詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「真夏のような恋したい!!」最終章

2011年02月05日 | 小説「真夏のような恋したい!」
第八章 恒例の家族旅行

織田家と足利家は、親同士も仲がよく、毎年秋に1泊で、二家族で旅行に行っていた。
まさか、親に今回の恋愛騒動を言うわけにも行かず、秀、翔、理奈もおとなしくついていった。
温泉につくと、みんな何事もなかったように温泉に入り、卓球をやったり、カラオケを
やったりして、盛り上がっていた。

事件がおきたのは、二日目だった。

その日は、みんなで美術館に行く予定だった。
二家族でそれぞれの車に乗り込もうとすると、ダイエット効果ですこしやせた、理奈の指から秀に買ってもらった指輪が抜け出し、坂道を転がり始めた。

「ちょっと待ってて」

理奈は真剣に指輪を追いかけ始めるとそこのちょうどカーブの道をすごいスピードで飛ばしてきた車が、走ってきた。

「危ない理奈!!!!」

翔と秀が同時に飛び出した。俊足の翔は、理奈を突き飛ばし、指輪を拾ったが、その瞬間車にはねられた!!

「きゃあ!!!!!」
みんなが叫んだ。

車はもうスピードで翔をはねたまま逃げていった。

「翔!!」
理奈と秀が翔にかけよると翔が頭から血を流しながらも微笑んで、
「理奈、大事なものなんだろう・・・大切にしろよ・・」
と指輪を理奈に渡し、ガクリと頭をうなだれた。

理奈に抱かれながら、翔は全身血まみれでアスファルトには瞬く間に血溜まりができていった。

やがて救急車が来て、理奈は翔につきあって救急車に乗り込んだ。

「理奈・・・ごめん。今まで、お前を愛していたよ。秀と幸せになってくれ」

「いや!!何言っているの?大丈夫、翔は助かるから・・・」





それから1年後

秀は一人で浜辺を歩いていた。
翔は、どうにか一命を取り留めたが、両足を切断しなくてはならなくなった。義足をつけたが一生車椅子の暮らしになった。
その頃から、秀と理奈との仲は、おかしくなってきた。そう理奈の歯車は、秀ではなく、翔のリズムに波長が合ってきたのであった。
やがて理奈から

「翔がこうなったのは、私のせいだから、私が一生、翔の面倒をみるから別れてほしい」と言われた。

秀は、一人で思い出の浜辺で砂を握り締め。
咽びないた。
寄せては返す波音だけが秀への慰めの音楽だった。 

Fin




恋愛小説「真夏のような恋したい!!」第六章・第七章

2011年02月04日 | 小説「真夏のような恋したい!」
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第六章 燃えあがる気持ち

その夜二人は、みんなに気がつかれないように夜中にこっそりと宿を抜け出し、海辺のホテルで愛を確かめ合った。

「理奈・・・・愛している、愛してる。この世の中の誰よりも君を愛している。君のためならこの命が尽きてもいいほど」

「秀・・・秀・・・・私もとてもとても幸せよ。こんなドキドキした気持ちはじめて・・・」

「理奈・・・・このまま、ずっと二人で幸せな道を歩んでいこう。これから二人で・・・そしていつか結婚しよう。もう僕の人生は、君無しでは考えられない」

「秀、私もあなたを愛している。こんな気持ちはじめて・・・片思いは何度かしたことあるけれども、恋と愛との違いが初めてわかった気がするわ・・・」

口づけをかわし、お互いに抱きあい、そして愛し合った。


第七章 秀と翔

映画の撮影は、若干最後が異なったが無事に撮影は終了した。
翔はあの日から一言も秀とは口をきかなくなり、理奈のことも避けることになった。
秀と理奈は、翔のことは気になったが、それ以上に二人の恋愛のことで胸も心もいっぱいだった。
二人は、一緒に大学へ行き、一緒にとれる授業は一緒に受講し、お昼は理奈がお弁当をつくり、二人で、学校内の芝生の丘で食べていた。
後でわかったことだが、礼と佳織は実は付き合っていた。ただ、サークル内では、それを隠すために礼はわざと理奈に気があるそぶりをしていただけだった。

