散歩途中の見慣れた小学校の庭には、ケヤキ、樫、そしてポプラの大木がある。
中でも10数メートルもあろうかと思えるポプラの大木が揺れていた。
突然、男の耳に「登れ!登れ!」と言う声が聞こえ、右へ左へと手招きをした。
思わず目をとじると、故郷の小学校の庭が浮かんだ。
男は福島の 久米平市白岩町という町で中学校まで過ごしたが、この町はなぜかポプラの木が多くある地域であった。
当然、白岩小学校にも植えられていた。
当時、男の子たちは、そのポプラに登ることが楽しい遊びであり、より高く登ることを競ったりして遊んだ。あるものは、てっぺん近くまでのぼり手招きをする者もいた。
しかし、男は1メートルも登れず、いつも下から眺めるばかりの子供だった。
あれから30余年、それなりの苦労と努力を重ね、どうにか人並みの地位と家庭を築いた。
ポプラを前にして男の気持ちは高揚した、心のどこかに欠け落ちたものを拾えるような自分がいた。
「登ってやる!」
追記: 地元の地方紙に下記のような記事が載っていたので短編を書いて見ました。
参考記事:
酒に酔った?男性 ポプラ大木に登る
前橋の小学校はしご車出動
1日午後3時過ぎ、前橋市堤町の桂萱東小学校の校庭にある高さ20メートル余りのポプラの木に初老の男性が登り、はしご車が出動、1時間がかりで救助される騒ぎがあった。けがはなかった。
市消防局や前橋東署によると、男性は樹木の下から4分の3ほどまで登っていた。酒に酔っていたらしく、最初は降りるのを拒んでいた。消防車や救急車、パトカーなども10台以上出動した。
近くの男性は「驚いた。あんな場所に登って何がしたかったのだろう」と首をかしげていた。登った男性はポプラの枝ぶりを気にしていたという。
上毛新聞(平成23年10月2日付) 写真はその小学校で撮りました
「乗せてあげよう」
少年が少女を誘う。
二人は汗を出して長い傾斜を引いて上がった。
そこから滑り降りるのだ。――――――
橇(ソリ)はだんだん速力をます。マフラーがハタハタはためき始める。
風がビュービューと耳を過ぎる。
「僕は君を愛している」
ふと、少女はそんな囁きを風の中に聞いた。
胸がドキドキした。
しかし、速力が緩み、風のうなりが消え、なだらかに橇が止まるころには、それは空耳だったという疑惑が残った。
「どうだったい」
晴々とした少年の顔からは、彼女は孰(いず)れとも決めかねた。
「もう一度」
少女は確かめたいばかりに、また汗をかいて傾斜をのぼる。―――マフラーがはためき出した。
風がビュービュー唸って過ぎた。
胸がドキドキする。
「僕は君を愛している」
少女はため息をついた。
「どうだったい」
「もう一度!もう一度よ」
少女は悲しい声をだした。
今度こそ、今度こそ。しかし、何度試みても同じことだった。泣きそうになって少女は別れた。
そして永遠に。
―二人は離れ離れの町に住むようになり、離れ離れに結婚した。―
年老いても二人はその雪滑りを忘れなかった。
追記:年をとると昔の思い出が胸を突くものだ。
それは悔いの残る思いばかりだ。
昨日は恒例のクリスマス会を開催しました。(2時~5時)
私の挨拶の後、Tさんのサックス演奏をしてもらい始めました。
始めたばかりと言っていたがなかなかどうして上手いものでした。
このように、障害者でも音楽に趣味を持っている人は多いと思います。
何時か会で演奏会でも開催できればいいなと思っています。
出演者は障害者であれば会員だけでなく、誰でも!
ピアノ、サックス、笛、太鼓、歌、等なんでもよい!
やればできる!
そんな演奏会を開催したいものです。
追記: そのあと
仲間の何人かは、Gインホテルに宿泊体験訓練へ
私は、ある会の忘年会へ