詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

第五十九話「嫉妬」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年12月28日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第五十九話「嫉妬」

綺麗に彩られた大きなクリスマスツリーの前で
二人手をつないだまま、心臓だけがバクバクしている。

「クリスマスイブ、会えるよね?」
庄司君に訊かれているけど、頭に血が上ったまま、何も考えられなくなっている。
「う・・うん。」
顔を真っ赤にしながら答える。
「よかった。ちょうど、両親、旅行に出かけていないから、俺の部屋に
招待するね。片付けとかなきゃな~。」

えぇ・・・ちょっと待って
両親いなくて庄司君一人の部屋にって・・・
そんな、私達まだKISSもしていないのに・・・・

「あ・・でも、ご両親留守中に、勝手にお邪魔したら、後でばれたら
怒られないの?」
何、私、トンチンカンなこと言っているんだろう。
「大丈夫だよ。怖い?」
「え・・?」

庄司君の顔がちょっとゆがむ。
「海藤先輩の部屋には、毎週行っているのに、二人きりで部屋にいるのに・・・
俺の部屋にはこられないの?」
「え・・・」
つないでいた庄司君の手が離れる。

「ちょ・・ちょっと待って、健人には、勉強教えてもらっているだけで・・・
それに幼馴染だし、小さい頃から何度も行っているし。」
「だから?でも妙齢の男女が、毎週、毎週同じ部屋で一緒にいるなんて・・・
彼氏の立場からしたら、気持ち複雑なんだけど?」

私は、驚いて庄司君の顔を見上げる。
え?庄司君、もしかして健人に嫉妬しているの?

「それに、俺、そんなこと全く知らなかったし、来夏から聞くまで・・・
それを聞いたときの俺の気持ち、わかる?」
庄司君の瞳に翳りが見え、そっと下唇を噛んでいる。
その眼差しに色はなく、私は無言で責められている気がした。

「ご・・ごめん。庄司君・・・でも、私と健人は、本当に単なる幼馴染で
お互いに男女って意識したことなんて、今まで一度も無いし。」
どう考えても、私と健人が・・・その・・・世間一般のカップルがするような
流れになるなんてこと絶対にないのに(><)

「ごめん。俺、ものすごく、その話を聞いてから海藤先輩にやきもち妬いていた。
もうどうしようもないくらい。
星波・・・俺は、もうどうしようもないくらい、お前のことが好きなんだ。」
ふわり・・・庄司君が私を優しく抱きしめる。

一瞬だけ、私を抱きしめて
そしてゆっくり離れながら
「つづきは、クリスマスイブにね・・・」
と耳元で囁く。
私は、ゆでだこのように真っ赤になりながら
頷くことも首を横にふることも出来ず、直立不動のまま固まっていた。


第六十話「NG」へつづく~

*********

今年一年間、大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。
2013年が皆様にとって、虹色に輝く素敵な年になりますように・・・

尾崎詩絵里(★シェリー★)



※恋愛小説「恋花」は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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☆「途中下車」長編
OL百合菜、同僚の祐樹、高井3人の男女のそれぞれの目線から物語は紡がれる。作者はじめてのちょっと大人の恋物語。大好きな嵐の曲名をお借りして書き上げました。

【主人公が大学生の恋愛小説】
☆「メールの涙」中編
特殊能力を持った啓祐と心が傷ついているしおりの恋の行く末は・・・
☆「時空恋話~JIKUU-RENWA~」中編
時空を超えて出会った二人、未来に帰らなくてはならない時は近づいてくる。果たして二人の運命は
☆「シナリオ風小説 潮騒」長編
筆者が始めて手がけた、長編恋愛小説。大学生の映画研究会の友達に頼まれてシナリオ作成をしました。
オリジナルポエム満載の大学生の純愛小説です。
☆「潮騒 続編 悪魔に魂を売った女 沙羅」長編
潮騒の続編。沙羅と小百合と駿のその後は・・・本当の意味でのエンディングを描いたストーリー
☆「真夏のような恋したい!!」中編
恋に恋する乙女、理奈の始めての恋のお相手は?
☆「彼と最後のLoveLetter」中編
始まりは、一通の葉書だった。すべての偶然は必然に染められ、そして二人は・・・
☆「KISS IN HEAVEN」中編
「この世の中にもう、楽しいことなんかない!」死んだはずの僕なのに・・筆者が描くラブコメディー小説
☆「Dear my・・・」
友人達から絶世の美女といわれる友香の片思い・・和也に届くのか・・

【嵐、尾崎豊モチーフ小説】
☆「再編 アイドルとの恋★潤愛物語~アクアマリン~」中編
人気アイドルグループ 潤とそのファンの切なくて甘い恋物語
☆「尾崎豊モチーフ小説 黄昏の街の中で~アーティストとの恋~」中編
大好きな尾崎豊さんをモチーフにさせていただいた、アーティストとの恋愛小説
☆「尾崎豊モチーフ小説 天国のコンサート~尾崎豊に捧ぐ~」中編
もし、尾崎豊さんのコンサートにもう一度行けたら、筆者の思いを載せた感動小説

