曇り空の朝、最低気温は2.1℃から雲の隙間からの日差しもあり、ほんの一時
だけ二桁の10.1℃迄上がるが、日中は一桁台で冷たい風が吹き抜けている。
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奈良市中央公民館の奈良学セミナー「書は散なりー空海の書」お話は奈良市
在住の書家 日展会友「仁科 惠椒(にしな けいしょう)」さん
高知県四万十市での幼稚園の帰途、一人で一軒一軒書道の先生を尋ね歩き、
崖下の先生を見つけ書道を始められたと・・・すごい子供ですね。
話の最初は『書論』、平安末期の『夜鶴庭訓抄・やかくていきんしょう』藤原伊行
(世尊寺家6代目)により著された日本における現存最古の書論書からの話、
書道における「三聖」は、空海・菅原道真・小野道風
「三筆」は嵯峨天皇、橘逸勢(たちばなのはやなり)・空海
空海さんがどちらにも登場しています。
室町時代、日本書道史を体系的に論じた尊円法親王『入本抄・じゅぼくしょう 』、
入木とは中国の「書聖」と言われる「王羲之」が木に書いた字が気に入らず、
削れば墨跡として木に三分も染み込んでいた故事に由来し、日本の書は、書の
神とされていた空海の書風を受け継ぎ、中国の書を越えたと書かれていると。
次は『書体』、漢字の書体は五体で『篆書(てんしょ)・隷書(れいしょ)・?・行書・
草書・楷書』の順に完成し、楷書は唐の時代に完成したと。
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さて真ん中の?は約100年前の大谷探検隊の敦煙・トルファン文書の書体が
研究対象となり、この間を挿む書体ではないかという説も出てきている。
調べてみれば、龍谷大学図書館研究 113号から
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続いて『書は人なり』、良書は人を磨くことに繋がる。
空海15歳で「志学」として儒教を学ぶ、
18歳で大学明経科に入学し、行書を学ぶ
20歳、大学を中退
24歳で宗教的寓意小説 『三教指帰』、儒教と仏教の修行者から在家男性信者
「優婆塞・うばそく」になると。(この書体と中国から帰朝後の書体を比較する)
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32歳、中国に渡り青龍寺に恵果を訪ね、胎蔵界、金剛界、伝法阿闍梨の灌頂
33歳、帰朝し大宰府滞在中に『請来目録』を献上
36歳、入京し、嵯峨天皇に「世説」の屏風を書し献上する。『性霊集』著す。
後記する
38歳、『風信帖』を書く
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*上下運動を避け、平行移動で時間をかけて書かれており、真ん中を避け、
左右の間に隙間が広がり、右下に流れるような動きが絶妙です。
39歳、高雄山寺で金剛界灌頂を授け、『灌頂歴名』を書く
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さて本題の書は散なりは・・・『性霊集』14より
先人の字をなぞらえて書く「臨書」、
"書も古の意に擬するを以て善しとす。古の跡に似たるを以て巧みなりとせず
所以に古よりの能書百家體別なり。
字の塊→心を学び、心を開放させれば、
上手になり、感性が泡のように吹き出し、宇宙と一体化する。
だがなかなか難しいこと。
また自分を出さずその書かれた人の気持を感じ、我を削りに削って最後に真の
個性、書のエッセンスをつかむ。本質が大事だという考え方を示された。
例えば、書の展覧会で、個性的なものより、通り過ぎた作品からもう一度振り
返させる作品が良いもので、当たり前のものの中から醸し出す品格と。
続けて『書の本質』について
"六書の萃楚を折めて、八體の栄華を摘る。轉筆を鼑態に學むで、超翰を草聖
に擬ふ。山水を想っては・・・・・・”
*鼑態とは王羲之の事で、書の本質を述べ、文字の関係性
つまり上下と行間のことで、余白を生み出している。
さらに『性霊集』14より
"古人の筆論に云く『書は散なり』。 ただ結裹を以って能しとするに非ず。
必ず須らく心を境物に遊ばしめ、懐抱を散逸す。 法を四時に取り、形を万類
に象るべし。此を以て妙なりとす。
*つまり王羲之の書は個性的ではなく、当たり前の書で、古くて新しいもの
最後に空海さんの字で一番好きな字を紹介くださいました。
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今日で最終回だったNHK大河ドラマ『光るの君』の題字の素晴らしさを
かみしめています。
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さて奈良では今日15日から18日迄、春日大社「春日若宮おん祭」の中心行事
午後1時からの「大宿所詣(おおしゅくしょもうで)」が最初でした。
講演が終わり、猿沢池まで行けば、「采女神社」も門が開いていました。
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お参りをさせて頂きました。
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大宿所まで5分もかからず着くのだが、やはり人出が多く、早々に帰宅へ。