読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

中島桃果子著「蝶番(ちょうつがい)」

2009-03-29 | な行
第4回(2008年)新潮エンターテインメント大賞受賞作 。
この賞は「わからないもの、としての人間がちゃんといて、瑞々しく、ときに鋭く、切り込んでくる」と
作家の江國香織氏が1人で選考した文芸賞らしい。
東京に今年三度目の雪が降った日、意味不明のメモを残して
四姉妹の長女・艶子は家出した。
妹たちの語りと姉の残した日記から浮かび上がってくる心模様、四人それぞれの
息苦しさと生きにくさの人間模様。
家族との蝶番の留め金をはずすときとは、自立を模索し始めるとき。
若い4姉妹がそれぞれ就職や留学、恋と失恋などいろいろなことを経験しながら
父と母、家族とのバランスのよい関係を新たに構築していく過程の物語。
新たな関係のはじまり。
4人の揺れる心情も細かく描かれているが3人の妹の視点が入れ替わって時間も
過去に飛んだり戻ったり家族以外の人間関係も解りにくく読み難い文章に途中で
読み続けるのに息苦しいさを感じた。
女性向け作品です。
結局人間は一人では生きられないし家族との縁も切りがたい。
『誰かと生きていくしかないのだから、鬱陶しくも愛しいことに。』
『釜炒り茶の一煎目は丸い。  二煎目は少し尖って。  三煎目はドルチェ。』(本分より)
2009年01月 新潮社刊

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