【名探偵コナン劇場】
☆クリスマスの奇跡~短編
蘭、園子、哀、シェリーが体験したクリスマスの不思議な経験とは・・・筆者から皆様へのクリスマスプレゼント小説

【狂気愛小説】
☆愛憎物語~白と黒~中編
好きだったからこそ、愛していたからこそ・・男の愛の行き着く果ては・・(一部性的描写を含みます)



第五十八話「久しぶりのデート」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年12月06日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第五十八話「久しぶりのデート」


クリスマスイルミネーションの彩られた街を大好きな人と歩くのが
夢だった。
なんて言ったら、庄司君に笑われるかしら?
今日は、めずらしく塾が、14:00に終わったので、庄司君といつもの駅前の
噴水広場で待ち合わせをして、都心まで出てきた。

どこに行くわけでもなく、プラプラと
でも手はしっかりつなぎながら、二人の手は庄司君のコートのポケットに。
時々、ぎゅっと握り締めてくるその温かさに、自然に頬が緩んでくる。

「ねぇ、星波は、クリスマスプレゼント何がいい?」
頭の上から庄司君の優しい声がする。
「えぇ・・・っと」
男性から、プレゼントなんてもらったことがないから、何をおねだりしていいか
わからないというのが本音だ。

「し・・庄司君は、何が欲しい?庄司君の誕生日って、12月24日だよね?
二倍にお祝いしなくっちゃ♪」

綺麗に彩られたクリスマスツリーの前で庄司君がふっと足を止める。

「俺・・・
星波が欲しい。」
一瞬何か聞き間違えたかと思った。
「え・・・?」
庄司君の唇が、そっと私の耳元に近づき、囁くように言う。
「俺、星波がいいな。」
耳元に熱い吐息を感じ、体中の血が駆け巡るのを感じた。


第五十九話「嫉妬」へつづく~





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第五十七話「忍耐」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年11月28日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第五十七話 忍耐


12月に入り、街はすっかりクリスマス色に彩られ、いたるところで軽快なクリスマスソングが人々の耳に流れ込んでいた。
でもそれは、街だけのことで、受験生にとっては、クリスマスも正月もない・・・
クリスマスは、クルシミマスなんてオヤジギャグのひとつもいいたくなるようだった。

「で・・・あいかわらず、土日、二人で密室状態でお勉強続けているんだって?
健人先生から見て、生徒星波はどんな感じなの?今度の模試では、B判定以上とれそうなの?」
「み・・・密室ってな・・・」
紫苑に冷やかされ、健人の頬に赤みがさす。
「携帯の電源も切らしてるんだって?まぁ確かに、せっかくいい雰囲気になって、
メールや電話に邪魔されたくないしね~。」
紫苑が上目遣いに健人を見ながら、またからかいがてらニヤニヤする。

「あのな~。俺達受験生。俺は、星波のお母さんに頼まれて勉強見ているだけで。」
「やましい気持ちは、全くないってか?」
と言いながら、紫苑が健人の胸をポンポンと二度ほど叩く。
「ねぇよ!そんな風になってたら、星波は庄司ととっくに別れているだろうが・・・」
健人は、唇を尖らしながら横を向く。
「ってか・・・お前勝手に俺が星波のこと好きだとか、決め付けてない?
言っとくけどな・・・・俺と星波は、以前から言っている通り、ただの幼馴染だからな。」
軽く睨みながら、健人が言う。
「ふ~ん。じゃ、幼馴染だから、腐れ縁だから、その縁を切りたくなくて星波と同じ、松櫻大学を受けることにしたんだ♪」
ニヤリとしながら紫苑が、再び健人の左胸を軽くパンチする。

「ち・・ちげぇよ。松櫻の法科を卒業すれば、就職にも有利だろうと思って。」
「はいはい。」
紫苑が、ピラピラと右手をふる。
「そういうことにしておきますか。かわいい幼馴染を、密室空間で目の前においておきながら、手を出すこともせずに、我慢しているかわいい狼君・・・・」
「し・・・紫苑!てめぇ・・・・」

「ごめ~ん。紫苑、健人、お待たせ・・・」
自分のことが話題になっているなど露とも知らず、星波が、二人の待っている中庭に
走ってくる。

「はぁ・・はぁ・・・ごめん。ちょっと担任の松尾に呼ばれちゃって・・・・
どうしたの?健人、顔赤いよ・・・・」
「ちげぇよ。夕日のせいだよ。それより松尾の話って?」
紫苑に核心をつかれ、そしてその本人を目の前にして、若干
顔に血が上った状態を隠すために俺は、強引に話題を変えた。

「うん。この間のテストも・・・かなり点数落ちちゃって。
このままじゃ、松櫻難しいんじゃないかって話。」
星波の顔に翳りが見える。

ポン
星波の頭に健人が手を乗せる。
「大丈夫だよ。星波・・・・俺がついているから・・・・」

俺がついているから・・・・
そう、いつも、いつも健人はそうやって私のそばにいてくれる。
そして、昔・・・・遠い昔にも誰かにそんなことを言ってもらったような・・・・
心に何かがひっかかり、ふと星波が眉間にしわをよせる。