「でもひどいよな。礼先輩も。俺なんか真剣に礼先輩もライバルだと思っていたのに」

「それより私なんか、本気にして告ってたら、マジ馬鹿みたいだったよ・・・・」

「まあ・・・泰造と真美子もくっついたみたいだし、これで礼先輩も佳織先輩も堂々とつきあえるんじゃないか?」

そう・・・あの日から翔は、サークルにも出ることなく、実質的には名前だけ残した幽霊部員のようなものだった。

「今度の映画は、現代版ロミジュリだって?」

「ああ・・ロミオ役が礼先輩で、ジュリエット役が佳織先輩だって。」

「美男美女でお似合いだね・・・・」

「俺はあんなに愛しあえても、互いに死ぬような悲劇的な恋愛はしたくないよ。」

「それは私も一緒よ」

「愛しているよ。理奈」

「私も愛している・・・秀」

理奈は、秀に夢中だった、でも心のどこかにずっとやはり翔のことがひっかかっていた。(あの時、先に告白したのが秀じゃなくて翔だったら、私はどうしたんだろうか・・・
私はきっと二人とも好きだったんだ)

~つづく~










恋愛小説「真夏のような恋したい!!」第五章

2011年02月02日 | 小説「真夏のような恋したい!」
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第五章 撮影二日目(映画のシーン)

●殴りあう秀と翔

翔「なんだって!?俺だって理奈が好きなんだよ!!」

秀「お前よりもずっと前、大学に入ったときから俺は理奈が好きだった」

翔「お前には理奈は渡さない!!」

秀「お前には負けない・・・」

二人のとっくみあいは、とても演技とは思えないほどの迫力だった。

礼「やめろよ。二人とも、君達の気持ちはわかったけど大切なのは、理奈の気持ちだろう」
と礼が冷静に割り込んできた。

礼「理奈・・・秀、翔、そして僕は、君が好きなんだ・・・理奈は好きな人はいるのかい?こんなことみんなの前で聞くことではないけど・・・率直に答えてほしい」

理奈「私は・・・・私は・・・・」

佳織「ひどい!!礼!!私はあなたが好きだったのに」

その場を駆け出す、佳織

理奈「佳織!!」

シナリオにはこう書いてあった。
『秀、翔ごめんなさい。私は、ずっと礼のことが好きだったの』と・・・

(そう昨日までだったら、そう言えていた。
でも・・・小さいときからずっと秀と翔がそばにいてくれた。誰かにいじめられるとかならず秀と翔が守ってくれた。秀も翔も好きだった。だけどどちらかを選べば、3人の関係が崩れるから、私はきっと自分の気持ちに嘘をついていたんだ・・・)

「私は・・・・私は・・・・ごめんなさい!秀が好きです・・・最初は、礼が好きだったんだけど・・・昨日、秀に告白されてはじめて秀の気持ちがわかって・・・」

「ちょっとカットカット!!理奈ちゃんせりふ違うよ・・・・」
とあわてて部長が言い出した。

「でも、気持ちがなければ・・・私は佳織先輩みたいに演技が上手じゃないから、気持ちが前面にでないんです・・・すみません!!」

「秀!!このやろう!!協定をやぶりやがって!!理奈に告白するときは二人でしようって」

今度は本気で、翔が秀になぐりかかった。

「俺だって、ずっとずっと小さいときから、理奈が好きだった。でも理奈が礼先輩を好きだったから、見守っていたのに!!」

「殴れよ、気がすむまで、俺は卑怯で汚いことをした。でも理奈のことが狂おしいほど好きなんだ!!理奈以外この世の女性を、今もこれからも好きになる事はない・・・」

二人のあまりにも熱い争いにカメラマンは自然にカメラをまわしていた。
翔は、そのまま駆け出し、洋服のまま海の方に走っていき、いきなり泳ぎだした。

「翔!!」
とめようとする理奈を

「あいつがいつも、腹がたつと、走り出すの知っているだろ。あと、あいつが泳ぎが得意なのも・・・・あいつは俺よりも運動神経いいから、絶対にスポーツでは勝てなかった。それが悔しくて。取っ組み合いの喧嘩をしてもいつも負けるし・・・でも理奈への想いだけは負けたくなかった」

