デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル(上)』『〃(下)』 David Brin "Kiln People" (2002年)
《あらすじ》近未来のアメリカ、新技術により複数の身体を持つことができる世界。人々は自分の記憶・魂を、特殊陶土でできた素体に複写し、その素体を陶窯(キルン)で焼成することで、ゴーレムと呼ばれる分身を生みだしている。ゴーレムの寿命は1日限りで、寿命がつきる前に本体である人間に記憶を併合する。そんな世界で私立探偵アルバート・モリスは、とある誘拐事件の捜査を依頼される……2003年のヒューゴー賞、ローカス賞、ジョン・W・キャンベル記念賞、アーサー・C・クラーク賞にノミネートの長編小説。
本屋の海外小説の単行本コーナーをのぞくと、なぜか文庫本が平積みに。カバーイラストが気に入り、帯の「ゴーレム探偵登場」「消えた博士を追え」というコピーに惹かれて手に取ってみると、その出だしに一気に引き込まれました。
探偵モリスの人間本体に、そのグリーンやグレー、エボニーのゴーレムたちという、同じ人物の複数の視点から一つの事件が描かれており、他の作品では味わったことのない感覚が読んでいて心地よいです。
また、マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』や、リチャード・モーガン『オルタード・カーボン』『ブロークン・エンジェル』も好きなので、未来を舞台にした私立探偵ものが好みなのかもしれません。どの作品も"クローン人間"的なものが題材なので、そういったものも好きなのかも。
そんなわけで、早くも今年一番なのではと思うくらい、この作品もとても面白かったです。こんな話がもっと読みたいのですが、著者の他の作品はちょっと違うタイプのものらしいので残念です。文庫にしてはちょっと値段が高いことだけが難点か。
キルン・ピープル 上:ハヤカワ・オンライン
キルン・ピープル 下:ハヤカワ・オンライン
David Brin's Official Web Site: Kiln People (sample chapters) 冒頭から第2章の出だしまで読めます(英語)
《あらすじ》近未来のアメリカ、新技術により複数の身体を持つことができる世界。人々は自分の記憶・魂を、特殊陶土でできた素体に複写し、その素体を陶窯(キルン)で焼成することで、ゴーレムと呼ばれる分身を生みだしている。ゴーレムの寿命は1日限りで、寿命がつきる前に本体である人間に記憶を併合する。そんな世界で私立探偵アルバート・モリスは、とある誘拐事件の捜査を依頼される……2003年のヒューゴー賞、ローカス賞、ジョン・W・キャンベル記念賞、アーサー・C・クラーク賞にノミネートの長編小説。
本屋の海外小説の単行本コーナーをのぞくと、なぜか文庫本が平積みに。カバーイラストが気に入り、帯の「ゴーレム探偵登場」「消えた博士を追え」というコピーに惹かれて手に取ってみると、その出だしに一気に引き込まれました。
探偵モリスの人間本体に、そのグリーンやグレー、エボニーのゴーレムたちという、同じ人物の複数の視点から一つの事件が描かれており、他の作品では味わったことのない感覚が読んでいて心地よいです。
また、マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』や、リチャード・モーガン『オルタード・カーボン』『ブロークン・エンジェル』も好きなので、未来を舞台にした私立探偵ものが好みなのかもしれません。どの作品も"クローン人間"的なものが題材なので、そういったものも好きなのかも。
そんなわけで、早くも今年一番なのではと思うくらい、この作品もとても面白かったです。こんな話がもっと読みたいのですが、著者の他の作品はちょっと違うタイプのものらしいので残念です。文庫にしてはちょっと値段が高いことだけが難点か。
キルン・ピープル 上:ハヤカワ・オンライン
キルン・ピープル 下:ハヤカワ・オンライン
David Brin's Official Web Site: Kiln People (sample chapters) 冒頭から第2章の出だしまで読めます(英語)