詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.20★最終回★

2011年03月22日 | 小説「時空恋話」
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二十章 重大な話 

20XX年 4月20日
空は晴れ渡って、雲ひとつなかった。
今日で宏幸さんが未来に帰って4年がたつ。
私ももう都内でOLとして働いている。
今日も一年に一回の宏幸さんに会える日だ・・・・
毎日宏幸さんとメールでお互いの近況報告をしている。
もうすぐ宏幸さんに会えると思うと・・・・・

「紗枝・・・・久し振り・・・また日記書いているの?」
「うん・・・」

二人は都内のオープンカフェで待ち合わせをしていた。
雰囲気がよく、二人のお気に入りのお店だ。

「実は・・・・今日は紗枝に重大な話がある」
「何??まさか・・・もう逢えないとか・・・」

一瞬の内にさっきまで喜びでいっぱいだった瞳が曇った。

「その逆だよ・・・・」

というと宏幸は紗枝の手を両手でつつんだ。

「え・・・?」

柿谷がまた3Dの映像として現れた
「ちょっと待って下さい。」

紗枝はあわてて携帯通信機を一目につかないようにした。

「4年間君たちをずっと見守らせてもらったよ。
君たちの思いが真剣だというのもすごく伝わってきた。
そこでだ・・・・僕からのプレゼントだ・・・・・

宏幸君も大学を卒業し、わが研究室の核となってくれている。
彼を特例として過去への特派員とすることにした。」

「え・・・・?」

柿谷は照れたように笑うと紗枝が信じられない言葉を言った
「宏幸君は特派員・・・特例として君の時代にずっと派遣されることになったんだ。
もう二人は離れなくていいんだよ・・・・」
「え・・・!か・・・柿谷さん・・・あ・・ありがとうございます」
紗枝は感激で泣き出した。
「紗枝結婚しよう。うちの両親も、もちろん現在・・・うん・・この時代にいることを了承どころか喜んでくれている・・・・」
「はい。喜んで・・・・・」

紗枝と宏幸は、何度も何度も柿谷にお礼を言った。

「これで宏幸さんとずっと一緒にいられる」
「うん。柿谷さんがこの時代の住民票や戸籍をきちんと用意してくれたから、もうこれで紗枝とも堂々と結婚できるんだ!!」

二人の胸は、幸せの泉で満たされていった。



エピローグ

「沙羅・・・麗華・・・・・」
「はい・・・お父さん」
「今日は半年一回の未来に行く日だぞ・・・・」

麗華と呼ばれた美少女は満面の笑みをうかべて言った。

「そうだった・・・やったね・・・親友の麻衣華に会える・・・」

「何?麗華半年に一回の未来なのに友達できたの?」
紗枝が、エプロンで手を拭きながら近づいてきた。

「できたよ・・・沙羅お姉ちゃんなんてもっと多いよ・・・」
「でも宏幸さん・・・なんかだんだん未来に行く回数増えてない?」

紗枝はちょっとうらめしそうな顔で宏幸をにらんだ。

「新しいプロジェクトが始まったからね・・・・・
日記プロジェクトも大型化してきてるしね・・・・」
「まぁ、仕方無いわね。柿谷さんにはこんな寛大な措置をとっていただいたんだから。沙羅、麗華・・・いつも言っているように・・・・」

「はいはい・・・・未来で恋をしないように!好きな人作らないように・・・でしょ?」
「そうよ・・・わかっていればよろしい」
「でもお母さんとお父さんの子供だから」
「保障はできないけどね・・・じゃ行ってきます!!」
「・・・・沙羅!麗華!」
「おおこわっ!!」
沙羅と麗華は二人で顔を見合わせると、時空移動マシーンに宏幸と一緒に乗り込んだ。

The END

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よければ、感想などいただければ幸いです
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.19

2011年03月17日 | 小説「時空恋話」
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十九章 逢いたい・・・紗枝の日記

逢いたい・・・逢いたい

宏幸さんに会いたい・・・・

毎日メールと一日置きに電話もしているけど

逢いたい

逢って抱きしめてほしい

あなたの手のぬくもりが欲しい

さみしくて、さみしくて

たまらない・・・・・・

街にあふれる恋人たちをみて

いつもため息をつく私

あなたに会いにいっそ未来へ行けたなら

この命を削ってもおしくない・・・・・

逢いたい

逢いたい・・・・・

早く4月

桜の季節を待ち望んでいる

今ならおり姫の気持ちが痛いほどよくわかる・・・・

次回はいよいよ最終回です!
最終回はこちらから
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★再開★小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.18

2011年03月16日 | 小説「時空恋話」
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十八章 柿谷の提案

柿谷「君たちの気持ちは痛いほどわかった。僕も愛する家族を持っているから、その気持ちをないがしろにはできない。
ではこうしよう。
渡辺さんには未来の携帯型通信機を一台あげよう。そうすればいつでも宏幸君とメールや電話ができる。
そして二人が最初に出会った4月20日に1年に一度だけ宏幸君を過去・・・今の現代の時間に行かせよう」
「七夕みたいですね・・・・」

というと紗枝は宏幸を見つめた。

「ありがとうございます!!柿谷教授!いつでも紗枝と連絡がとれるなら・・・今の時代の遠恋だと思い込める・・・・」
「現在と未来で話ができる。そんなことあるんですか?」
「君も未来に来ればわかるよ・・・・その時代ももうすぐだ・・・・・」
「ありがとうございます。1年に1回しか会えないのはとてもさみしいけど・・・メールや電話ができるなら宏幸さんを常に傍に感じられる・・・・・」
「柿谷さん・・・寛大な措置をありがとうございます。」