「ありがとう。秀・・・・翔・・・ごめんね」

~つづく~

恋愛小説「真夏のような恋したい!!」第四章

2011年02月01日 | 小説「真夏のような恋したい!」
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第四章 撮影1日目終了ドライブにて

夕食後みんなで、トランプをしていた。
お酒、おつまみは大量に用意をしていたつもりだったが、かなり少なくなると
少し酔った泰造が「誰か、お酒とおつまみ買出しいってくんない?」と言い出した。
「俺、どうせ酒飲めないし、飲んでないから行ってやるよ。」と秀が応えた。
「じゃあ・・・飲めない秀じゃお酒選びの大変だろうから私も行ってくるわ」とほろ酔い加減の理奈が言った。
「じゃあ後で割り勘にするとして、これで出しておいて」と佳織が理奈にお金を渡した。
「いってらっしゃい~」とすでにもうろれつの回っていない真美子が言った。
秀の車の助手席に理奈は乗り込んだ。
理奈は、さっきから礼の事で頭がいっぱいだったので、秀がいつもと違って若干緊張しているのに気が付かなかった。
コンビニで買出しが終わると海の見えるところで秀が車を止めた
「ちょっとだけ、海風にあたってこうよ」
「いいよ。酔い覚ましにいいかも」
「ほい・・・」と秀が理奈にウーロン茶を渡した。
「ありがとう」
「お前が、酒飲んで酔っていくのを見ていくと俺、心配でさ・・・お前は幼馴染だし、
でも・・・このごろは、違うんだ・・理奈を女性として見ている俺がいるんだ。はっきりいう。俺は理奈が好きだ」
「わ・・私は・・・」
「礼先輩がすきなんだろう・・」
「でも・・先輩の好きな人は、佳織先輩じゃないかと。佳織先輩すごくきれいだし、素敵だし。私なんか勝ち目ないよ。」
「そんな事はないと思うよ。俺からみれば、理奈も充分に魅力的だけどな。俺はあきらめないから・・・いつまでもお前の気持ちが変わるのを待っているから」
「秀・・・・・」
「じゃ・・・帰るか?みんな待っているからな」
「うん」
さりげなく秀が理奈の手を引いた。
今まで幼馴染として手をつないだ事など何度もあったが、理奈の心臓はドクンと跳ね上がった。
帰り道、車の中では二人とも無言のままだった。
「遅いぞ!!秀!!まさかお前、理奈とデートしてきたわけじゃねえだろうな!!」と完全に酔った翔が秀に絡んできた。
「やめなさいよ!翔。ごめん、遅くなって」
「理奈が謝ることねえよ」と翔が言った。
「こいつヤキモチやいているだけだよ」と泰造が隣から茶々を入れてきた。
「なんだと泰造!!お前だって真美子のことが好きなくせに」と翔
「なんだ翔、お前だって理奈が好きだから、さっきから、遅い!遅い!言っていたんだろう!!」
「ちょっとやめなさい!!みんな!!お開きにするわよ!!」との佳織の一言でみんな静かになった。
「なんかしらけちゃったね」と真美子がぽつんといった。
「泰造君。ありがとう。私も泰造君が好きだよ」いきなりの真美子の告白に一座は再び盛り上がりを盛り返した。
「よかったな、泰造、真美子・・・」礼が二人の方をぽんぽんとたたいた・
さっきまであんなに気になっていた、礼の行動に気がいってないことに理奈は自分自身びっくりした。(もう・・・秀がいきなりあんなこというから気になっちゃうじゃない!!)と一人で毒づいていた。