「大丈夫でしょ・・・星波。次の塾の模試・・・がんばろうよ!
全国模試じゃなくても、秀徳塾の規模なら、かなり正確な合格率でると思うよ。
健人が、つきっきりで教えてくれているんだから、大丈夫でしょ。
紫苑が、左目をつむりウィンクをする。
「うん。そうだね!がんばるよ。ありがとう。」
星波の顔に、笑顔が戻る・・・・・
「じゃ。塾行くぞ・・・」
3人の影が、夕日に照らされ長く伸びる・・・・

「ふ~ん。
いいこと聞いちゃった。」
中庭へ出る廊下の柱の影に隠れていた人物が、そっと片頬を上げて
笑った。


第五十八話 久しぶりのデートへつづく~


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第五十六話「レクチャー」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年11月22日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
高校3年生の淡くてせつない恋物語を描いていきたいと思っています♪
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。

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第五十六話「レクチャー」



「何事も両立させるコツは、何か一方をやっているときには、他の事は忘れて
集中することだ。Concentration!
たとえば、中間や期末テストが、気になっても部活中は、バスケのことしか考えない。
だって、バスケやりながら勉強のことを気にしても、その場で学習できるわけじゃないし。

そして、勉強するときは、集中して短期に効率的にする。

まぁ、星波の場合は、勉強するときは、とりあえず、庄司のことは頭から
隔離して、携帯の電源も切っておく。

お前、勉強中も、庄司からレスが来ないな~なんてしょっちゅう考えているんじゃないか?」

全く持って図星だったので、星波は、顔を真っ赤にしてうつむく。

「それにな~男ってそんなにメールとかマメじゃないから。
どうせお前のことだから、自分は、たくさんメールに書いているのに
なんで庄司君のメールはあっさりしているんだろう!?とか勉強中も
気になって気が散ってるんだろう。」
軽くおでこを小突かれる。

うわ~やばい!!
健人は、私の心が読めるのか??
図星すぎてぐうの音も出ない(><;)

「はいはい!わかったら、まず、頭の中をお勉強モードにして、庄司のことは
一旦、頭の中から追い出して、どこかに置いておいて・・・」
そのまま、ずっと庄司のことを考えずにいてくれたら・・・・
なんて無理な注文を心の中でしてみる。

う~ん
星波が、眉間にしわを寄せて目を瞑る。
こいつ、なんでこんなに無邪気で少女のような真似ができるんだろう。
ちょっと「ヘ」の字に曲がった、かわいい唇に思わず見ほれる。

「OK!!」
星波が、キラリとした瞳で俺をまっすぐに見る。

俺は、手を伸ばして、星波の頭をポンポンと二度ほど叩く。
「じゃ、今から、試験対策詰め込むぞ・・・・」

「はい!」
邪気の無い笑顔を見て、俺はちょっとだけ心が痛む。
俺は、部活をしていようが、勉強をしていようが
いつも心の一番大切なところに星波をおいているから・・・
俺の心の中からはどんなときだって星波をはずすことなんて
していないから・・・・
嘘つきの俺・・
本当は、こんなアドバイスする資格なんてないのに・・



第五十七話「忍耐」へつづく~




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五十五話「志望校」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年11月16日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第五十五話「志望校」


うちの両親は、いわゆる「教育には金に糸目をつけない」タイプだった。
女子だろうがなんだろうが、高校を出たら、4年制大学へ進学する。
それは、小さいときからずっと言われ、敷かれているレールだった。

学部は、自分で選んでいいと言われたが、それ以外は選択権無し。
とはいえ、そんな両親でも、私は大好きだったから、親に反抗してまで
大学に行かないという進路はなかった。

そんな両親だったから、前回の塾の模擬試験で合格ランクが、Cに落ちたときは
烈火のごとく怒り出した。
携帯電話も取り上げると言われ、初めて親に反抗した。
今までも、些細な反抗は、もちろん反抗期にあったけど、こんなに長引いて
親と喧嘩をしたのは初めてだった。

携帯電話を取り上げられたら、それでなくても、なかなか会えない庄司君との
パイプがもっともっと細くなってしまう。


「ってことで、これから土日、俺が星波の家庭教師だからな。
はい、勉強中は、携帯の電源を切る。」
「は~い。」
少し、ふてくされながら携帯の電源を切る。
「じゃ、今日は、ここからな。」
健人が、塾のテキストを開く。

「ねえ・・・でも、健人だって自分の勉強あるでしょ?
いくらうちの母親に頼まれたからって・・・健人に悪いよ。」
「大丈夫・・・俺は、この間の模試で、松櫻大学(しょうおうだいがく)
A判定だったから。」
「え・・・?健人って、大葉大学志望じゃなかったの?」
「あぁ、塾、行って偏差値が、すごくあがったから、お前と同じ
松櫻大学を第一志望にしたよ。まぁ俺は、法学部だけど。」
星波の動きが一瞬とまる。

