第八章 恒例の家族旅行
織田家と足利家は、親同士も仲がよく、毎年秋に1泊で、二家族で旅行に行っていた。
まさか、親に今回の恋愛騒動を言うわけにも行かず、秀、翔、理奈もおとなしくついていった。
温泉につくと、みんな何事もなかったように温泉に入り、卓球をやったり、カラオケを
やったりして、盛り上がっていた。
事件がおきたのは、二日目だった。
その日は、みんなで美術館に行く予定だった。
二家族でそれぞれの車に乗り込もうとすると、ダイエット効果ですこしやせた、理奈の指から秀に買ってもらった指輪が抜け出し、坂道を転がり始めた。
「ちょっと待ってて」
理奈は真剣に指輪を追いかけ始めるとそこのちょうどカーブの道をすごいスピードで飛ばしてきた車が、走ってきた。
「危ない理奈!!!!」
翔と秀が同時に飛び出した。俊足の翔は、理奈を突き飛ばし、指輪を拾ったが、その瞬間車にはねられた!!
「きゃあ!!!!!」
みんなが叫んだ。
車はもうスピードで翔をはねたまま逃げていった。
「翔!!」
理奈と秀が翔にかけよると翔が頭から血を流しながらも微笑んで、
「理奈、大事なものなんだろう・・・大切にしろよ・・」
と指輪を理奈に渡し、ガクリと頭をうなだれた。
理奈に抱かれながら、翔は全身血まみれでアスファルトには瞬く間に血溜まりができていった。
やがて救急車が来て、理奈は翔につきあって救急車に乗り込んだ。
「理奈・・・ごめん。今まで、お前を愛していたよ。秀と幸せになってくれ」
「いや!!何言っているの?大丈夫、翔は助かるから・・・」
それから1年後
秀は一人で浜辺を歩いていた。
翔は、どうにか一命を取り留めたが、両足を切断しなくてはならなくなった。義足をつけたが一生車椅子の暮らしになった。
その頃から、秀と理奈との仲は、おかしくなってきた。そう理奈の歯車は、秀ではなく、翔のリズムに波長が合ってきたのであった。
やがて理奈から
「翔がこうなったのは、私のせいだから、私が一生、翔の面倒をみるから別れてほしい」と言われた。
秀は、一人で思い出の浜辺で砂を握り締め。
咽びないた。
寄せては返す波音だけが秀への慰めの音楽だった。
Fin
織田家と足利家は、親同士も仲がよく、毎年秋に1泊で、二家族で旅行に行っていた。
まさか、親に今回の恋愛騒動を言うわけにも行かず、秀、翔、理奈もおとなしくついていった。
温泉につくと、みんな何事もなかったように温泉に入り、卓球をやったり、カラオケを
やったりして、盛り上がっていた。
事件がおきたのは、二日目だった。
その日は、みんなで美術館に行く予定だった。
二家族でそれぞれの車に乗り込もうとすると、ダイエット効果ですこしやせた、理奈の指から秀に買ってもらった指輪が抜け出し、坂道を転がり始めた。
「ちょっと待ってて」
理奈は真剣に指輪を追いかけ始めるとそこのちょうどカーブの道をすごいスピードで飛ばしてきた車が、走ってきた。
「危ない理奈!!!!」
翔と秀が同時に飛び出した。俊足の翔は、理奈を突き飛ばし、指輪を拾ったが、その瞬間車にはねられた!!
「きゃあ!!!!!」
みんなが叫んだ。
車はもうスピードで翔をはねたまま逃げていった。
「翔!!」
理奈と秀が翔にかけよると翔が頭から血を流しながらも微笑んで、
「理奈、大事なものなんだろう・・・大切にしろよ・・」
と指輪を理奈に渡し、ガクリと頭をうなだれた。
理奈に抱かれながら、翔は全身血まみれでアスファルトには瞬く間に血溜まりができていった。
やがて救急車が来て、理奈は翔につきあって救急車に乗り込んだ。
「理奈・・・ごめん。今まで、お前を愛していたよ。秀と幸せになってくれ」
「いや!!何言っているの?大丈夫、翔は助かるから・・・」
それから1年後
秀は一人で浜辺を歩いていた。
翔は、どうにか一命を取り留めたが、両足を切断しなくてはならなくなった。義足をつけたが一生車椅子の暮らしになった。
その頃から、秀と理奈との仲は、おかしくなってきた。そう理奈の歯車は、秀ではなく、翔のリズムに波長が合ってきたのであった。
やがて理奈から
「翔がこうなったのは、私のせいだから、私が一生、翔の面倒をみるから別れてほしい」と言われた。
秀は、一人で思い出の浜辺で砂を握り締め。
咽びないた。
寄せては返す波音だけが秀への慰めの音楽だった。
Fin