宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

ウェブ進化論

2006-04-29 10:14:00 | 本のこと


一個だけ段々それらしくなってきた




まず、私が食指を動かすことのない題名の本である。
因数分解までは得意だった数学は、公式を覚える必要が生まれた頃から道を踏み外し、その一味と思われる物理もやはり公式や定理の嵐で、生物や化学にいたっては体質に合わない居心地の悪さを覚える異次元の世界としてしか見えず、結果、完璧に理系とは対極に位置する人間になってしまった。
(地学だけは、考古学に繋がるロマンを感じて好感あり、天文学もそのレベルでは同じ。)

そんな訳で理系の話は抗体が拒絶反応を起こしてしまう私が何故このような題の本を手にしたか。
それは、「ぷちショップ」グループの知性ともいうべき男が奨める本だったからであり、なんとなくそこに動物的な勘が働いたからに他ならない。

結果として、その勘は間違ってなかった。
理系どころか、インターネット自体をやぶにらみしているオッサン向けの解りやすいガイドブックである。

なんとなく感じていた変化の兆しや、深く考えることもなく利用してきたサイト上のツール、媒体の裏打ちが出来て、それらが一連の繋がりを持って見えてくる。

なんてったって、私はグーグルのことをゴーグルと読んでいたくらいなのだから、無知も甚だしい。
(だって、サーチエンジンだから防塵眼鏡の意を込めているのだと勝手に解釈していたのである。)

アドセンスという単語も、アフェリエイトの本を立ち読みしたときになんとなく覚えていたという程度。

グーグルはただのサーチエンジンではないらしい。

ロングテールという埋もれたニーズや才能をいかに取り込むかがWeb2.0らしい。

ブログという総表現化社会においての玉石混交問題はいずれ自動秩序形成というブレークスルーを経て良きに向かうらしい。

それらを含めたオープンソースを圧倒的な数でもって改善していくことによって、人類に叡智をもたらす筈であるらしい。

そうしたウェブ進化は世代交代、正しくビル・ゲイツからグーグルの創業者であるページとプリンに移ることによって実現されるらしい。

そして、もうひとつ先の世代交代は、現在世界一ITのインフラが整備された我が国から起こっても不思議ではないらしい。

最後に、古い体質、権威、思想、生き方にしがみつかない「脱エスタブリッシュメント」の姿勢が肝要だと締めくくる。



「大きな変化が起きたときに、真っ先に自分が変わらなければ淘汰される。」
ここにこの本のエッセンスがあるように思う。

側面では、「インターネットなんぞしなくったって生きていける。」といった考え方もあるだろうし、それは間違ってはいない。
ただ、曲がりなりにも、商売という行為に携わって食い扶持を稼いでいかねばならぬ立場としては、積極的に新しい考え方を学ぶ必要はある。
そういう意味ではいい刺激をもらった。


ひとつ面白かったのは、偶然にも、数日前にここにアップした思索ツールとしての私の考え方が、本書の165ページに「知的生産の道具としてのブログ」という見出しで述べられていることである。
そして、そのツールとしてたまたま選んだはてなダイヤリーが、著者の昨今取り組んでいるライフワークの中のひとつである㈱はてなが運営するサイトであったということである。



なにはともあれ、今後の私のネット社会に対する認識が、少なくともワンステップ上に上がったことだけは事実のようである。


あ~しんど・・・




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