「ええ!法科って・・・松櫻の法科って大学の学部の中でもダントツでしょ・・・
はぁ・・・いつのまに」
バカ・・・お前と同じ大学に行きたいからがんばったに決まってるだろう。
声に出せない心の中で俺は、この鈍感な幼馴染に毒づく。

「ってか・・・健人ってすごいよね。高校生活、ほとんどバスケ一色だったはずなのに
きちんと勉強もしているし。
両立するコツとかって・・・」
すごすごと、そして上目遣いに星波が健人に訊く。
そんな目で俺を見るなよ・・・・切ない気持ちが胸いっぱいに広がっていく。


第五十六話「レクチャー」へつづく~




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【名探偵コナン劇場】
☆クリスマスの奇跡~短編
蘭、園子、哀、シェリーが体験したクリスマスの不思議な経験とは・・・筆者から皆様へのクリスマスプレゼント小説

【狂気愛小説】
☆愛憎物語~白と黒~中編
好きだったからこそ、愛していたからこそ・・男の愛の行き着く果ては・・(一部性的描写を含みます)



第五十四話「KISS」 青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年10月30日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
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第五十四話「KISS」


「尊とどこまでいったん?」
からかった声が頭上から降ってきた。
屋上に続く階段の上から、来夏が身を乗り出して話かけてくる。

「・・・・。」
「その表情じゃ、HどころかKISSもしていないって感じだね、MS.美咲・・・」
こっちは2年も先輩だというのに、来夏はあいかわらず私に対してため口だ。

「私が、先に奪っちゃおうっかな~尊のファーストKISS」
「ふ・・・ファーストキス?」
思いがけなく声が大きくなり、あわてて両手で口をふさぐ。

「去年の夏、私がふざけて尊にKISSしようとしたら、あわてて逃げられて
真剣な顔で
『俺のファーストキスは、最初に付き合った子とするんだから、ふざけるのはよせ!』
って言われたんだもん。
そんな尊が、かわいくて、とっつかまえて強引にほっぺにはKISSしたんだけどね~」
来夏が、私の表情を楽しむようにニヤニヤする。

庄司君のほっぺにKISSをする来夏・・・・
そんな姿、想像したくない!!
思わずぎゅっと目を瞑る。

「私が、先に奪っちゃったらごめんね・・・
KISSだけでなく、もちろん、心も奪うつもりだけどね。」
来夏が、ゆっくりと階段を下りてくる。
小柄なのに、そのゆったりとした足取りは他人を威圧する雰囲気を持っている。

「私だったら、KISSだけじゃなくて一気に、最後まで奪っちゃうかも知れないけどね。」
ゆったりとした足取りで一歩一歩近づく来夏から、目が離せない。
女性の私でも、見とれてしまうくらいのしなやかな体つき、充分に女を感じさせる色香。

かなわない
と思ったとき。

「星波!!」
廊下から、紫苑のするどい声が飛ぶ。

「何してるの!こんなとこで。」
紫苑が、私の隣に来て、階上の来夏を睨みつける。

「私は、彼女なのに、まだ何もしていないMS.美咲に先に、尊の唇を奪っちゃう宣言したとこよ・・・」
と言うといつもの妖艶な笑みを浮かべた。

カチン
一瞬にして紫苑の顔が気色ばむ。

「はぁ?なに乳臭いガキが生意気なこと言ってるのよ!
庄司君の彼女は、星波なの・・・・
人の彼氏を指くわえてみてないで、とっとと消えな。
いいかげん、自分のミジメな立場に気がつきな・・・・」
歯に衣を着せぬ罵詈雑言が、飛び出す。
このままにしておいたらまずい。

「いいよ。紫苑・・・」
あわてて、紫苑の腕をひっぱる。

昔、不登校だった来夏の過去を聞いてしまっている私には、どんなに挑発されようと
来夏を傷つけるような言葉はいえなかった。


第五十五話「志望校」へつづく~





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【主人公が社会人の恋愛小説】
☆「途中下車」長編
OL百合菜、同僚の祐樹、高井3人の男女のそれぞれの目線から物語は紡がれる。作者はじめてのちょっと大人の恋物語。大好きな嵐の曲名をお借りして書き上げました。

【主人公が大学生の恋愛小説】
☆「メールの涙」中編
特殊能力を持った啓祐と心が傷ついているしおりの恋の行く末は・・・
☆「時空恋話~JIKUU-RENWA~」中編
時空を超えて出会った二人、未来に帰らなくてはならない時は近づいてくる。果たして二人の運命は
☆「シナリオ風小説 潮騒」長編
筆者が始めて手がけた、長編恋愛小説。大学生の映画研究会の友達に頼まれてシナリオ作成をしました。
オリジナルポエム満載の大学生の純愛小説です。
☆「潮騒 続編 悪魔に魂を売った女 沙羅」長編
潮騒の続編。沙羅と小百合と駿のその後は・・・本当の意味でのエンディングを描いたストーリー
☆「真夏のような恋したい!!」中編
恋に恋する乙女、理奈の始めての恋のお相手は?
☆「彼と最後のLoveLetter」中編
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☆「KISS IN HEAVEN」中編
「この世の中にもう、楽しいことなんかない!」死んだはずの僕なのに・・筆者が描くラブコメディー小説
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友人達から絶世の美女といわれる友香の片思い・・和也に届くのか・・