宏幸の両両親はそろって携帯型通信機の柿谷に頭をさげた。

「これで安心して未来に帰れます。紗枝・・・・来年の4月まで待っててくれるね」
「うん・・・・逢えないのはすごくさみしいけど・・・がまんするわ・・・」
「じゃ・・・未来に僕は両親と一緒にもどるよ・・・・紗枝またね・・・・」


第十九章 「逢いたい」へ続く~

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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.17

2011年03月11日 | 小説「時空恋話」
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十七章 旅立ちの日

未来の幹部柿谷から携帯メールがはいっていた

『沢田・・よくがんばった。お前の任務はあと一日で終了だ。明日昼12時、遅れることなく未来・・・この時代に帰ってくるように』
『かしこまりました。』

文字を打つ手は震えていた。ボイスメールだったら、柿谷に心の動揺が伝わってしまっていたであろう。

「とうとう紗枝・・今日で僕は未来に帰る」
「うん・・・・その前にあって欲しい人がいるの・・・・・」

お互いの気持ちが通じ合った後、紗枝は何度か宏幸を家に連れてきていた。
今日も紗枝手作りのレモンパイを二人で食べていたところだ。
「どうぞお入りください。」
「!!!!」
「父さん、母さん・・・・」
「宏幸・・・立派になったな・・・あれは宏幸が7歳のときだから」
宏幸の記憶よりもずっと白髪が増えた宏幸の父親がそこにたっていた。
「13年前だよ・・・・」
「もう宏幸も20歳なのね・・・」

宏幸の母親は、そっと息子を抱きしめた。

「父さんと母さんが元気そうでよかった。」

宏幸は泣きそうになるのを必死にこらえていた。

「実験は成功だったの?」

「いや・・・本当は50年前に行くはずだったのが20年前に到着した。」

「そう・・私の病室にね・・・」

「病気で死んだ有名政治家を助けるミッションだったの」
「俺達は、未来型通信機すべてがいかれていて、あれ以来柿谷さんとかに連絡がとれてないんだ」
「俺は、両親が生きていることを幹部に報告すべきかどうか悩んでいるからまだ何も言ってないよ。」
「ありがとう」

というと父親は、宏幸の手を握った。

「俺と一緒に未来に帰る?」
「そのことでなんども母さんと話をしたんだが結論がでないんだよ・・・
とはいえ、この時代で大きな医学的研究をしたら未来を変えてしまうしね」
「そりゃそうだよ。未来の技術力をもって、研究なんかしたら、それこそ医学の歴史を変えてしまうよ。父さんと母さんは、優秀な医者であり、研究者なんだから」
「わかってるのよ・・・宏幸。私も、お父さんも・・・」

「沢田・・・沢田さん・・・聞こえますか???」

未来通信機・・・いわゆる携帯電話の光画面から3Dの沢田の姿が見えた。

「か・・・柿谷さんご無沙汰しています。」
宏幸の父親は、いきなり柿谷から、話し掛けられてちょっとびっくりしながら未来型通信機に話し掛けた。

「よかった。本当によかった。無事だったんだね」
そういう柿谷の目には、涙が光っていた。

「柿谷教授。申し訳ございません。任務をまっとうできなくて」
「君達が無事だったのがなによりもだよ・・よかった本当によかった。
今回の件では宏幸君に迷惑をかけたね。
宏幸君よく未来に帰るのを決断してくれた。沢田君ご夫妻も是非一緒に未来に帰ってきて欲しい。
宏幸君には申し訳ないが、時々君の様子を超小型監視装置で見させてもらったよ。別に監視の意味じゃない。私もこの目で実際の20年前の日本を見てみたかったからね。
それから・・
渡辺紗枝さん・・・」

「はい・・・」

紗枝は3Dの映像に急に話かけられビクっとした。
「本当に君にも申し訳ないことをしたね・・・・宏幸君が君に惹かれたのはよくわかるよ・・・」
「私を未来に連れて行ってください!お願いします!」
紗枝は、未来通信機を握り締めると、柿谷に懇願した。

「・・・・・。」
「お願いします。私は宏幸さんが心から好きなんです。 」
「君は・・・20年後も生きている・・・そうすれば40歳だ・・・」
「・・・・?」
「君が40歳の姿形で未来にくるのならば歓迎をしよう」
「40歳???」

紗枝は、柿谷が何を言い出したのかわからなかった。

「君は、この時代に40歳の君として生きているんだよ。わかるね。今現在、こちらの世界では、君の年齢は40歳だ。宏幸君は、未来に戻っても20歳のままだ。その20歳の年の差を君は受け入れられるのかい・・・・?」
「・・・・そ・・そんな」

柿谷のいおうとする意味がわかり、紗枝は青ざめた。

「20歳~40歳の間は、人間は一番いろんなものを吸収する貴重な時間だ。それを君は一瞬で飛び越え年をとることに耐えられるか・・・・」
「紗枝・・・・・無茶だ!君の青春を奪うなんて僕はできない・・・」
「青春なんて古い言葉だわ・・・・私はそれでも宏幸さんと一緒にいたい。
宏幸さんさえよければ・・・・」

