読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

樋口有介著「捨て猫という名前の猫」

2010-11-14 | は行
元刑事でフリーライターの柚木草平シリーズ。
ぶっきらぼうな若い女の声で「秋川瑠璃は自殺じゃない。そのことを柚木草平に調べさせろ」、
月刊EYES編集部の小高直海が受けた一本の電話。
タレこみが本当ならスクープだと焚きつける小高に押し切られ調査を開始したところ、確かに自殺と片付けるにはどうにも何かがひっかかる事件が。
その事件とは、女子中学生が三軒茶屋の雑居ビルから飛び降りたものだった。
道を歩けば芸能スカウトが寄ってくるほどの美少女が、なぜ寂しい雑居ビルの屋上に向かったのか?
亡くなった少女の母親、彼女が通っていた原宿のアクセサリーショップの経営者など、
女好きの柚木が訪ねたところには何故か美女ばかり登場だが、柚木草平は鋭い推理を巡らせ
元刑事の人間関係を駆使して真実を追う。
シリーズ物らしいが初めて読む作品、別れて暮らす小学生の娘の加奈子との関係など父親としての
戸惑いを見せる反面、主人公が軽妙な語りで美女の人たちを相手に気障なセリフを吐きまくる
ユーモアのあるキャラが面白く魅力的で何故か惹きつけられたミステリー小説でした。
IT長者やロリコン趣味、不安定な景気の世相を織り込みリアル感展開も好感が持てた。

2009年3月東京創元社刊

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