今回も以前訪れた区間の再訪である。雪解けと共に現地を歩いた。前回の記事を貼り付けておく。
信濃川発電所材料運搬線(姿ー鉢沢川付近) - ◯◯◯ですから。
信濃川の川の流れがここまで変わるほどの歴史の流れの中で、未だ残る材料運搬線の痕跡を追う信濃川発電所工事が決まり、材料運搬線などの準備工事から...
信濃川発電所材料運搬線(姿ー鉢沢川付近) - ◯◯◯ですから。
今回の再訪では、私は肩の力を抜いて「廃線跡」を楽しんだ。新たな発見と言えるものを見付けるつもりも無い。ただ、私はそこに軽便線が走っていたと感じながら、新緑と残雪の河岸段丘を散歩したかったのである。
宮中方から千手方へ向かって行く。ここは現役施設の敷地より数メートル高い位置に、いきなり切取りが現れる。路盤上には残雪がありつつ、頭上の新緑と青空が爽やかで気持ちが良い廃線跡だ。
軽便線が通される前までは、左手の山から右手の段丘崖まで連続した斜面だったろう様子が分かると思う。明らかに人工的な地形が残る。
窪地は盛土で越えていた。切取りがあったと思えば、盛土で抜ける区間もある。
穏やかな地形になっても、明らかな痕跡が続く。
農地に出ると、痕跡は消える。軽便線はこの写真の中心から奥の森の左手へと抜けていた。
宮中方へ振り返って、今まで歩いてきた切取りを眺める。こうして少し離れて見ることで、付近の景色に溶け込みつつもはっきりとした切取りの雰囲気を感じられる。
暗渠の上が軽便線の盛土だ。
通せんぼをするように倒木から再開する廃線跡である。
入口はあくまであやしいものの、少し進むだけで、盛土が続く景色がはっきりしてくる。
低い位置に雪が残っているおかげで、軽便線の盛土が浮き上がる。
良い、盛土だ。軽便線だ。
ちょっと盛土の下に降りて眺めてみる。森林鉄道跡なら盛土の上に軽便レールが残ってそうな期待を抱きそうな景色だ。
ゆるやかに右へカーブを描く。向こうから軽便機関車が貨車を引いてやって来そうだ。
盛土の一部では、信濃川電氣事務所らしい石積みが見られる。綺麗だ。
山側にも、石が続く区間がある。
間もなく、鉢沢川に至る。
宮中方へ振り返ると、山側の石積みが続いている様子が感動的だ。
現道から眺めると、まるで遊歩道として昭和中期~平成初期にかけて整備された施設の様にハッキリと道床を守る石積みが見て取れる。
森の中をカーブする盛土が綺麗だ。ここで鉢沢橋梁へ向けて登って行く軽便線をアウトカーブで撮りたい。
現道で戻る道すがら、歩いてきた廃線跡を眺める。自然に飲まれつつも、人工的な盛土が続く。間違いなく、軽便線の跡である。
石積みと花が印象的だった。