも事実をありのまま未来に伝えた。
シクシク・・・未来はいきなり泣き出した。
「未来ごめん。泣かないで・・・まるで俺が泣かしているみたいジャン」
(って俺が泣かしているのか・・・)
「それで、1ヶ月以内に好きな子とキスをしないと、もう一度今度は本当に死んじゃうんだよ俺・・・・地獄に行くらしいんだよ・・」
ハンカチを和彦が貸したがまったく役にたたないくらい未来は泣きじゃくっていた。
「なんで、なんで・・・・今頃、言うの?
和彦は私が好きなの?それとも生き延びたいから、キスしたいから私と付き合っているの?」
「それは好きだからに決まっているじゃないか!!」
「初めて好きっていってくれたね」
というとちょっと顔を洗ってくるといい、未来はお手洗いにたった。
すっきりとした顔になり戻ってくると、未来は、神妙な顔で話を始めた。
「私の家は、みんな国立大学をでていて、私は小学校の頃から、ずっと全部優(よくできました)もしくはオール5をとらないとだめだったの。お姉ちゃんもお兄ちゃんも弟もみんなみんな天才だったの。もちろん父も母も祖父母もT大学出身者。だから、高校時代も、恋もお預けで、必死に勉強したわ。
天才は、99%の努力と1%の天賦の才能と言われていたから・・・でも私にはその1%が足りなかったの」
「だから、眼鏡かけて髪をみつあみにして・・・?」
「でもそんなある日、野球部で一生懸命、下手なのにがんばっている和彦を見かけて恋をしてしまったの。もちろんそのせいにはしないわ」
「でも図書室に行ってもなかなか集中できなくて、いつも目で和彦を追っていたの。だから最初に会ったときに名前を間違えたのはわざとなんだ・・・ごめん。」
「そうだったんだ・・・・」
女性にもてたためしのない和彦にとってはまさに晴天の霹靂の話だった。
「高校の卒業式、本当は第二ボタンほしかったんだけど恥ずかしくてもらえなくて」
「でも俺は、あの当時モテモテだったやつらと違い、花束ももらえず、ボタンも全部そろったままで帰ったけどね」
「うん」
「俺は、大学に入ってから、未来のことずっとかわいいと思っていたから最初にフランス語の授業で声をかけられたときは、心臓が飛び出すかと思ったよ・・」
「本当に?」
「本当、本当。あの日の授業の内容なんて何も覚えてないくらいだもん」
「いつも覚えてないんじゃないの」
「まぁそれも一理あるな」
「で、ごめん脱線して、で結局、おわかりのとおり、この大学に来ているってことは見事にT大学を落ちたのね」
「うん」
「両親の激怒はすごかった。おまえみたいな奴は家の子供じゃないって言われて、家を出て行けって言われて・・・。いきなり私の部屋にあった、荷物をポンポンと庭に投げ捨てられて・・・」
というと未来は、また、ポロポロと泣き出した。
「うん。うん・わかるよ。俺にも優秀な兄貴がいるから」
「それで、高校の屋上から飛び降りたの。」
「えーーーーーーーーーー!!!」
「そうきっとあなたがとびおりる二日前くらいにね。で、私もその神様代理部長さんに助けられて」
「じゃもしかして俺達両方とも自縛霊だったわけ」
「みたいね」
「それで、偶然知り合った。もしかして原宿で話をしようとしたのはそのこと?」
「うん。でも絶対に信じてもらえないと思って」
「で、私も1ヶ月以内にキスをしないと自縛霊に戻るか地獄に落ちるか・・・・」
とそこまでいうと二人とも黙り込んでしまった。
両方同じ立場なのはわかった。お互いの気持ちもわかった。でも、だからといってキスをするのは、なんか不自然というか恋愛の流れに逆らっているような気がした。
「で・・・・でも、未来も多分同じ事考えているんだろうけど、生き延びるためにキスをするのはいやなんだろう・・・」
「和彦もいやでしょう・・・打算的で・・」
「まあな・・・未来のことは大好きだけど、じゃあしましょうっていうのもおかしいしな」
「うん。じゃ二人とも自縛霊になってこの世をふらふらしながら付き合う?」
「まあそれもありだろうけどな・・・」
二人はそのまま黙り込み、未来が窓の外に視線を移した瞬間。
「あ!!!」と叫んだ。
ちょうど、外に立っていたお母さん達が話に夢中になっている時に、小さな子供が線路のほうに歩き出してしまったのであった。
「あぶないわ!あの子・・・・」
というなり未来は、店を飛び出した。
和彦も1000円札を机に置くと未来の後を追った。
カンカンカンカン運悪く踏み切りが鳴り出した。
母親は真っ青になったままそこから動けなかった。
特急電車がちょうどスピードを上げて子供に向かってきた。
「どうせ、一度死んだ命なんだから、和彦、さようなら」
というと子供を突き飛ばし未来の姿は特急電車の向こうに消えた。
キキ!!!!!!!!!
