車イスのある風景 

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2006年8月開始 福祉=前橋市肢体不自由児者父母の会等

掌編小説を書く

2014-10-26 16:18:01 | 小説

 3作目の掌編を書いて見ました。

    「思い出ビュービュー」

   1、のはなし

 「乗せてあげよう」

少年が少女を誘う。

二人は汗を流し長い傾斜を挽いて上がった。

そこから滑り降りるのだ。

橇(ソリ)はだんだん速力をます。

マフラーがハタハタはためき始める。

風がビュービューと耳を過ぎる。

「僕は君を愛してる」

ふと、少女はそんな囁きを風の中に聞いた。

胸がドキドキした。

しかし、速力が緩み、風の唸りが消え、なだらかに橇が止まるころには、それは空耳だったという疑惑が残った。

「どうだったい」

晴々とした少年の顔からは、少女はいずれとも決めかねた。

「もう一度」

少女は確かめたいばかりに、また汗をかいて傾斜を登る。

マフラーがはためきだした。

風がビュービュー唸って過ぎた。

胸がドキドキする。

「僕は君を・・・」

少女はため息をついた。

「どうだったい」

「もう一度!もう一度よ」

少女は悲しい声を出した。

今度こそ、今度こそ。しかし、何度試みても同じことだった。

泣きそうになって別れた。

そして永遠に。

 年老いても、二人は共にあの雪滑りを忘れなかった。

   2、のはなし

 台風が近づき海鳴りが聞こえる。

「帰れなくなったね」

「泊まってもいいのョ」

泳ぎつかれた民宿で、寝そべったまま、無表情に相槌をうつ。

大手デパートの着物売り場が勤務先の彼女。

「私、着物が好きなの」

「毎月、買うのが楽しみなの」

「お金持ちの人と結婚するの」

そんな彼女と一緒になれることを夢見た。

農家の長男で、家には毎日農作業に汗を流している両親がいる。

そんな自分には嫁がないだろう?

電線を揺らす風がビュービューと唸りをあげている。

「一緒になろうよ・・・・」

それを言うのがやっとだった。

「私、いや!」

「俺んち、お金はあるし、一生贅沢させてやれる自信があるんだ・・・・・・」

「優しいあなたは好きよ」

「でも、素直すぎるのよ」

プイと、背中を向けたまま黙ってしまう。

そして、何もない背中合わせの一夜。

そんな行動しかできない世間知らづの自分がいた。

風が電線をビュービュー鳴らす日は、慚愧の念がよみがえる。

 民宿での思いもかけない宿泊は、25歳の晩夏であった。

  3、のはなし

 散歩途中の見慣れた小学校の庭には、ケヤキと樫の大木、そしてポプラの大木がある。

中でも10数メートルもあろうポプラの木が揺れている。

突然、右へ左へと大きく揺れるポプラの木が手招きをする。

「登れ!登れ!」

思わず目を閉じると、故郷の小学校の庭が浮かんだ。

男は東北の町で中学校まで過ごしたが、なぜかポプラが多くある所だった。

当然、小学校にも植えられていた。

男の子たちは、そのポプラに登ることが楽しい遊びであり、より高く登ることを競って遊んだ。

ある者は、てっぺんまで登り手招きをする。

「ここまで来いよ」

「登れないのかよ?

しかし、男は1メートルも登れず、いつも下から眺めるばかりの子供だった。

あれから40余年、それなりの苦労と努力を重ね、どうにか人並みの地位と家庭を築いた。

ポプラを前にして男の気持ちは高揚した。

過ぎ去った記憶が刻々と近付いてきた。

心のどこかに欠け落ちたものを拾えるような自分が居た。

「登ってやる!

てっぺんから見た「ありあけの月」は穏やかで、ビュービューとあたる強い風も心地よく感じた。

 男は枝にしがみつきながら幸せに震えた。

以上、気軽に感想を頂けたらと思います。

その後の読書は、「そこへ行くな」井上荒野と「春遠からじ」北原亜以子でした

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図書館には置いてない

2014-10-20 17:25:41 | 小説

絲山秋子の「勤労感謝の日」「袋小路の男」と今井祥智の「夕焼けの国」を読む。

ところで、今井、灰谷健次郎、椋鳩十の本は児童文学だが大人の童話として十分に感動を与えてくれるので好きなのに我が町の図書館には置いてありません。

(灰谷さんのは「天国の瞳」一冊きり置いてない)

また、古い作家のものは皆無です。

井上光晴のものは無いが、娘?の井上荒野の作品は何冊も置かれている。

世代交代してしまっている。

乱読者としては何か物足りない!

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芋掘りの集い

2014-10-18 18:28:33 | 福祉

父母の会で組織してる「チャー夢」の会員を招待しました。

天気晴朗の中、サツマイモ堀をしました。

大きくなりすぎました。

来年はもっと遅く植えて、早く収穫せねばと後悔々。

幼稚園以来だ!はA君の話。

畑中は車イスが大変でした。

汗を一杯かきました。

これがみんなの顔でした。

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流山おおたかの森駅から

2014-10-13 15:13:36 | 旅行記

流山は、赤城山の大洪水で崩れた土塊が流れ着いて小山が出来たことから「流山」との地名が付いたと観光協会のサイトに書いてあった。

おおたかの森駅から6時に「成顕寺」まで歩いた。

(道が分からず30分かかったよ)

11日には流山人形供養会がここであった。

今朝は静かな境内でした。

Bennzai 弁財天のお寺です。

Cimg0082saku 入口の農家?に桜(冬桜にしても早い?)が咲いてました。

近くの柏市の中華屋でパイコー麺と特製マーボー豆腐を戴きました。

Cimg0079maa

台風が近づき雨模様なので、前橋へ帰路とあいなりました。

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ここ数日は

2014-10-05 18:48:15 | 小説

恒例の「ふれあいスポーツ大会」に参加した。

今年は、市民体育館が改修のため「宮城体育館」で開催されました。

29日から水稲のコンバイン作業、平乾作業で、4日は自宅の稲刈りも終了。

ほっ!とした気持ちで参加できました。

ここ数日に読んだ本

ちょうちんのそで 江國香織

国定忠治     津本陽

図書館の魔女  高田大介(上巻652ページ、下巻805ページの読み応え)

 317ページに将棋を通信対局したとあるが、この時代にある訳がないだろう?

わらの人  山本甲士 (ALWAYS三丁目の夕日を書いた人で面白かった)

牧歌    今江祥智 (教師をした人の先生の物語でこれも面白かった)

沖で待つ   絲山秋子 (芥川賞受賞作でした、2か月前にひょんな事で家に訪れたことがあったので読んでみた)

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