読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

森沢明夫著「本が紡いだ五つの奇跡」

2022-03-20 | ま行
仕事がなかなかうまくいかない女性編集者の最後のチャレンジで実現した新作小説。それは小説家の涼元マサミが書き上げた、知性と優しさ、遊び心と友情、飛びぬけた行動力を武器に理不尽や不条理に立ち向かっていく少女の物語。その小説が人々を、気持ちを奇跡のように紡いでいく。本が生まれて、読者へとつながる。第一話 編集者・津山奈緒の章から、小説家・涼元マサミ、デザイナー・青山哲也、 書店員・白川心美、読者・唐田一成の章まで本に関わった五人の奇跡のオムニバス物語。立場や環境の違いがあれども、それぞれの人たちの本に対する温かな気持ちは伝わってくる。多くの人間が感銘を受け影響され、新たな行動を起こし、縁を紡いでいく。そんな素敵な感動物語でした。いろいろ気になったセリフを記録します。「いつでも、何があっても、君は一人じゃない。たとえ、大切な人と会えなくなる日が来たとしても、心はちゃんと寄り添っているし、想いは君とつながっている」(P155) 
「わたしの人生は、雨宿りをする場所じゃない。土砂降りのなかに飛び込んで、ずぶ濡れを楽しみながら、思い切り遊ぶ場所なんだよ。あなただって、本当はそうしたいんでしょ?」(P223)
「あなたは、つながっているから大丈夫。だから安心して。思い切って、あなたらしく生きてね」(P234)
「人生の選択肢には正解なんてないけど、でも、いつか、その選択が正解だったって、胸を張れるように生きること。そういう生き方こそがきっと正解なんだってさ。」(P302)「若い頃ってのは、迷いに迷うのが正解なんだよ。ああでもなかった、こうでもなかった、次はこうしてみようって、なるべくたくさんの失敗と修正を繰り返すんだ。そうやってきた奴だけが、いずれ経験豊富な頼り甲斐のある大人になれるんだからな」(P304)
「過去を大切にすることも大事だけれど、いまと未来を大切にしないと、いつかそのかこまで否定することになるよ」(P336)
2021年9月講談社刊


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