紗枝は、真剣な目で柿谷を見つめた。

「君の両親はどうする。君がいきなりいなくなったら悲しむだろう。それとも両親の君との思い出も全部抹消するのか・・・・?」
「・・・・・・・そんな・・・・」
「君は7歳の時に一度死にかけた。それを沢田夫妻に救われ、なにも知らない両親はさぞかし喜んだであろう・・・・その両親の喜びをまた哀しみ色に塗り替えるのか?」
「できない・・・・私・・・そんなことできない・・・」

紗枝は思わず涙が次から次へと頬を伝うのを感じた。

「君はまだ若い。宏幸君との想い出を消去してもまだまだ出会いはある。運命の人に出会うこともできる」
「嫌です!!宏幸さんのことを忘れたくありません。
ひとつお願いがあります。」
「なんだね・・・」
「私の記憶を・・・宏幸さんとの思い出の日々を消さないでください。
私決して誰にも話しません・・・というか話をしても絶対に誰も信じないと思います」
「いままでもそういった少女、少年、青年をたくさんみてきたが、皆最後は自分が苦しくてだれかに話をしてしまうんだよ」
「私は少女じゃありません。私を信じてください。絶対に宏幸さんのこともご両親のことも話をしません。実際にご両親にしていただいたことはこの13年間一度も話をしたことがありません」
「では・・・こうしよう」

~第十八章「柿谷の言葉」はこちらから~
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.16

2011年03月10日 | 小説「時空恋話」
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第十六章 紗枝の記憶

「紗枝ちゃん大丈夫?」

宏幸は、紗枝に秘密を話をしたことでほっとしたのか、今までの呼び方紗枝さんが紗枝ちゃんになっていた。

「うん・・・あれは私が7歳の時・・・・私交通事故にあったの・・・・」

「うん・・・」

「それで意識不明の重態になって・・・・そのときだわ・・
ICUで寝たきりの私のそばをちょっとの間両親が離れたのね・・・
もう今夜が山場だと言われていたので親戚に連絡をしにいったの・・・
もちろん後から聞いた話だけど・・
そのときに一瞬まぶしい光が見えて・・・・・
誰もいないはずの病室に二人の人間が立っていたの。」
「うん・・・それで?」

宏幸はなぜ急に紗枝が小さい時の話を始めたのか全く理解できなかったが、今は話を中断しないほうがいいような気がしていた。

「それでその人たちが言うの・・・・
『君はかわいそうだけどもう助からない。本来ならば死んでいくんだ』って
『でもここで君にこうやってであったのも何かの縁だね・・・私たちが君の命を助けてあげよう。でもこの話は誰にも話をしてはならない。君は本当なら、今日死に行く運命だったんだだから』 って
そう言うと、私の腕に一本の注射をしたの。
すると不思議なことに、さっきまで、痛くて、全く動かなかった体が動くようになったの。
『君は、本当は死に行く運命だった。私たちが今したことは運命を変えてしまったことなるんだ。君は本当なら未来を生きていけない人間なんだ。
それを覚えていて欲しい。もしかするとこの先君の運命においてなにか時空のゆがみが原因で不思議なことがおきるかもしれない。
それに結婚するときは気をつけて。君が負うべきだった運命が家族にふりかかる可能性もある。そして二つお願いがある

このことを公言しないで欲しい。といっても公言したところで誰も信じられないし、今の科学、医学では解明できないであろう・・・・
それと、世の中を変えるようなことをしないで欲しい。君が生きているだけで少なくとも未来が少し変わってゆく。それ以上に日本に、世界に影響を及ぼすと未来から君に対して殺人者が送り込まれてきて未来がややこしくなるからね』って」
「そうなんだよ・・・説明をすると複雑なんだけど・・・僕たちのミッションに過去に殺された人を助けるっていう役目もあるんだ。なぜならその人は未来にとってすごく大切な発明や政治を変える力を持っていた人たちだったから。でも、そのことを良しと思わない輩がもっと未来からその偉人達を殺しにくる。そこでまた僕たちの時代の・・・・・・
結局いたちごっこになっているんだけど・・・昔の戦国武将なんて本当は何度も暗殺されて死にかけて生き返っているんだ・・・

それより

もしかして君があったのは・・・まさか・・・白髪の髪の短い男性とショートカットの女性じゃ・・・・」
宏幸の心臓が早鐘を打ち始めた。

「そう・・・よ・・・・・・沢田さんとおっしゃってたわ・・・どうしてもお礼が言いたくてお名前をお聞きしたの」

「!!!!」

宏幸は一瞬の沈黙の後に静かに泣き出した。

「両親だ・・・僕の・・僕の両親は、医者だったんだ・・・・。そしてその時空移動マシーンの開発者だった。」
「・・・・・・・・信じるわ。あなたの言うことを・・・・
そしてあなたなら私の経験・・・を信じてもらえる
たった一人の運命の人・・・・・」
「信じるよ。もちろん・・・・・」

宏幸は、小刻みに震えている紗枝の手をとった。

「でも僕には調査をやりとげたら未来に戻らなくてはならない使命がある・」
「いや・・・離れたくない・・・別れたくない・・・・
せっかく気持ちが・・気持ちが一緒だってわかったんだよ・・・運命の人かどうかなんてどっちでももういい・・・私は宏幸さんが好きなの」