【嵐、尾崎豊モチーフ小説】
☆「再編 アイドルとの恋★潤愛物語~アクアマリン~」中編
人気アイドルグループ 潤とそのファンの切なくて甘い恋物語
☆「尾崎豊モチーフ小説 黄昏の街の中で~アーティストとの恋~」中編
大好きな尾崎豊さんをモチーフにさせていただいた、アーティストとの恋愛小説
☆「尾崎豊モチーフ小説 天国のコンサート~尾崎豊に捧ぐ~」中編
もし、尾崎豊さんのコンサートにもう一度行けたら、筆者の思いを載せた感動小説

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蘭、園子、哀、シェリーが体験したクリスマスの不思議な経験とは・・・筆者から皆様へのクリスマスプレゼント小説

【狂気愛小説】
☆愛憎物語~白と黒~中編
好きだったからこそ、愛していたからこそ・・男の愛の行き着く果ては・・(一部性的描写を含みます)



第五十三話「来夏」 青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年10月24日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
高校3年生の淡くてせつない恋物語を描いていきたいと思っています♪
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。

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第五十三話「来夏」



「長崎、柏尾、庄司の3人は、同じ小学校だったし、中学でも同じバスケ部でかなり当時から仲がよかった。
庄司と柏尾は、小学生のときから来夏のことを知っていたから、すごく心配をして
何度も何度も、長崎の家に足を運んだ。
そのうち、来夏は3人とは一緒に遊ぶようになり、やがて、少しずつ学校へ行くようになった。

中学になってからは、庄司たちと同じバスケ部に入り、性格も明るくなり
やがてクラスでは人気者になっていった。

とはいっても、表面上だけ誰とでも仲良くするすべを覚えたって感じだな。
本当は、すごく人見知りするタイプだし、本心は、あいつら3人にしか見せていないんだろう。
柏尾は、中学のときから美紗と付き合っていたし、いつも自分と一緒にいてくれて
自分を守ってくれる庄司に恋をしてもおかしくない状況だしな。

アメリカに行ったことも、向こうの祖父母の強い要望で行ったみたいだが
本心はきっと庄司と離れたくなかったんだろうな・・・・・

庄司や柏尾にとっては、来夏は、共通の妹みたいな感覚、関係みたいだけどな。」

「その話って・・・・」

「あぁ。柏尾から聞いた。というか柏尾は、お前のこと心配していた。
来夏は見た目、振舞い方、太陽みたいなトコあるから
お前が臆しちゃうんじゃないかって・・・・・」

ポロ・・・・
瞳から涙があふれ落ちる。

なんで・・なんで庄司君が、それを直接私に言ってくれないの?
ってそう思うのは、私のわがままなの?

「庄司は、そういうトコ疎いやつだから許してやってくれって。
庄司は、来夏の気持ち気づいていても、星波のとこが好きなんだからって・・・」
下をうつむいて泣いている星波の頭をゆっくりとなでる。
やがて泣き声は、だんだん大きくなり嗚咽に変わる。
小さな肩が、小刻みに震えている。
柏尾のヤツ・・・全く、俺をどこまでいい人にすればすむんだ・・・
うらむぞ・・・・

星波の右肩を強く抱くと
星波は、力なく俺の胸の中に倒れこみ
そのまま声を上げて泣いた。
しばらくの間所在なげに宙をさまよっていた俺の両手で
震える星波を抱きしめた。
俺のシャツが、星波の涙でぬれていく。
俺以外の男のことで、泣いている星波を
俺は、力の限り抱きしめた・・・・・


第五十四話「KISS」へつづく~






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第五十二話 脳内メーカー!?青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年10月17日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第五十二話 脳内メーカー!?


「どうだった。」
「うん・・・C判定」
「そっか・・・・」
私にお茶のペットボトルを手渡しながら、健人も私の隣でため息をつく。

もう公園のベンチで過ごすには肌寒い季節だが、こんな夜遅くに
幼馴染とは言え、健人の部屋にあがりこむわけにはいかない。
私が落ち込んでいるとき
まるで私の心が見えているかのように鳴り出す携帯電話。

「星波さ~」
健人が、私の頭に手を置き、自分のほうへ顔を向ける。
「今、お前の頭の中、脳内メーカーで見たら、80%が庄司で・・・・
20%が来夏なんだろうな。」
図星で顔が赤くなるのがわかる。下をうつむきたくても、健人の手が
そうさせてくれない。
一時期夢中になった脳内メーカー。
ネットで自分の名前だか、生年月日だかを入れると
勝手に「愛」が50%「食」が30%とか、自分の頭の中を占めている
感情を勝手に決めてくれる。
それがおかしくて、紫苑や健人と一緒にやって、笑い転げていたっけ。

ふ~
健人が、私の頭から手を離して、大きなため息をつく。
「来夏はな、あの顔立ち。長崎よりも少しアメリカ人に近い顔立ちのせいで、
小学生のとき、いじめられていたんだ。
小学校5年生になり、そのイジメが原因で、不登校になった。
不登校+ひきこもりだ。
ご飯以外の時には、自分の部屋から出てこなくなったらしい。」

