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三河・柴石峠を訪ね損者砦へ登る

2019-01-21 | 歴史
柴石峠は愛知県設楽町長江にあります。
 柴石峠はかつての長江城と設楽城を結ぶ街道(山道)の峠にあります。損者砦は参考地とされ詳細は不明となっています。位置関係からすると長江城の出城(物見)で柴石峠を監視していたようにも見えます。
 柴石峠の地名は、古くから植物の化石が採集されたところから来ているようです。

付近の地形 国土地理院地図をカシミール3Dで加工
長江の集落から設楽城(東栄町)に抜ける山道は、今は車道が開発されましたがそれ以前は柴石峠の道が最短コースだったと思われます。
 損者砦は南北に走る尾根上にあり植林のない往時は東西方向への見晴らしは抜群だったと思います。


柴石峠 植物化石保護の対策が取られている 東から見る
かつての峠道は化石の保護のために現在は立入りが制限されている。


柴石峠 金網や鉄条網で厳重な保護されている。西から
柴石(化石)保護のため峠道が通行できないのは残念でしたが、化石の保護も大切なので、致し方がないのでしょう。峠道の雰囲気は柵のない状態を想像するのみでした。


損者砦への道は急斜面に細く踏み跡が有った
損者砦には柴石峠から南に登ります。斜面は急で大鈴山登山やNHKなどの中継所保守の人が僅かに登るだけの薄い踏み跡がありました。


損者砦(参考地)には無線と放送の中継所が林立している
尊者峠の見晴らしの良さは、往時の見張りの眺望の良さだけでなく、現代の電波の到達の良さにもつながる様で、狭い山頂部に中継所が密接して立てられていました。


NHKの中継所 建設工事で地形は大きく改変された
三つの中継所工事で山頂部は大きく削られて、もとの地形はすっかり失われてしまいました。そのために遺構が有ったのか無かったのかすら不明となりました。残念なことですが、今を生きる人の利便性や安全性を考えると、あながち否定はできませんね。


山頂部を尾根の南下から見上げる
南に下る尾根から見ると、切岸状の地形に見えますが中継所工事に伴うものかもしれませんので、曲輪が有ったとは断定できません。


尾根の南下の人工的?な地形
南側の尾根は大鈴山への道が伸びています。先端部を南から見ると人工的に切岸を削り出した地形に見えました。ここは中継所の工事とは無関係なので、ヒョットすると損者砦に関連しているかもしれないと想像しました。

柴石峠の知識なしに損者砦を訪れましたが、柴石峠のいわれや保護の現場を見ることが出来、損者砦のチョット残念を帳消しにしてくれました。