宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

垣生山の灯台

2018-01-06 13:27:28 | 徒然
 元日は、垣生山に登ったので、結果として1万3千歩歩いていた。
二日は、えんとつ山周辺を散策した程度だったので、5千歩だった。
ならばと、正月休み最終の三日は1万歩を目標に散歩に出た。


 自室を出て、松の木の東端を海岸線の土手道に上がる。
夏は工事中で通行止めになっていたが、ようやく通れるようになっている。







どうやら、拡幅工事だったようだ。
これで、車の対向も楽になるだろう。

よぉし、久しぶりに灯台に登ってやろう。
正面に横たわる垣生山の左端の上にそれはある。



 弁財天公園を通り過ぎ、港に回り込む水路を迂回して、垣生山のふもとに辿り着く。



ここからが山道だ。




10分程で灯台が見えてくる。







 私の記憶に間違いがなければ、この灯台がこの地に建設されたのは、私が中学生の頃(50年近く前)。
その頃は、こんなに整備された登山道はなかった。

赤土を採取して売る業者が切り崩した山を分け入った先に、忽然と現れるのがこの灯台だった。
地元の悪ガキと時々そこへ行って遊んだ。


ここから先は、良い子は真似をしてはいけない。
遠い記憶なので、それは妄想かも知れない。

私一人なら、決してそんなことはしなかったろう。
だが、連れは悪ガキ数人。
垣生山直近の「町」という漁師町に住む漁師の息子たちだ。
浮島のボンとはタイプが違う。

「てっぺんまで登ってみんか!」
とT男。

「どないして」

「ここを足場にして」






「上の手すりにかきついたらええやん」




「できるか?そないなこと」
「できるやろ」

一旦、入り口のひさしの部分まで昇って、次にその上の回廊?部分の手すりに捕まり、懸垂して足を掛け、這い上がる。






次はこの梯子を昇る。
すると、下では分からなかった強風に体が煽られる。
実のところ、かなり気色が悪い。
だって、足を踏み外したら、怪我はするだろう。
でも、悪ガキ達の手前、お茶の子さいさいなフリをする。







 そうして辿り着いたてっぺんからの眺めはもうサイコー。
風にビュンビュン吹かれながら、みんなでてっぺんに立って「ええなあ、ここ!」と称えあう。
その時の風の冷たさと、海の景色と、高揚感と、妙な連帯感は今でも覚えている。




 しかし、今思えば、たまたま何も起こらなかったから事なきを得たけど、仮にトロくさいのが一人でもいたら、ヤバイことになった可能性もある。
だから、良い子は真似しちゃいけない。




 でも、いい思い出になっていることは間違いない。
いや、真似をしちゃいけない。
こんなのは、悪ガキのすることだ。



 あの日、そうした悪さを思いついたT男は、一昨年亡くなった。
胃がんだった。


 合掌・・・




















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