~つづく~
続き
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恋愛小説「真夏のような恋したい!!」第三章

2011年01月31日 | 小説「真夏のような恋したい!」
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第三章 撮影開始

『真夏のような恋がしたい』(映画のシーン)
●お昼時学食にて
秀「でさ・・・夏の旅行だけど、メンバーは、秀、駿、礼、佳織、理奈でいい?」
佳織「どうせなら、真美子と泰造も呼ばない?」
翔「いいな・・・じゃその7名で決定」
佳織「じゃ私、泰造と真美子に声かけとくね」
理奈「で場所は?」
佳織「うちの別荘でいいんじゃない?」
礼「OK。あの海の近くのだろう」
佳織「うちで海の家も経営しているしね。部屋割りは、秀、翔、礼、泰造で一部屋。
私と理奈と真美子で一部屋ね」
礼「OK。花火持っていこうぜ・・俺購入しておくよ」
理奈「線香花火も忘れずにね・・・」

礼「了解」
礼が理奈の耳元で
礼(小声で)「線香花火、理奈一番好きだもんな。一緒にやろう・・・」
真っ赤になる理奈

● 夏の海岸にて(映画のシーン)
秀「翔、運転お疲れ様だったな」
翔「おう」
礼「女性陣3人の水着姿もちょっとドキドキだな・・」
泰造「俺も真美子ちゃんの水着姿拝めるならこられてよかったよ」
秀、翔、礼「なんだ、泰造は真美子なんだ」
泰造「か・・片思いだけどな・・・」

そこへ、ビキニ姿の3人登場

礼「さすが、お三方、それぞれ水着がお似合いで・・・」
礼に誉められて赤くなる、理奈
佳織「理奈・・・顔赤いわよ・・・スイカ用意したからスイカ割しない」
秀「いいね・・・」
礼「ただ、やってもつまんないからカップルスイカ割をしよう。2人ずつ組になって、お互いに目隠しをしてあげたり、ナビゲートもその人がやって、一番早く終わったカップルが優勝」
翔「優勝の商品は?」
佳織「好きな人を指名して、その人とポッキーキッス」
理奈「え!!だってそんなことしたらみんなに好きな人ばれちゃうじゃん」
佳織「あのね・・・・そんなことしなくても理奈の好きな人は、顔見てればわかるよ」
真っ赤になる理奈
秀、翔「誰誰誰???」
理奈「内緒だよ・・・・それ×ゲームにしよう」
佳織「OK。じゃ×ゲームね。優勝したカップルからおいしそうなスイカをとればいいね」
泰造「一人余るじゃん・・・」
佳織「そこは3人で、男子は男子で見えないようにグーチョキパーをして。女子は女子でするから」

結局
佳織―秀、真美子―泰造、翔、理奈―礼になった。
礼(理奈の耳元で)「よかった俺、神様に理奈と一緒にしてくださいってお願いしていたんだよ・・」
理奈「え・・・?」

7名ははしゃぎながらそれぞれ銘々楽しみながらスイカ割をした。
理奈の視線がずっと礼を追っていることに秀が気が付いた。
秀「翔・・・このままじゃ礼に理奈とられちゃうぞ」
翔「いきなり何をいいだすんだよ?」
秀「あほ!お前の気持ちに俺が気が付いてないとでも思っていたのか?」
翔「そういう、翔だって理奈狙いでこの旅行きたんだろ」
秀「あたりまえだよ・・・」
結局優勝は、綾香と秀のチーム
×ゲームをやるはめになったのは理奈と礼のチームだった。
翔「礼!!おまえわざとはずしただろう!」
礼「そんなことねぇよ・・・やきもちはやめようぜ・・」
理奈「ねぇ・・・やめない・・・この×ゲーム」
礼「じゃ・・・負けた俺達二人がポッキーキッスするんで許してもらおう。それなら、好きな人を告白する必要もないし」
というのが早いか、ポッキーをとりだし、口にくわえて、理奈に差し出した。
秀「やめた!やめた!!次のゲームに行こうぜ!!」
翔「ビーチバレーしようぜ」
なんとなくしらけムードになったので、礼もおとなしくポッキーを一人で食べた。
理奈はほっとしたような、それでいてちょっとがっかりした顔をした。