いきなり健人が、何を話しだしたんだろうと思ったが、私はうつむいたまま
聴いた。



第五十三話「来夏」へつづく~



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第五十一話「受験生」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年09月28日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第五十一話「受験生」


大学受験を決めたときから
というか、うちの場合、受験以外の選択肢は、親が与えてくれなかったのだが
「受験生なんだから」
と言う言葉が、学生生活の大半を埋め尽くす。

高校の授業で、塾の授業で
そして家でも・・・・
二言目には「受験生なんだから」と
高校3年生の代名詞の代わりに受験生という名詞が使われる。

そんなのわかっている。
親に言われたからじゃなくて私だって大学生になりたい。
じゃ大学に行って、何を真剣に学びたいか?と問われれば
まだ、そこまできちんと目標が決まっているわけではないけれど
社会に出るまでに、もう少し、勉学を勤しむという立場に身をおきたい。

そして
その受験生にとっては、偏差値がすべてといっていいくらいの競争社会に今の日本はなっている。
もちろん、音大とか美大とか、人と違った才能があれば話は別だが、私が、狙っている文学部では、偏差値がすべてだ。

塾で行われた模試の成績を見つめて、さっきから私は、大きくためいきをついている。
夏休み、紫苑と健人と自主学習をして
ようやく志望校の合格率が、B+判定まであがったのに
今、私の手の中にある用紙は、無常にもC判定が刷り込まれている。

恋だけが、生活のすべてじゃないし、人生のすべてじゃない
そんなのわかっているけど、手につかない。
昼休みでも、放課後でも、庄司君、長崎君、柏尾君の姿をみかけると必ずあの子
来夏の姿がそばにある。

そして気のせいか
私の視線を感じるからか
振り向きざまにふっと勝ち誇ったような笑みを返す。

それが、心に小さなとげのように刺さり、課題を解いていても
参考書を見ていても、彼女のあの顔が私の脳裏から焼きついて
離れない。

♪♪♪
携帯電話から流れる着うた
「勿忘草」が流れ
私は、携帯をに飛びつく・・・・


第五十二話「脳内メーカー!?」へつづく~

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第五十話「年の差」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年09月13日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第五十話「年の差」

そして昇降口に入るとき
来夏は、私の方を向いてはっきり言った。
「私のほうがずっと昔からずっとたくさん
尊のこと好きだから・・・・
私は、尊のことあきらめないから。
それにMS.MISAKIは、来年卒業しちゃうしね~♪」
すべてのその場にいた人間がギクリとして立ち止まり
その場の温度が急に下がる。

長崎君は、さらに困った顔になり、申し訳なさそうに
私を見る。
でも、それは事実だし、彼女の気持ちは彼女のもので
誰にも謝られる必要のないことであることもわかっている。

「じゃ・・・
星波、今夜も塾まで迎えに行くから。」
と庄司君は、今の来夏の言葉を無視するかのように
いつもの輝くような笑顔を向けてから2年生の昇降口に向かう。

ポン
健人の手が、私の頭の上に乗る。
「ほら・・・遅刻するぞ」
それが合図のように
私の金縛りが溶ける。


「ライバル宣言か~」
紫苑が、私の分までため息をついてくれる。
「ってか、そうなんだよね。私達は、今度の3月で卒業しちゃうんだよね。
でも彼女は、まだ、庄司君と・・・・・」
「で・・・バスケ部のマネージャーになるんだって」
「うん。中学もバスケ部だったし、アメリカでもバスケ部だったから
女バスのキャプテンはもったいながっているらしいんだけどね・・・」
「まぁ、美紗ちゃんも柏尾君の彼女って立場上、長崎君の妹には強く言えないだろうし、
庄司君も柏尾君も何も言えないとなると
その子の天下だね~。バスケ部は。」
「うん。」
私も大きく、ため息をついてしまう。
「それに・・松田と香川が、辞めちゃって男子バスケ部マネージャーいなかったから
御の字みたいだね・・」
「うん。健人もそういっていた。」

強力なライバル出現。
それも私よりも若くて
私よりも長い間、庄司君のそばにいられる子。
そして
小さいときから、長崎君にくっついて庄司君のそばにいたから
私とは比べ物にならないくらいの
庄司君との歴史がある子・・・・・

「どうしよう紫苑・・・」
「庄司君を信じるしかないよ。」
下をうつむくと
ぎゅっと握り締めた手の甲に
ひとつ、ふたつと涙のしずくが
零れ落ちた。

第五十一話「受験生」につづく~


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第四十九話「ライバル」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年08月08日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第四十九話「ライバル」



「で・・・強力なライバル出現だって?」
昼休み、天気がいいので、私と紫苑は、校庭の芝生に座りながら、お弁当を食べていた。
教室や食堂だと、知り合いがたくさんいて話にくいと紫苑が気遣ってくれたのだろう。

