アクアマリン 第3話】
「ほーら、シュウも手伝って。と彼の少し著色がかった髪をクシャっとやりながらすばやくダイニングテーブルに料理を並べた。
もちろんシュウの持ってきた10万円のワインも
「じゃあ・・・コンサートの成功に祝して乾杯」
「そして穂奈美の22歳のバースデーに乾杯」
【
「あ・・・そうだっけすっかり忘れていたよ・・・」
今日は、jewelのコンサート最終日、そして彼が来ることしか頭になかった。
「あのさ・・・えっとさ・・・」
いつもはストレートに何事もズバズバいうシュウが一瞬口ごもった。
「これやるよ」と小さなリボンのついて箱をほおりなげた。
「何?これ?」
「みりゃわかるだろう・・・誕生日プレゼント」
というとシュウはテレながら、横を向いた。
「Can I open it?」
「Sure」
小さな箱からは、アクアマリンの指輪が入っていた。
アクアマリンは私の誕生石だ。
「俺、一応アイドルだし、穂奈美とデートしたくてもできないだろう・・・
ディズニーランドも連れて行ってやれないし・・・
それになかなか逢えないし・・・」
確かに殺人的なスケジュールのシュウとあえるのは、よくて週1回。
地方のコンサートだと1ヶ月以上は、メールと電話だけになってしまう。
そして友達だれにもいえない恋。
みんな彼氏を時々連れてきて飲み会に来てもいつも私は一人。
最初はアイドルとつきあっているんだと有頂天になっていたふが、今では不便な思いや、淋しい想いが先に立つ。
ででもその分、彼は、いつもメールや電話繰り返し愛の言葉を囁いてくれる。
真実の愛を・・・・本当の愛を・・・・
多いときには、移動時間中、50件を超えるメールが来るときもある。
「えっと・・・穂奈美」
彼の声で我に返る
「今すぐ結婚とかは、難しいけど。俺、真剣だから。それだけはわかってほしくてさ」
「俺の心は、いつもお前のそばにいるから。
指輪にありったけの思いをこめてプレゼントしたい。逢えないときにも常に俺を感じていてほしい。」
「ありがとう」
いつのままにか私の両目には涙があふれていた。
いつもはおちゃらけて、ジョークばかりの彼の、心からの愛のメッセージ。
彼が私の椅子のうしろにまわってきて指輪をそっとはめて、やさしく抱きしめてくれた。
こんなに深く誰かに愛されたことがあるだろうか?
彼のストレートな感情が心にひたひたとしみこんできて大粒の涙が頬をつたわってきた。
かれは、やさしく私の頬にキスをした。
なかなかあえないからといって、少々ふてくされていた自分がとても恥ずかしくなった。
「ごめん。私からは何も用意していないから、これを私のかわりに見についけて」
といって私は20歳のバースデーに自分のために購入したブレスレットを週に渡した。
「こんなものしかないけど、物々交換」
おちゃらけて言った私に
「やった!!縄文時代みたい」と笑いながらも彼の左手にしっかりとしてくれた。
「やっべえ・・・23:00から新曲TVで初OA!!」
といってワイングラスをTVの前のベッドソファーの前のテーブルに移した。
歌詞をよく聞いていて。
題名は、「アクアマリン」
なかなかあえない彼女への暖かい思いと将来を約束する究極のプロポーズソング
「作詞が俺、作曲が翔だよ。
はじめての俺達のオリジナルソングでバラード。」
「オリジナルポエム~アクアマリン~」
夜空に輝く星を集めて
I will present them to you.
だけど一番輝く星は
いつも僕の傍にある your eyes
今宵は、Milkyeayあたりを
二人でバイクでランデブー
Because I love you
You are only my shining star
いつも逢えなくて泣かせてばかりで
I am sorry,but I miss you ,too.
君で出逢えた Destiny
I am the happiest man in the world.
メールをすれば声が聞きたい 声を聞けば
I wanna hold you tight.
君のぬくもり感じるとき
My heart is melting,melting,melting
君が好きさ 心から
ダイヤのように輝く瞳
パールのような優しい涙
ルビーのような赤い唇
I wanna kiss you a.s.a.p
いつでも僕は I need you
I can't live alone without you.
だから
Will you marry me?
絶対に幸せにするよと誓いながら 君の指に
淡い海の色のエンゲージリング
Can I present this ring to you on your birthday?
Happy birthdayの言葉と共に永遠の愛を誓いたい。
君の Birthdaystoneのアクアマリンに
永遠の愛を・・・
I love you forever.
Don't you walk with me forever?
Because I loveyou.
I love you so much.
That's our destiny. 」
「穂奈美・・・君に捧げるために作った曲だ・・・いつか俺と結婚してくれ・・・心から保奈美を愛してる。俺には保奈美が必要なんだ。
穂奈美以外の女性じゃだめなんだ・・・お前と出逢ったのは、運命だと感じているよ」
といって彼は私の体がおれそうなほど、強く抱きしめると激しくキスをして、
そのまま彼の重さで二人でソファーベットに倒れこんだ」
私は、彼の髪をなでていた。
長いキスが終わると、急に彼の体が重くなり、規則正しい息遣いが聞こえてきた。
「シュウ?シュウ?」
気がつくとシュウは、静かに寝息をたてて、寝入っていた。
きっとコンサートの疲れと、プロポーズが無事に(?)終わり、ほっとしたのだろう・・・
私は彼にかけるためのタオルケットをとりに寝室に向った。
うれしさと喜びが、胸にひたひたとしみこんでいき
いつのまにか一人で微笑んでいた。
********Fin*******