~つづく~

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恋愛小説「真夏のような恋したい!!」第一章、第二章

2011年01月26日 | 小説「真夏のような恋したい!」
真夏のような恋がしたい!!
尾崎 詩絵里


第一章 バースデープレゼント

「理奈ちゃん、今日の髪型最高だね」
「理奈様 本日の服装は大変お似合いで」
というなり二人が抱きついてきた。
「ちょっとちっと!!秀、翔やめてよ!!」
「もうわかった、わかったって、誕生日プレゼントでしょ!!何が欲しいの今年は?」
「俺は理奈ちゃんのハート」と秀
「俺は理奈ちゃんとデートしたいな」と翔
「冗談なら何もあげないわよ」
バシ!バシ!
理奈は、調子にのる二人、秀と翔の頭を軽く叩いた。
「ところで、玲奈ちゃんは」
「お姉ちゃんが、あんた達にプレゼントあげるわけないでしょ!!」
あ・・・っと読者の皆さんに自己紹介しなきゃね。私は、足利理奈。そしてさっきから、うるさいのが、隣に住む、幼馴染の織田秀(しゅう)と翔(しょう)この二人はいわゆる双子。でも二卵性双生児だから、顔も性格もまったく違うんだけどね。
そしてまたまた私のところも同じく双子。
双子の姉が玲菜。私達と違ってすごく優秀なの。いわゆるがり勉タイプ。
で私達4人は今年から大学2年生。
優秀なお姉ちゃんはT大学。私と秀、翔は、都下に位置するC大学。
いつまでたっても私だけ彼ら二人と腐れ縁。
「でもさ~理奈さ~誕生日プレゼントもそうだけど、いつもバレンタインのチョコとか、俺達への義理チョコだけってやばくない??」
「そうそう、玲奈ちゃんは、ちゃんと彼氏がいるのにね」
がり勉タイプのお姉ちゃんは、同じT大学の1年上の先輩の源頼国(みなもとのよりくに)さんという同じく、がり勉タイプだけどイケメンの彼氏をゲットしちゃっているのであった。
「あんた達がいつも引っ付いているから、私には。いつまでたっても白馬の王子様が現れないんじゃない!!二人だって一緒でしょ?好きな子とかいないの?私にばかりかまってないで・・・」
「俺達が好きなのは、理奈ちゃんだけだもんね~」
というと秀と翔は顔を見合わせた。
「はぁ・・・・」理奈はため息をつくしかなかった。
「とりあえず、がっこ行こう・・・」
(私はいつになったら狂おしいほどの身も心もこげるような恋ができるのであろうか?)


第二章 サークル

せめてせめてサークルだけは別にすればよかったのだが、映画好きの二人に誘われ理奈は「映画研究会」にほぼ強制的に入れられた。
ちなみに秀の翔も顔はまったく似ていないが幼馴染の理奈からみても、イケメンである。
なので、いつも男性の主役は秀か翔がやることに自然となってしまう。
秀も翔もかっこいいから女性にはよくもてる。
理奈から、バースデープレゼントをもらわなくても、必ず毎年何人かからはもらってくる。

