190cmの高身長が目立つ、元弁護士の私立探偵・須賀大河の元に、ある日、学生時代の友人で現在は有名IT「ZQ」の社長の春山遼太郎から、社内に貼り出された会社を誹謗中傷する怪文書の調査依頼が舞い込む。中傷はやがて大金を要求する脅迫に発展。大河は春山の秘書伊佐美真梨やハッカーの友人真野由祐子の協力で犯人に罠を仕掛けるが・・・。脅迫者は一体誰なのか?その後春山を恨んでいた社員の国岡が死んだりして、事件は複雑さを増していくが、脅迫が落ち着き、春山に調査打ち切りを言われるも須賀は好奇心で続け、衝撃的な真実を知るのだが内容が大雑把で薄い。登場する女性たちの方が個性豊かで面白いのだが探偵自身の魅力に欠ける。「仕事はスピードが命だ。速くやっておけばミスを見つける時間ができる。同じ仕事を1時間かけてゆっくりやっても、30分で慌てても、結果的にミスの発生率は変わらないー米の大学の研究結果だ。」(P42)「好奇心がなくなったら、人間、終わりだから」P164)「代表者が定期的に交代しても、きちんと利益を出して存続する会社。会社という抽象的な存在が人格を持つようになる。・・・創業者が必死にならなくても存続するよ」(P367)「考えることをやめてはいけない。答えのない疑問を徹底して掘り下げることこそ、今の私に課せられた義務なのだ。」(P376)
2023年9月早川書房刊
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