だいたい女のヒステリーから禁煙運動は始まった。
最初はアメリカ、その次はシンガポール、そして日本となり、ヨーロッパまでが禁煙運動に走り出した。
その主なる理由は肺ガンになる、心筋梗塞、脳卒中、煙たい、臭いなど。
それでは、他に病気を併発するものはないのかというと、一般に食べられているインスタントラーメンやレトルトものや弁当などの加工食品、生ものまで着色・防腐剤・酸化防止剤などがいたるところに使われている。魚でも干し魚・刺身・寿司材にまでこれらのものが使われいないものはないのである。これらの食品添加物は厚生労働省が許可しているから安全であるというが、カネミ油症事件、森永ヒ素ミルク事件、血液製剤など、薬害のすべては厚生省ならびに厚生労働省の許可があったものばかりである。
学者にも政府のお雇い学者や製薬会社から研究費を貰っている学者は国民の安全に対してはあまり興味がない。それゆえに、何でも安全説の方に傾きがちである。
しかし、発ガン性があると言われているものは少なくないし、日本人の出産の奇形率は放射能汚染地域を除いて世界一だと言われている。
それにはこれらの食品添加物が影響しているだろうとも言われているのである。1回に体内に摂取する量は微量でも、国民総体が年間に摂取する量は数万トンにも及んでいるわけである。
先にも書いたが刺身・寿司材にまでこれらのものが使われているのである。ちなみにイオンで売っている刺身のパックの品書きをみると使われている添加物の名前が印刷してある。いまは大抵のスーパでも添加物の名前が印刷してある。
養殖物に関しては飼料の名前は書いていない。河豚の抗生物質使用は問題になったが、問題になっただけで使用が禁止された訳ではない。だいたい養殖や家畜の餌に抗生物質は欠くべかざる材料になっているのである。
しかし、タバコのようにうるさく言わないのは何故であろうか。
油を取ってみてもノルマルヘキサンを使い、醤油にしても脱脂加工大豆(ノルマルヘキサンで油を搾り取った大豆滓)を使っていながら、ほとんど反対運動は起こらない。
自動車の煤煙、タイヤの磨耗による粉塵はタバコの被害どころではないのである。
大衆は訳がわかって流れるのではなく、流れる方向へ流れる性質をもっている。
大衆心理は流れる前には制御しやすいが、一端流れてしまうと土石流と同じで制御しづらい。
禁煙運動などはこれに近い。いまタバコで死ぬよりも仕事に出てストレスが溜まり、精神病になり、鬱になり、自殺する方が数が増えている。しかし、仕事に行くなとは誰も言わない。安倍晋三は仕事を放り出して命を大事にした。そして命を大事にすることで批判されているのである。だから、世間では仕事に行くなとは誰も言わない。
タバコを買うな吸うなと人々は口を酸っぱくしているが、家を買うなとは誰も言わない。家を買ってローンが払えず死んでいく人の方がタバコで死ぬ人間よりも多いのである。
住宅ローンの焦げ付きで世界の株価が暴落したのはつい先日のことであり、いまもその問題がくすぶっている最中である。しかし、家を買うなとは誰も言わないのである。
CMでは不動産の宣伝は歌舞伎役者まで活発にやっているのである。
世の中を汚すのは人間であるが、その人間を生み出すセックスを新婚夫婦に対してやってはいけないとは誰も言わない。俺にもやらせろの世界なのである。
問題は女のヒステリーが男にも移ってしまったということである。
メス化する自然になっていることの方が恐ろしい。ちなみに私はタバコは吸わない。
1円で買える本
井口 泰泉 デボラ キャドバリー
集英社(1998-02)
定価 ¥ 2,100