特急の運転手がやっと気づき、ブレーキを踏んだが間に合わなかった。
「また、私死んだんだ・・・でも今度は人助けを・・・・」と思った瞬間自分のことを間一髪で和彦が抱きかかえて倒れこんでいた。
そして・・・・・・・
抱きかかえた瞬間、偶然にも二人の唇は重ねあっていた。
「おうおう・・・今の若い者はよくやるな~まあ、大場君も天の川さんもよかったの~生きとれば絶対にいいことはあるんじゃぞ。
でもな、自分の人生は自分が主人公なんじゃ~逃げちゃ~だめじゃ。やるだけやってだめなら方向転換をすることも必要なんじゃぞ・・・
やまない雨はないし、夜がくれば、必ず朝はくる。
まだおまえさんたちは若いんじゃから、人生に絶望するのは早いんじゃ・・・
もっともっと長生きをして人様の役に立ち、自分達の人生を楽しむのじゃ・・・
まぁよかったよかった。」
「神様代理部長様ありがとうございます。これからは、未来と一緒にゆっくり自分達の幸せ探しの旅に立ちます。
「神様代理部長様、本当に和彦と出会わせてくれてありがとうございます。みらい(未来)の名前に負けないくらい輝かしい未来をこれから自分で築いていきます。そして・・・
もし自殺をしたい人がそばにいたらきっときちんと説得してみたいと思います」
「おうおうそうしてくれるとわしの仕事も減るので、楽になるの~よろしくな・・・
もうこれでわしゃお前さんたちの前に現れることはないとおもうが達者でな」
「神様代理部長様もお元気で・・・・」
というと、踏切をとおりすぎ、再び、二人は、今度はきちんと自分達の意志で口付けを交わしたのであった。
~FIN~
よければ読後の感想、コメ、メッセお待ちしております。
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最終章 衝撃的な告白
和彦のイメチェンはいいように成功し、性格も少し明るくなり、やがてクラスにも何人か仲のいい友人ができた。
和彦と未来はなんとなく馬があい、どちらとも好きだと告白をしないまま、なんとなく付き合い始めたような感じだった。
神様代理部長から言われた1ヶ月には、もうあと半月しかなかった。
ある日、和彦は、いつも一緒にお茶をする喫茶店に未来を呼び出した。
「どうしたの?改まって・・プロポーズは無理よ・・・学生結婚は絶対に認めないって親に言われているから」
「未来・・・茶化さないでちゃんと聞いてほしい。実は俺は一度死んでいるんだ」
未来は、最初、和彦の頭がおかしくなったのかと思っい、マジマジと和彦の顔を見た。
「でも和彦生きているジャン」
「話すと長くなるんだけど、人生に絶望して、高校の校舎の上から飛び降りたときに神様代理部長という神様の代理の人に『地獄に行きたくなければ、君はまだ若いんだから人生をやり直したほうがいい』といわれ、時間を戻され、生き返ったんだ・・・・」
と自分でも他人に言われたら、絶対に信じないだろうと思うような、それでも事実をありのまま未来に伝えた。
シクシク・・・未来はいきなり泣き出した。
「未来ごめん。泣かないで・・・まるで俺が泣かしているみたいジャン」
(って俺が泣かしているのか・・・)
「それで、1ヶ月以内に好きな子とキスをしないと、もう一度今度は本当に死んじゃうんだよ俺・・・・地獄に行くらしいんだよ・・」
ハンカチを和彦が貸したがまったく役にたたないくらい未来は泣きじゃくっていた。
「なんで、なんで・・・・今頃、言うの?