聞いた話だと、長崎君のうちは、祖父母が、国際結婚で来夏と長崎君はクオーターらしい。
長崎君は父親と一緒に日本に、来夏と母親は、母親の仕事の都合上、中学3年生から母親の故郷のカリフォルニアに移り住んでいた。
来夏は、中学2年生までは、庄司君たちと同じ日本の学校に通っていた。

どうりで少し日本人離れした顔立ちと体つきをしているわけだ。

でも、またまた、母親の都合上で日本に住むことになり、カリフォルニアで通っていた
ハイスクールの姉妹校であるわが校に転校してきたとのことだった。

「ってことで、これからまた、尊や恭の・・じゃなくて庄司先輩や柏尾先輩のそばにきたのでよろしくお願いします♪」
と軽くシナを作って言う。
「海藤先輩引退しちゃったんだって?来夏、海藤先輩のバスケまた見たかったのにな~」
去年の夏休みには、ずっと日本に帰国していて、ほぼ毎日バスケ部の夏練に
入りびたり状態だったらしい。
なので、健人のことも良く知っている。

「なんかさ~年感じるわ・・・」
私がため息をつきながら言う。
「結構、2コ差って感じるかもね~。でもいいじゃん。こっちは大人の魅力で・・」
とこれまた、紫苑が妖艶な笑みで私に微笑みかける。
紫苑みたいな美人だったら、大人の魅力も出るんだろうけど・・・・

大人から見たら、高校1年生も3年生もあまり変わらないのだが
この年齢の2歳の差は、かなり本人達にとっては大きい。

健人の話だと来夏は、小さいときから、兄である長崎君といつも一緒に
遊んでいた庄司君にかなり本気でほれていて
去年の夏練のときもかいがいしく、庄司君のお世話をしていて、
女子バスケ部のマネージャーの香川と松田からは
うとましく思われていたそうだ。


第五十話「年の差」へつづく~





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第四十八話「太陽みたいな子」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年07月31日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第四十八話「太陽みたいな子」

「来夏・・・お前、学校の正門の前で抱きつくな・・・」
庄司君が、その金平糖のような女の子を軽く小突く。
ズキ!そんな仕草を見て、心にナイフが刺さる。

「だって~尊にすごく会いたかったし、やっと日本に戻れたからうれしくて
思わず・・・」
と言うと、その子はペロっと舌を出した。

大きなクリクリとした瞳
透き通るような白い肌に、ピンク色の頬
スレンダーボディなのに制服を着ていてもはっきりわかるような
スタイルのよさ。
少し短めにしたスカートから伸びた、長い足。
何もかもがキラキラと輝いた「太陽」みたいな子だと思った。

思わず私は、下をうつむいてしまう。

「来夏~。お前何やってるんだ・・・・」
その声と同時に少し小走りで、柏尾君と長崎君がやってくる。
「え・・尊と再会の喜びのハグしていたトコ♪」
「お前、学校では、2年生のことは先輩って呼べっていったろう・・・」

そう、その女の子に言ってから
「海藤先輩、美咲先輩、おはようございます。」
と長崎君と柏尾君が、二人同時に軽く頭を下げる。

「MISAKIって・・・・
この人?尊・・庄司先輩の彼女って?本当に3年生と付き合ってるんだ?」
クリクリとした茶色がかった瞳で、やや不躾に私の顔を覗き込む。
バシ!!
結構容赦ない強さで長崎君が、その女の子の頭を叩く。
「お前、失礼だろう!美咲先輩に。」
「いたいよ!!」
その女の子は、すこしふくれっつらになりながら、長崎君のことを睨む。
「すみません。美咲先輩、こいつ俺の妹なんです。ほら、来夏、きちんと挨拶しろ。」

「長崎来夏で~す。」
制服のスカートを両手で少しひっぱりあげながら、来夏は女性でもドキっとするような
妖艶な微笑みを口元に含んだまま、挨拶をする。
少女から大人になる時期
その特有な秘密めいた微笑みに
私は、少し背中が寒くなるのを感じた。

第四十九話「ライバル」へつづく~

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第四十七話「太陽の微笑み」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年07月27日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第四十七話「太陽の微笑み」

空は秋独特の突き抜けるような青空だった。
残暑も終わり、少しずつ街は、秋色に染まりつつあった。

足元にある落ち葉がカサカサ音がする。
会えない時間は、メールと電話で埋める。
そんなペースが、庄司君と私の間で少しずつ出来るようになってきた。

朝、いつものように健人と登校していくと
正門のところに庄司君の姿が見えた。
私の姿を見つけると、うれしそうに駆け寄ってきようとしたそのとき・・・・

「庄司先輩!」
と言って、栗色の髪の毛がフワフワっとした、金平糖のような女の子が
目の前で庄司君に飛びついた。抱きついたというよりも、飛びついたという表現が
ぴったりな感じだった。

「お・・おい、来夏(らいか)、お前・・・」
とっさのことで、庄司君が顔を赤らめながらその子を押し戻す。
「庄司先輩、何してるの?正門で・・・
早く、学校、入りましょう♪」
今にも歌いだしそうな、涼やかな声で来夏と呼ばれた女の子が、庄司君の腕を
ひっぱって、昇降口の方へ体を向けようとする。

