人生にはその時々で色々な事があります。チャンスがきたり、谷間に落ち込んだりします。しかし、人生の最後に「生まれてきて良かったなあ」と思えれば有りがたいことです。こうした人生の結末を迎えるにはそれなりの努力が必要です。私たち凡人は、人生の過程で何か良い事がないと良い人生だったと思いません。問題はこの「何か」とは具体的に何であるかです。多くの人は、この「何か」を世間的な地位や名誉と考えるかもしれません。あるいは財産と考える人もいるでしょう。私も一財産できればいいなあ思うこともあります。しかし、いくら苦労して財産を作っても、あの世まで持っていくわけにはいけません。また、地位肩書きといっても残念ながら「去るものは日々にうとし」で、その時、その場での配役にすぎないことを忘れてはなりません。地位も名誉も財産もみな大事でしょうが、人生の週末にそれがどれだけ慰めになるかです。そういった人生の「器」だけが立派で、生きていく「中身」はどうでも良いのではありません。いや中身の方が大切です。自分の生きていく一刻一刻が十分燃焼し、充実感を持って生きているかどうかです。いずれにしても完全燃焼した毎日が送れるような生き方をしたいものです。
そのためには、いくつかの条件があります。まず第一は、体力と気力です。このためには身体と精神を鍛えておかなければなりません。何か一つのスポーツに打ち込んでも良いでしょう。良い記録や成績を得るために頑張る事は、心身を鍛錬するのに大切な事です。もちろん良い記録や成績だけが目的であってはいけません。しかし、具体的な目標を設定しないと頑張ることが難しくなります。具体的な目標はあくまでも心身を鍛えるための手立ての一部です。同じように勉強に打ち込む事も精神の鍛錬のために役立ちます。この場合も具体的な目標としての成績とか、志望校への進学とかは、自らを鍛えるための手立てであるという意識を持つことが大切です。そうした限定がないまま目先の具体的な目標に縛られて頑張るだけでは、逆効果になることがあります。目先の具体的な目標を絶対視して、それを達成することだけが生き甲斐のようになってしまうと、それがスポーツであれ勉強であれ、長い眼でみた場合かえってその人をだめにしてしまいます。若いときに出した自分の大記録をいつまでも自慢するだけのスポーツ指導者とか、一流大学卒業ということを自慢したがるビジネスマンとか、そうした人が時に見られます。心身を鍛える上でもう一つ大切な事は、規則正しい生活です。規則正しい生活をしていると生活にも気持ちにも張りのある「リズム」ができてきます、このリズムが体力と気力を育てる事が出来るのです。
次に夢や意欲を持つことです。心に何か燃えるものがなくては元気が出ません。何かやろうとする気持ちがなくては宝の持ち腐れになってしまいます。また、夢や意欲は君達の内的必然性から出てくるものが必要です。内側から「勉強したい」「頑張らなくては」という気持ちが湧いてくるものでなくてはなりません。また、夢や意欲を持つようになるためには、物事を積極的、楽観的に見るような姿勢が大切です。現実の困難さばかりに目を向けるのではなく現実の中に潜む可能性の芽のようなものに着目すべきです。物事の暗い面ばかりを意識しているのでは気持ちが弾んできません。明るい面、可能性として考えられる面から物事を考えるようにしたいものです。現実が厳しいのは当然の前提です。そうした時に支えとなるのが夢であり、意欲です。夢や意欲をしっかりと育てていれば、現実の厳しさなど打ちつぶす事が出来るのです。
君たちはこれから長い人生を生きていかなければなりません。合氣道で体力と気力を育て夢と意欲を持てる精神を養っていきましょう。
教室案内 私のホームページ前橋市肢体不自由児者父母に会の14ページをまたはhttp://www2.ocn.ne.jp/~sa110/hubo_014.htm
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