和彦は私が好きなの?それとも生き延びたいから、キスしたいから私と付き合っているの?」
「それは好きだからに決まっているじゃないか!!」
「初めて好きっていってくれたね」
というとちょっと顔を洗ってくるといい、未来はお手洗いにたった。
すっきりとした顔になり戻ってくると、未来は、神妙な顔で話を始めた。
「私の家は、みんな国立大学をでていて、私は小学校の頃から、ずっと全部優(よくできました)もしくはオール5をとらないとだめだったの。お姉ちゃんもお兄ちゃんも弟もみんなみんな天才だったの。もちろん父も母も祖父母もT大学出身者。だから、高校時代も、恋もお預けで、必死に勉強したわ。
天才は、99%の努力と1%の天賦の才能と言われていたから・・・でも私にはその1%が足りなかったの」
「だから、眼鏡かけて髪をみつあみにして・・・?」
「でもそんなある日、野球部で一生懸命、下手なのにがんばっている和彦を見かけて恋をしてしまったの。もちろんそのせいにはしないわ」
「でも図書室に行ってもなかなか集中できなくて、いつも目で和彦を追っていたの。だから最初に会ったときに名前を間違えたのはわざとなんだ・・・ごめん。」
「そうだったんだ・・・・」
女性にもてたためしのない和彦にとってはまさに晴天の霹靂の話だった。
「高校の卒業式、本当は第二ボタンほしかったんだけど恥ずかしくてもらえなくて」
「でも俺は、あの当時モテモテだったやつらと違い、花束ももらえず、ボタンも全部そろったままで帰ったけどね」
「うん」
「俺は、大学に入ってから、未来のことずっとかわいいと思っていたから最初にフランス語の授業で声をかけられたときは、心臓が飛び出すかと思ったよ・・」
「本当に?」
「本当、本当。あの日の授業の内容なんて何も覚えてないくらいだもん」
「いつも覚えてないんじゃないの」
「まぁそれも一理あるな」
「で、ごめん脱線して、で結局、おわかりのとおり、この大学に来ているってことは見事にT大学を落ちたのね」
「うん」
「両親の激怒はすごかった。おまえみたいな奴は家の子供じゃないって言われて、家を出て行けって言われて・・・。いきなり私の部屋にあった、荷物をポンポンと庭に投げ捨てられて・・・」
というと未来は、また、ポロポロと泣き出した。
「うん。うん・わかるよ。俺にも優秀な兄貴がいるから」
「それで、高校の屋上から飛び降りたの。」
「えーーーーーーーーーー!!!」
「そうきっとあなたがとびおりる二日前くらいにね。で、私もその神様代理部長さんに助けられて」
「じゃもしかして俺達両方とも自縛霊だったわけ」
「みたいね」
「それで、偶然知り合った。もしかして原宿で話をしようとしたのはそのこと?」
「うん。でも絶対に信じてもらえないと思って」
「で、私も1ヶ月以内にキスをしないと自縛霊に戻るか地獄に落ちるか・・・・」
とそこまでいうと二人とも黙り込んでしまった。
両方同じ立場なのはわかった。お互いの気持ちもわかった。でも、だからといってキスをするのは、なんか不自然というか恋愛の流れに逆らっているような気がした。
「で・・・・でも、未来も多分同じ事考えているんだろうけど、生き延びるためにキスをするのはいやなんだろう・・・」
「和彦もいやでしょう・・・打算的で・・」
「まあな・・・未来のことは大好きだけど、じゃあしましょうっていうのもおかしいしな」
「うん。じゃ二人とも自縛霊になってこの世をふらふらしながら付き合う?」
「まあそれもありだろうけどな・・・」
二人はそのまま黙り込み、未来が窓の外に視線を移した瞬間。
「あ!!!」と叫んだ。
ちょうど、外に立っていたお母さん達が話に夢中になっている時に、小さな子供が線路のほうに歩き出してしまったのであった。
「あぶないわ!あの子・・・・」
というなり未来は、店を飛び出した。
和彦も1000円札を机に置くと未来の後を追った。
カンカンカンカン運悪く踏み切りが鳴り出した。
母親は真っ青になったままそこから動けなかった。
特急電車がちょうどスピードを上げて子供に向かってきた。
「どうせ、一度死んだ命なんだから、和彦、さようなら」
というと子供を突き飛ばし未来の姿は特急電車の向こうに消えた。
キキ!!!!!!!!!
特急の運転手がやっと気づき、ブレーキを踏んだが間に合わなかった。
「また、私死んだんだ・・・でも今度は人助けを・・・・」と思った瞬間自分のことを間一髪で和彦が抱きかかえて倒れこんでいた。
そして・・・・・・・
抱きかかえた瞬間、偶然にも二人の唇は重ねあっていた。
「おうおう・・・今の若い者はよくやるな~まあ、大場君も天の川さんもよかったの~生きとれば絶対にいいことはあるんじゃぞ。
でもな、自分の人生は自分が主人公なんじゃ~逃げちゃ~だめじゃ。やるだけやってだめなら方向転換をすることも必要なんじゃぞ・・・
やまない雨はないし、夜がくれば、必ず朝はくる。
まだおまえさんたちは若いんじゃから、人生に絶望するのは早いんじゃ・・・
もっともっと長生きをして人様の役に立ち、自分達の人生を楽しむのじゃ・・・
まぁよかったよかった。」
「神様代理部長様ありがとうございます。これからは、未来と一緒にゆっくり自分達の幸せ探しの旅に立ちます。
「神様代理部長様、本当に和彦と出会わせてくれてありがとうございます。みらい(未来)の名前に負けないくらい輝かしい未来をこれから自分で築いていきます。そして・・・
もし自殺をしたい人がそばにいたらきっときちんと説得してみたいと思います」
「おうおうそうしてくれるとわしの仕事も減るので、楽になるの~よろしくな・・・
もうこれでわしゃお前さんたちの前に現れることはないとおもうが達者でな」
「神様代理部長様もお元気で・・・・」
というと、踏切をとおりすぎ、再び、二人は、今度はきちんと自分達の意志で口付けを交わしたのであった。
~FIN~
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