「紗枝ちゃん聞いて欲しい・・・僕と君とは運命が違うんだ・・・本当は出会ってはいけなかった人間同士なんだ・・・・」
「未来の事はよくわからないけど・・・未来でも恋とか恋愛感情はあるんでしょう」
「もちろんだ・・・人を愛する気持ちが、文化を人生を、生活をよりよくしていく・・」
「ならわかって・・・」

紗枝の愛くるしい瞳は涙でいっぱいになった。

「ごめん・・・・無理だ・・・・僕には帰るべき未来がある・・君のことは、一生忘れないよ」
「・・・・・・また、以前のようにあなたのことは夢だと思わされるのね」
「もしくは記憶抹消・・・君の記憶の中から僕だけが消える」
「そんなこと無理よ・・・私は絶対に覚えている・・・・」
「紗枝ちゃん、もうさよならまでにあまり時間がない。僕はそれまでにたくさん君と思い出が欲しい。」
「そして私には・・・消えるべき記憶が増えるのね・・・・」
「紗枝・・・」

宏幸はふいに立ち上がり座っているさえを自分を抱きしめた。
紗枝はその腕の中で次から次へと頬を伝う涙を抑えられなかった。

「紗枝・・・・僕も心から君が好きだ・・・君と一緒にいたい気持ちは一緒だ・
でもしょせん僕は期限付きでこの現代にきている人間だから・・・このまま隠れて君と一緒にいても未来から追っ手がくる。君を危険なことに巻き込みたくない。
僕はどちらにしても強制連行されるか抹殺される。」
「未来人だからってそんなに人の命を簡単に粗末に扱うなんて」
「規則なんだよ・・・規則は守るべきものだ・・守らなければならない」
「私はあなたをあきらめきれない」
「紗枝・・・僕だって胸がはりさけそうだよ・・・」

二人はお互いの思いをぶつけあい、さらに強く抱きしめあった。



そして自然に二人の唇は触れ合っていた。


第十七章「旅立ちの日」はこちらから
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.15

2011年03月09日 | 小説「時空恋話」
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第十五章 ルネサンス

「ルネサンスって言葉知っているよね」

今日はまた紗枝が興奮して叫びださないように、二人はカラオケボックスで話をしていた。内容的にも宏幸は他の人に聞かれたくなかったからだ。

紗枝が答えた。
「14世紀 - 16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的・文化的諸運動のことでしょう」
「そうそう・・・・」
「で今の時代・・紗枝さんのいる現代をAとしよう。そして僕が住んでいる時代、未来をBとしよう。」
「またその話?」

紗枝は、形のいい眉をひそめた。

「とりあえず、お願いだから、最後まで聞いて。僕たちの時代では、小学生の授業からパソコンでノートをとっている。小学生以上の携帯電話の普及率もほぼ100%に近い。 まぁ今の時代では携帯電話というけれど僕達の時代では携帯通信機という名前で呼ばれているんだけどね。まぁそれはさておき・・・
そうしたことにより子供達は文字を書くという習慣がなくなり、漢字は読めればいいようになっていった。わかるよね」
「うん。確かに私たちもパソコンで書く時には、なんとなく字がわかればあとは変換をしてくれるからね」
「そうして子供達の学力が低下していった。算数もそうだ。計算を自分でするよりもマクロ計算などをパソコンでするほうが速いからね。今のパソコンはちょうど昔の筆箱くらいの大きさ。授業は全部この時代でいうパワーポイントで作成され全国一斉にテレビで放映・・・テレビ会議のもっと大きなシステムなんだけどね・・それを使って一律の勉強を公立では行っているんだ」
「質問とかはどうするの?」
「メールかボイスメールで送ればその授業が終わったあとに講師達から返事が返ってくるよ。
英語なんてインターネットで海外の現地の先生と結んでマンツーマン会話をいわゆる、今でいう視聴覚室で行っている。」
「すごいんだね・・・小学生からでしょ」

紗枝はあれほどまでに疑っていた、未来の話にどんどん引き込まれていった。

「そこで・・・うちの大学の教授に課せられた使命が「ルネサンス」時代回帰。
昔の古きよき文化をもう一度見直そうということだ。携帯やPCに頼らない人間が元々持っていた力を利用、使用する。直筆の手紙、日記等の研究をしようということになった。
もちろんたくさんのチームで構成されているからそれぞれが、音楽、絵画、文学等のそれぞれの分野について調べている。
時空異動マシーン、いわゆるタイムマシーンを使って実際の過去の時代の背景、その芸術に触れている人物観察も研究対象だ。」

ふぅ・・ここまで一気に離すと宏幸はコーヒーを一口飲んだ。

「食べ物もそうだ。いまや携帯性、利便性がいいというだけで今の料理・・・いや食物の中心は、この時代でいう宇宙食のようなものだ。栄養と満腹感だけを考えた味も素っ気もないものだ・・・・ってか脱線しちゃったね。
ルネサンスの話にもどるけど・・・そのときにいわゆる歴史的偉人には会うことができないんだ・・・なぜなら僕たちがその人物と面識をもってしまうと下手したら歴史を変えてしまうからね・・・だから・・・」
「歴史を変える・・以前も同じような話を・・・・」
「! 紗枝さんは僕以外にも未来人に出会ったことあるの?」
「まさか・・・ごめんなさい。話の腰をおって」
「Bの時代はAの時代の未来だ。だから何かしらA時代で歴史的にかかわるようなことをしてしまうと未来が変わってしまう。いわゆる時空をねじまげてしまうんだ」
「じゃ・・私たち一般人ならいいの?」
「別にそういうわけじゃない。未来人が接触した人間の記憶は夢として片付けられる。いわゆる記憶消去・・・まではいかないけれど・・・・」
「記憶消去・・・・夢・・・・?」
「でも中にはそれが夢でなくて現実だと信じつづけ、未来人との接触により、アイディアが沸いたり、研究が進んだりして新しい新薬、新製品、開発、発明はできる。」
「だからここまで急激に科学が進歩したのね」
「みんな未来人からのちょっとしたヒントなんだよ。自分達の時代が楽になりたいからね」