あまりにもとっさなことで、私は、そのまま立ち尽くしていた。
「おはよう。庄司・・・・」
隣から、大きな声で健人が、庄司君に話しかける。

「あ♪海藤先輩!おはようございます♪」
庄司君から離れた、その女の子は、今度は、健人の前に来て、両手を前に合わせて
太陽のような笑顔で、ピョコっと頭を下げる。

~第四十八話「太陽みたいな子」へつづく~




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第四十六話「失うもの」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年07月19日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
高校3年生の淡くてせつない恋物語を描いていきたいと思っています♪
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。

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第四十六話「失うもの」


気がつくといつもは、30分で帰る道を1時間もかけて歩いていた。
家の前に健人が立っている。

「星波・・・ちょっと来い。」
健人が私にツカツカと歩み寄り、私の手首をつかむ。
「庄司・・・悪い、今日は帰ってくれ。星波と話があるんだ。」
「でも・・・海藤先輩」
「帰れ」
健人が押し殺した声で庄司君に告げる。

心配そうな目で私を見つめる庄司君。
まるで迷子の子犬のような
そんな瞳を見つめ返しながら言う。
「ごめん。そしてありがとう。送ってくれて・・・・
また明日、学校で・・・・」
「うん・・・・」

こういう表情をしているときは、健人は、何があっても人の意見なんて聞かない。
昔からの付き合いだ。
それくらいわかる。

庄司君が、今、二人で歩いてきた道をとぼとぼと歩き出す。
まるで飼い主に捨てられた仔犬のように・・・・・

私の手首をつかんだまま、健人は、近くの小さな公園に向かって歩き出す。
「わかったから・・・健人、痛いから離して!」
健人の手を強引に振りほどく。

健人が、私のほうをまっすぐに見据える。
「お前・・・・親に、庄司とつきあっていること、言ってないだろう。」
ビク
私の体の奮えが、肯定の意味を示してしまう。

「さっき、俺が塾から帰ってきたとき、おばさんがちょうど出てきて
星波と一緒じゃないの?
このごろ、あの子、塾から帰ってくるのが遅くなったんだけど、健人君何か知っている?」
って聞かれたよ。

さっきまでの幸せだったぬくもりが、嘘のようにさめていく。

「だって・・・言ったら、反対されそうで。」
下をうつむいたまま言う。

「とりあえず、今日は、わからないところを塾が終わった後講師に訊いているから
遅くなっていると答えておいたけど・・・・
あまりご両親に心配をかけるな。」
「うん・・・ごめん。ありがとう。」

「Love is blind 恋は盲目なり。
でもお前達は、もう少し、周りを見ないと・・・・
いろんなものを失っていくぞ・・・・」
健人が私から視線をそらして言う。

「わかった。」
私は、コクリとうなずく。
何を失うのか・・・・
それを健人に訊くのは怖かった。


第四十七話「太陽の微笑み」へつづく~

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第四十五話「幸せ」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年06月28日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第四十五話「幸せ」

塾が、21時に終わるときは、時々、庄司君が塾まで迎えに来てくれるようになった。
少しでも一緒にいたい。
そんな気持ちがシンクロしているのがうれしかった。
「じゃあね。また明日。健人、紫苑バイバイ」
塾のエントランスで健人と紫苑に別れをつげて、庄司君のほうへ駆け寄っていく。

「はぁ・・・全く、春、全快って感じね・・・」
紫苑が、健人に向かってやや呆れ気味に言う。
「あぁ。庄司もあんなマメなヤツだと思わなかったよ。」
同じく呆れながら健人が言う。
「いいの?健人あのままで」
紫苑が、意味深な視線を健人に送りながら訊く。
「何がだ?」
健人が少しいぶかしげな表情で問う。
「別に~。じゃ、また明日学校でね!」
紫苑もそのまま軽く手をふる、まだ、人がごった返しているエントランスを抜けて
帰り道の方向へやや小走りで出て行く。

その先を、星波と庄司が、仲よさげに並びながら歩いていく姿が見える。
背の高い庄司と小柄な星波。
後ろ姿を見れば、よくお似合いのカップルにしか見えない・・・・


いつものように、手をつなぎながら、塾から15分で帰れる道を、遠回りしながら
ゆっくり帰る。
別にどこかに寄って帰るわけでもなく、話も今日学校であったこととか、庄司君の部活のこととか、たわいのない話だった。
でも好きな人がそばにいてくれる。
気持ちが互いに向いている。
それだけで、幸せだった。
このうえなく、幸せだった。

時々、庄司君が強く手を握る。
それだけで、何も言わなくても互いの気持ちがわかってしまう。
もっと一緒にいたい。
言いたいのに言い出せない言葉
互いにその言葉は言ってはいけないこともわかっている。
私が、庄司君と同じ2年生だったら
そんな迷宮のラビリンスに迷い込んだみたいな
答えのない思いがかけめぐり
私もそっとつないだ手を握りかえす。


第四十六話「失うもの」へつづく~



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