「じゃ・・・今回の映画の題名だが『真夏のような恋がしたい!』で決定だな。
と部長の武田が誇らしげに言った。すごく甘く切ないラブロマンス。最後は浜辺でカップルが抱き合いキスを・・・・」
「ふる!!ラブロマンスもカップルも死語でしょう。まあ・・とりあえず、純愛なわけね・・
で配役は?」と髪の毛を金髪に染めている佳織が訊いた、佳織はいままでの映画すべて主役をはっていた。
「今回は新鮮さを出すためにごめん佳織、理奈を主役に使おうと思っているんだ」と部長が言った。
「いいんじゃない。ってことは、私は、主人公のライバル役ってとこかしら?」
「あたり!!さすが佳織。よろしくな・・」
「理奈さん・・・よろしくね」というと佳織は女王の微笑を浮かべた。
「で・・・私の相手役は??」
「今回は、秀と翔の二人で、理奈を取り合いしてもらうことにする。」
(え~!!!!プライベートでもしょっちゅう顔を合わせている二人と・)
「ちょちょっと待ってください。私がこの二人のどちらかとラブシーンをするんですか?」
「まあそういうことになるな、じゃ、今日のミーティングはこれにておしまい!!撮影は来週からだな・・・
それまでに脚本の見直し、豊臣康弘(とよとみやすひろ)よろしくな・・・」
「はい」
「ちょっとまった!!」フル(^^;)
「僕も理奈ちゃん争奪戦に参加をさせていただけませんか?」いつもは部長の決めたキャストに文句を言ったことのない、副部長の徳川礼(とくがわれい)が言い出した。
「OKOK・・・じゃ・・礼君も一緒に争奪戦に豊臣ちゃんよろしくね・・・」
「はい。」
理奈は急にドキドキし始めた。礼先輩といったら、昨年のミスターキャンパスに選ばれた(いまだにやっているのもすごいのだが)イケメン中のイケメン、さわやかな芸能人でたとえると小栗旬君タイプである。
「礼先輩どうぞよろしくお願いします!」
「こちらこそね理奈ちゃん」
そんな二人のやりとりを秀と翔が見ていた。

家に帰ると理奈は早速、玲菜にその話をした、
「でね・・・結局あの二人と礼先輩の3人が私を取り合うことになるのよ。」
「ふ~ん。で、理奈は誰とくっつきたいの?」
「え!!!いきなりお姉ちゃん核心に触れないでよ!!!!」
「で・・・・秀、翔、徳川さん?」

「私ね・・・熱い、熱い恋をしたいの。心がこげちゃうような。一日中、その人のことだけを考えていられるような」
「ふ~ん。いいかもしれないけど、別れたときはかなり落ち込みも激しいよ。」

そう・・・なぜか玲菜お姉ちゃんはもてる。
小中高とずっと私よりも、もてていた。でもT大学に入るのを目指していたため、ずっと男の人を相手にしていなかった。そんなこんなでいつのまにか「男嫌い」だと思われていたらしい。
「私と頼国さんとの恋は、もうその時期は過ぎて・・・今はすっかり落ち着いて、お互いに空気みたいな存在かな?」
「え・・・・空気みたいな存在って」
「普段そばにいてくれるのがあたりまえなのに、いなくなっちゃうと苦しくて、苦しくて
死んじゃいそうになっちゃうの・・」
「ふ~ん」
「理奈、恋ってね、歯車みたいな物なんだよ。ある速さでまわっている男性がいるでしょ、そこに理奈が、ぴったしはまれば、同じように二人で回転し、熱く、熱く回っていく。
世界もバラ色!!でもほかにもっと速さが違う歯車・・・まあいわゆるライバルとの波動があえば、そっちにつられて回ちゃったりして・・・
いつのまにか失恋!!なんてこともあるしね・・・順調に回っていた歯車がさび付いちゃう事だってあるんだよ」
「すっごい!!お姉ちゃんさすがT大学!恋愛の達人!!」
「あのね・・・・それに恋は、しようと思ってするものじゃないんだよ。いつのまにか出会って落ちてしまうもの・・・私と頼国さんのときもお互いに一目あった瞬間から恋に落ちて・・・・二人の視線は絡み合い・・・・お互いの鼓動は、共鳴しあい・・・そして・・
ふたりは自然にごくごく自然につきあいだしたんだよ・・・」
「そっか・・・・・恋は、するもの、探すものではなく、自然に落ちる物なんだね・・・どっかに恋おちてないかな???」
「そういう落ちるじゃないけどね・・・ww」

~つづく~
つづき「第三章」
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