紗枝はうんうん。とうなずいた。

「わかるわ・・それって。昔は携帯電話なんてなかったんでしょ・・・」
「らしいね・・・携帯電話ができた当初はとても重くて携帯どこじゃなかったみたいだしね」
「それで・・・もし未来人が現代人に恋をしてしまったらどうなると思う」
「!・・・・・」
「当然一緒にいたくなるよね・・・未来に帰りたくなくなる。」
「・・・・・」
「だから過去に行くときに絶対に恋を、恋愛をしてはいけないって言われるんだ。
未来人の戸籍とか学生証とかは過去に行っている間だけの作り物・・・まぁ
一種の本物なんだけど・・・期限付きなんだ・・・
だからもちろん恋愛をしても結婚できない・・・・」
「ちょっと待って・・・・頭が痛い・・・何か思い出しそう」

というと紗枝はこめかみをおさえ、遠い目をした。
何かをゆっくりと思い出すように・・・

「そうあれは私が・・・・・」

第十六章「紗枝の記憶」はこちらから。
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.14

2011年03月08日 | 小説「時空恋話」
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第十四章 そして・・・・

紗枝はまだ、宏幸のいうことが信じられなかった。
信じたい!でも、どだい無理なことだった。
未来から来た人間が今自分と同じように生活をしているなんて

そして、紗枝はその後、宏幸が退院するまで一度もお見舞いに行かなかった。

やがて宏幸は夏が来るころに退院をし、学校にも復帰をした。

「宏幸くん・・・久し振り少し痩せた?」
キャンパスをとぼとぼ歩いていると理奈が声をかけてきた。

「うん・・・病院の食事質素だったからね・・・」
「・・・・・」
「理奈さん・・・・紗枝さんはまだ僕のこと怒ってるの?」
「宏幸君、何を怒らせたの?紗枝は何を聞いても教えてくれないし・・・」
「原因聞いてないの?」
「聞かないでっていうから」
「・・・・」

その一言で、すごく落ち込んでいた宏幸の心に小さな明かりが灯ったようだった。

(嘘だと決めつけていたけどそれを言いふらしたりする子じゃないんだ・・・)

「今日のこの後、紗枝さんと逢えるように取り計らってもらえないだろうか?」
「いいけど・・・・あ・・・紗枝!!」

ちょうど二人が話をしているところを紗枝が通りかかった。
紗枝は宏幸の顔を見るなり走り去ろうとしていた・・・

「紗枝さん・・・・待ってくれ!!僕も君が・・・・君が好きだ!大好きだ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「な・・・何を言い出すんだ!!沢田・・・・」
モニターの向こうで柿谷が真っ青になった。

幹部の柿谷はこの頃レポートが途絶えがちの宏幸の様子をみるために少し前から
宏幸のまわりに飛ばしていた超小型モニターで見ていたところだった。

「・・・・・あれほど恋をしてはならないと言ったのに」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「宏幸さん・・・・」
「紗枝さん・・・・」

「お邪魔虫は消えるわね・・・・」
というと理奈はそこからそっと離れた。

「紗枝さん。二人っきりで話がしたい。今から話すことは信じられないけど、真実なんだ・・・・」
「・・・・・・・。」

二人の姿を夕日が何も気づかないように照らしていた

第十五章「ルネサンス」はこちらから
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.13

2011年03月07日 | 小説「時空恋話」
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第十三章 告白

「私・・・宏幸さんのこと・・・・」
「紗枝さんそれ以上・・・いわないで・・・」
「なんで?私・・・・・」
「・・・・・・」

紗枝はわからなかった。もしかすると宏幸にはほかに彼女がいるのか?
そんないぶかしい表情をしたときに彼はぽつんと言った。

「日記見たならわかると思うけど・・・・ 僕は君に惹かれている・・・でも好きになっちゃいけないんだ
「なんで?私宏幸さんのこと好きだよ・・・・たくさんたっくさん一緒に時を過ごして・・どんどん惹かれていって
運命の人かどうかわからなくても好きなんだよ・・・・・」

紗枝のいうとおりだった物理的な空間、そして時間をたくさん共有してきて紗枝と宏幸はいつしかお互いに惹かれあっていたのだ。

「・・・・・・」
宏幸は深いため息をついた

「僕はここにはいない人間なんだ・・・ここにいちゃいけない人間なんだ」
「どういう意味?わかんないよ・・・・」

宏幸は、大きく息を吸うと、意を決したように言った。

「びっくりしないで聞いて。ほしい僕は未来から来た人間なんだ・・・・」
「・・・・!何を言っているの?彼女がいるの?」
「彼女はいないよ・・・・僕はいわゆるタイムマシーンで未来から来た人間なんだ・・・
僕は任務が終了したら未来に帰らなきゃならないんだ」
「嘘をつくならもっとましな嘘をついて!!」

