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相模・石垣山城 度重なる地震に耐えた残存石垣を堪能できる城郭

2019-07-18 | 歴史

石垣山城は神奈川県小田原市早川にあります。6月の東海古城研究会の一泊見学会で訪れました。

石垣山一夜城とも呼ばれ、秀吉の小田原城攻撃の中で一夜城の伝説が生まれました。実際には80日間ほどの突貫工事で完成したということで、今では一夜城は伝説として観光向けのキャッチフレーズとなっています。

小田原城から見ると、石垣山城は間近に見え、築城過程を見せた方が、かえってプレシャーを与え威圧効果が高かったのではないかと思えました。

石垣山城 現地に立つ案内板の縄張り図。一部加筆

以前に訪れた時には見学してなかった本丸西側下の帯曲輪と、石垣の残存状態と南側の出曲輪、大堀切を見たいと思い、限られた時間なので急ぎ足で見学に向かいました。

 石垣山城 天守西下の法面と帯曲輪 B付近 大きな転落石がゴロゴロ

 西曲輪から伸びる帯曲輪にはあちこちに、転落石が見られました。大きな石が散乱していて、元の石垣を想像することができない状態でした。こちら側はめったに人が来ませんが、たまたま一人の男性と出会い、お互いにビックリしました。

 帯曲輪はもう一段下にもありますが、農道としても使われているような雰囲気で、城郭遺構としてもある程度改変を受けているかもしれないと思いました。

 石垣山城 南側の出曲輪と大堀切

大堀切は、地形を利用して出曲輪が設けられ、西曲輪との間の谷地形が大堀切として利用されたように見えました。現況は後世にある程度埋められたように見え、深さはほとんど目立ちませんでした。出曲輪は密集した雑木と草で、進入をあきらめました。少し残念に思いました。

石垣山城 南腰曲輪から南曲輪へかけての石垣 ほぼ完存の見どころ

石垣山城の石垣というと、崩れかかった石垣のイメージですが、大堀切沿いの石垣はほぼ完存状態で、みごとでした。
度重なる直下型地震で小田原城の石垣はほとんど崩壊したというのに、この石垣はもちこたえたようです。築城時に秀吉は穴太衆を呼んで石垣を積ませたと伝わりますが、そのためかもしれませんね。

石垣山城 井戸曲輪は工事中で残念!

井戸曲輪は周辺の工事のため、上からのぞくだけでした。井戸曲輪の石垣も完存状態なので見ることが出来ずに残念でした。

今年の9月までは立ち入れないので、お出かけの際はお気を付けください!