宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

5年目の魔女

2005-07-09 12:37:02 | 本のこと
最近ひょんなことからまた図書館を利用するようになった。

そこで、貸し出し中の本をネット予約出来るサービスが始まったことを知る。

これが利用熱に拍車をかけた。

というのは、これまで私にとって図書館の本というのは、開架で在庫のあるものを
手にすることでしかなかったのが、そのシステムのお陰で頻繁に検索をする癖が
ついたからなのである。

こうなると、まずそこで入手しようという気持ちが起こる。
文庫書き下ろしでない限り、文庫化される著作ならかなりの確率で蔵書がある。

だから、新聞の文庫本宣伝等で心惹かれるものは図書館で、となるわけである。
何故こんな簡単な理屈に気づかなかったのか。

多分、それは熱意の差なのであろう。
さほど強い気持ちではなかったから、図書館に出掛けて検索して借りるという
行為が面倒臭かったのである。

それがインターネットで瞬時に検索出来て、貸し出し中なら予約まで出来ると
なると、読んでみたい本を書店ではなく図書館で探すことが苦でなくなる。

この「5年目の魔女」もそうである。
今月の新刊文庫で書店の店頭を飾っているそれは、単行本としては10数年前に
発刊されたもの。

著者の「乃南アサ」の作品はfemaleで初めて出会ってから気になっていた。

実は別の本を検索してみたらあったので、それを求めにいったついでに(もっと正確
には借りた物を返しにいったついでに)著者を探してみたらあったのである。

少しオカルトチックなニュアンスを醸し出しつつサスペンス仕立てで進行するこの物語
はストーリーの展開にワクワクさせる魅力がある。

ただし、最後に驚愕的なオチを勝手に期待していたために、かなりの肩すかしを食う
ハメに陥る。

並行して読んでいる恩田陸の倒錯的なストーリー仕立てに毒されているのかもしれ
ないが・・・






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