紗枝は持ってきた花束を宏幸に投げつけると病室を飛び出そうとした。

「待ってくれ!!まず話を聞いてくれ!」
宏幸の必死の形相に紗枝はびっくりして立ち止まった。

「紗枝さん・・・・・僕を信じてくれ・・・・ 命に代えても僕は君に嘘をつかないよ・・・・・・」
「・・・・・そんな話、信じられるわけないでしょう!!信じられないよ!SFじゃないんだよ・・・!
漫画や小説じゃないんだよ・・・・」

冷静を取り戻そうと紗枝は必死だった・・・・
でもしょせん信じられる話ではなかった

「もういい!!宏幸さんは私のことなんてどうも思ってないんだ! だったらそういってふられたほうがよっぽどマシだよ」

ガラ!病室の扉があけられ、看護婦さんが顔をだした。

「沢田さん・・・何を騒いでいるの?他の患者さんに迷惑です静かにしてください」

紗枝は、まっすぎに宏幸のほうをみて言い放った。

「もう帰ります。」
「そうだよね・・急にこんなこといっても誰も信じてくれないよね」

~つづき 第十四章「そして・・・」はこちらから
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.12

2011年03月04日 | 小説「時空恋話」
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第十二章 風に乗って・・・・

風がそよいでいた
緑色の葉たちが銘々に初夏の歌を口ずさんでいた

トントン

「宏幸さん?入ります」
紗枝は宏幸の病室にお見舞いの花束を持ってゆっくり入っていった

しかし宏幸は病室にいなかった

机の上に書きかけの日記があった

紗枝はドキリとした。
(見ちゃダメよ・・でも・・一番最初に私の日記も盗み見されたしな)

誘惑の気持ちに紗枝は勝てなかった。
(ちょっとならちょっとだけなら・・・)
この頃、気がつくと宏幸の事を気にしている自分に嫌がおうでも気がついていた紗枝は、震える手で日記をつかんだ。

紗枝は声に出して読んでみた
「今日は紗枝さんが来てくれることになっている。
とても心待ちにしている自分がいる・・・・
彼女が来る前にちょっと売店で買い物をしてこよう・・・」

そこまでだった・・・・

すると風のいたずらか何枚か前のページがめくれた・・・・

「!」

めくられたページ達には、優しい宏幸の言葉で紗枝との出会いから今日までのことが、事細かにつ綴られていた。

愛情あふれる表現ばかりで紗枝は春風につつまれているような錯覚に陥った
不意に、鼻の奥がツンとなり、涙がでそうになった。

「紗枝さん!!」

「ご!ごめんなさい!!読むつもりなかったんだけど・・か・・風でページが・・・」
紗枝はあわてて、日記を閉じると宏幸につきだした。

「大丈夫だよ・・・・僕も最初に紗枝さんの日記読んじゃったし・・・・」

ひと時の沈黙が流れた
紗枝は次の宏幸の言葉をいつの間にか待っていた・・・・
でも彼の口をついてでた言葉は愛や恋の告白ではなかった

「下の売店でケーキを買ってきたから食べよう・・・・」

「なんで・・・なんで・・・・ 私・・・・・宏幸さんのこと・・・・・・・・」

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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.11

2011年03月03日 | 小説「時空恋話」
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第十一章 アクシデント

それはちょうど化学の時間だった。
通常は、講師が用意をするものなんだが、講師が忘れ物に気がつき、
ちょうど、そばをとおりがかった宏幸と紗枝に先に、教室にもっていくよう頼んだのだった。

決して危ない溶液があったわけではない。
二人とも慎重に運んでいるはずだった。

「紗枝~」
理奈の声が聞こえてふいに紗枝が振り向いた瞬間。

それは運悪くセンター広場の階段の一番上の段だった・・・
ツル・・・・ さらに運悪くさきほどまで雨が降っていた。
そこで紗枝は足を滑らせてしまったのだった・・・・・

「紗枝さん危ない!!!」

「紗枝!!!」

宏幸はとっさに紗枝を支えそのまま自分が下敷きになって階段から落っこちた

「いて・・痛い!!」

二人は起き上がると互いの体が入れ替わっていた・・・・・

なんてことはなかったが、宏幸は顔をゆがめ足を胸にかかえしゃがみこんだ。

「大丈夫!宏幸さん!!理奈・・・救急車呼んで!!!」

やがて
ピーポーピーポー
明るい陽だまりの中を救急車のサイレンが鳴り響いた。


~第十二章「風にのって」はこちらから~
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.10

2011年03月02日 | 小説「時空恋話」
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第十章  宏幸の日記

今日は紗枝さんと理奈さんと修吾さんと一緒に遊園地に行った。

小さい時から両親が仕事で忙しく土日もなかったのではっきりいって遊園地ははじめてだった。

ずっと前からジェットコースターに乗ってみたかった。
その夢(おおげさだけど)今日叶った。

そしてもうひとつ。 手作りのお弁当。

運動会と遠足の時だけは母親が作ってくれたお弁当。
感動だった。母親とは味付けは違ったが、これがまた絶品だった。

やはりサプリメントだけの現代はつまらない・・と心から思った。
(肥満はなくなっていいけどね)

紗枝さんは本当に素敵な女性だ・・・
でも彼女は運命の人を探しているようだ。

気になる。とても気になる。彼女の運命の人ってどんな人なんだろう

好きになってはいけないとわかっていながらもこのごろ心惹かれている 自分に気がついている。


第十一章 アクシデントはこちらから
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.9

2011年03月01日 | 小説「時空恋話」
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第九章 遊園地

 それから紗枝と宏幸、理奈と理奈の彼氏、修吾と一緒に4人でちょくちょく遊びに行くようになった。
 本日4人が向かうのはファンタジー愛ランドという遊園地だ。

 「ごめん、ごめん待った?」
真っ白なワンピースに大きなつばの帽子をかぶった紗枝が、息を切らせながら走ってきた。

「大丈夫だよ・・・それより何それ?」
宏幸と理奈と理奈の彼氏の修吾は、紗枝の大きなバスケットを指差した。

「これ・・・ランチ!!きちんと4人分あるよ・・・」

「紗枝・・・言ってよ・・・そういうことは・・って言っても私料理苦手だから紗枝・・ありがとう・・」
理奈が思わず紗枝にウィンクをした

紗枝「うん・・・この間宏幸さんと食事をしたとき、手料理ってこのごろ全然食べる機会がないって言っていたから・・・・」

「じ~ん・・・それは感動だよ・・・紗枝さんありがとう」
というなり宏幸は紗枝の小さな両手を自分の両手で握り締めた・・・・

いきなりの宏幸の行動に紗枝は耳まで真っ赤になった。

「あ・・味は保証しないけどね・・・」

「宏幸君は紗枝ちゃんが作ったものなら何でも感動しそうだよね・・」
と修吾が横からちゃちゃを入れた。

「もぅ!!修吾さんたら」
修吾の言葉に思わず宏幸まで赤くなりうつむいた。

(どうしたんだろう・・私赤くなるなんて・・落ち着け・・落ち着け・・宏幸さんはただの友達・・理奈と修吾さんの関係とは違うんだから)

「とりあえず、バスケットはコインロッカーに預けて、ジェットコースター乗ろうよ・・・・」

「OKOK・・・・行こうぜ!!」
そういうと理奈と修吾は、ランド内の地図を片手に歩き出した。

「ちょっと待ってよ~」
慌てて、宏幸と紗枝は、前の二人を追いかけた。

四人は午前中乗れるだけのジェットコースターを乗りまくり楽しんだ・・

理奈と修吾はつきあっているので、自然に紗枝と宏幸は隣同士で乗る機会が多かった。

そしてお昼時・・・

「じゃじゃーんこれが本日のお弁当です」
「感激・・・・こんなすごいお弁当だなんて!紗枝ちゃんすごいよ!!」
宏幸はちょっと興奮した感じで手放しで紗枝のお弁当を誉めた・・
「宏幸さん・・誉めるのは、私のお弁当食べてみてからにして・・・お口に合うか不安だけど」

のりまき、サンドイッチ、卵焼き、ナポリタン、から揚げ、ウィンナー、鮭と梅のおにぎり
いわゆるお弁当らしいおかずがたっくさん詰まったお弁当だった。

「紗枝ちゃん料理上手だね・・・将来いいお嫁さんになるよ」
修吾が、ほっぺにご飯粒をつけながら、うれしそうに言った。

「修吾さんありがとう・・・でも私そんなに簡単にお嫁さんになれないんだ」

「そうなんだよね・・・紗枝は運命の人を待っているんだよね」

「運命の人って」
宏幸は、心の奥がチクリと痛んだような気がした。

「ううん・・・小さい時の夢の話よ・・・」

(ううん・・・・あれは夢なんかじゃない現実だ・・・なぜあんなことが起こったのか私にもわからないけど、あれは現実だった。今考えても考えれば考えるほどわからない不可解な現実・・・)

~つづき~
第十章「宏幸の日記」
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.8

2011年02月28日 | 小説「時空恋話」
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第八章 宏幸の日記

今日は、紗枝さんと一緒に代官山までドライブに行った。
といってもデートのような色っぽい話ではなく、彼女の新しい日記帳を買いに行くためだ。

彼女の文字はものすごく繊細できれいな文字だ・・・
いわゆる古風な字体。今日何度か古文の授業中に文字でやりとりをした。
彼女があの字で,、それも筆で和歌でもしたためたら、どんな殿方も参ってしまうのではないだろうか?

俺もまた、彼女のあの文字に惚れてしまいそうだ・・・・

俺の周りではいまや直筆で文字を書く人間は皆無だ。

個人携帯の時代に入り、友人とのやりとりは携帯通信機器、学校の授業はパソコンでメモをとる。
両親がいない俺にとっては夕飯のメッセージのメモもない。

一人暮らしの夕飯はいつもさみしいものだ・・・

栄養だけをとるための食事。俺の時代のようにサプリメント業界が成長しきっていない今の時代(ややこしい)では、無意味にご飯を食べなくてはならない。

ひとつぶで栄養もとれて満腹になるサプリメントが登場するにはあと何年かまたなくてはならないからな・・・・

で、紗枝さんの話に戻るが、そんなわびしい食生活を今日だけでもおくらずにすむように彼女を夕食に誘ってみた。

何度か前を通って一度行ってみたいと思っていたイタリアンレストランだ。

俺が、カルボナーラが大好きだというと彼女もカルボナーラを頼んだ。

文字に似て古風な女性なのかも知れない。

明日も彼女に会えることを祈りつつ今夜は筆を置くことにしよう・・・・


~つづき 第九章へ~
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.7

2011年02月25日 | 小説「時空恋話」
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第七章 古文の授業

宏幸(嫌なことを思い出しちゃったな・・・
結局両親の遺体は発見できず・・・
医師兼開発責任者だった両親の不慮の事故は、単なる事故と結論づけられた。
時空移動マシーンの開発の失敗は秘密裏に処理され、関係者には皆緘口令がしかれた。
その後の時空移動マシーンの研究に影響を与えないために。
両親の事故は交通事故として記録され、その代わりに、莫大な養育費という名の慰謝料をうけとった・・・)

「ごめんね・・・嫌なこと思い出させちゃったね」
紗枝が心配そうに宏幸の顔を覗き込んだ。

「あ・・・ごめんボーっとしていて・・・ちょっとね」

「ほら!そこの二人何を話ししている!!今は授業中だぞ!!」
いつのまにか、講師が来て古文の授業が始まっていた。

隣に座っている紗枝が自分のノートを破り、ペンでメッセージを書いてきた。あいかわらずの達筆だ。
みんなノートをとるのに必死だというのにこの二人は何をやっているのだか(笑)
この古文の教授は厳しいことで有名だからだれも私語をしている者はいなかった。

『宏幸さんって・・・学校へは車?電車?』

紗枝から回ってきた紙を読むと宏幸はその下に返事を書いた。
(紗枝さんの字の下に書くと俺の字の下手さかげんがよくわかるよ)

『車だけど・・なんで・・・』
『次、私休講なんだけど・・・ちょっと買い物行きたいんだけどよければ、車で連れて行ってくれないかなって思って』
『僕でよければ乗せていくけど・・どうせ自分も休講だし・・』
『次って沢田さんも経済?』
『そうそう』
『同じ授業多いんだね・・・』
(げ・・・やばい・・・だってミッションが紗枝の観察だから、他の授業とっても意味ないし)

核心をつかれたようで宏幸はちょっと焦った。でも平常心を装って返事をしたためた。

『うん・・・でどこに行くの?』

ノートに紗枝と宏幸の字が交互に書かれていく。

『日記帳が今日で切れちゃうから、新しい日記帳買いたいんだ・・もっと早く気づくべきだったんだけどさっき気がついたから(^^;』
いつもは、よく利用している顔文字も直筆で書かれているとまた違った味がでてくる
『ならいいトコ知ってるよ・・日記帳専門店~ダイアリー~』
『どこそれ?』
『代官山にオープンしたての日記帳専門店。かぎ付きから光るペンつきからなんでもあるよ・・・』
『鍵はついてなくてもいいから・・シンプルなかわいいのがいいな・・』
『オリジナル日記帳も作ってくれるよ・・・』
『私それがいいな♪』
『じゃぁ・・経済の時間だけじゃ帰ってくるの無理だから、その次の体育の授業ブッチして買いに行っちゃおう・・・』
『うん・・ありがとう・・・よかった★』

~つづき 第八章~
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小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.6

2011年02月24日 | 小説「時空恋話」
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第六章 宏幸の両親

「時空移動マシーン動作準備OK・・・・」
柿谷の緊張した声が近代的な小さなホールの中に鳴り響く。
大学の研究室が郊外に建てた小さな実験センターである。
コンクリートをうちつけただけのホールの中に見たことのない奇妙な装置が設置してあった。
その中に、宏幸の両親が乗り込んでいた。
時空移動マシーン
いわゆるタイムマシーンの実地実験の日だった。

「では教授私たちは、今から30年前にタイムトリップしてまいります」
沢田の夫が軽く手をあげて柿谷に向かって敬礼をした。
その横で沢田の妻が小さく微笑んだ。

「うん・・・気をつけてな・・・」
「ラジャー」

ウィ・・・・ン

ドスドス

キンキンキン

キュンキュン

時空移動マシーンは、激しく揺れたと思うと、全体が軋んだような唸り声を上げた。

ビービー

「なんだこの音は・・・・」
ホール内に緊張の空気が走った。
柿谷以下、センターの幹部、研究員は、慌てふためき、制御パネルを操作し始めたが

その時、時空異動マシーンから機械的な声が聞こえた。
「緊急事態発生!緊急事態発生!制御不能制御不能・・・・・安全装置をオンにしてください」

「ウァ!!誰か・・・助けてくれ・・・」
「あなた・・・・安全装置が緊急ランプが・・・!!キャア・・・・・・」
「由紀子!!危ない!ベルトを外して外へでろ!!」

「沢田さん!沢田さん!電源をオフにして外に出てください」
柿谷が、機械に負けないほどの大きな声でどなった。

「柿谷さん!だめですドアが開きません!!スイッチも・・ウァ・・・・・・・」
「きゃーーーーー」

「お父さん!お母さん」
まだ幼い宏幸は、目の前で起こっている事態が何が何だかわからず、時空移動マシーンの方へ駆け寄ろうとした。

「うぁ・・・・・・・・・・・・誰か助けてくれ!!」
「あなた・・・きゃーーー!!」

ガガガガ

ピューンピューン

ガガガガガガ

シ・・・・ン
一瞬するどい光がホールの中で拡散した。

「お父さん!!お母さん!!」

「宏幸君!!危ない!!近寄っちゃだめだ・・・・」
柿谷が宏幸の腕をつかんだ。

「近寄っちゃだめって何に??何もなくなっちゃったよ・・・僕のお父さんとお母さんはどこ?」


そう・・・時空異動マシーンがあったはずの場所には何もなかった。
ただ、機械から発生した黒煙だけがもうもうと立ち込めていた。

~つづき 第七章へ~
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