読書備忘録

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東野圭吾著「魔女と過ごした七日間」

2024-11-10 | 東野圭吾
「ラプラスの魔女」シリーズ第3弾。AIによる監視システムが強化された近未来の日本。指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事月沢克司が殺された。「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」不思議な女性・羽原円華に導かれ、父を亡くした中学3年月沢陸真少年の冒険が始まる。陸真は、日課となっている図書館通いで、ある日不思議な女性と遭遇する。突然降り出した雨で傘が無く困っている陸真に、その女性は「この雨は、何分後に一旦やんで、何分後に降りだして、何分後にまたやむ」と分単位で言い当てた。それは、天気の予報と言うより、むしろ予言と言っていいほど正確だった。陸真は、その予言とも言える言葉に救われて、雨に濡れることなく図書館から帰宅することができたのだった。そして、陸真はその不思議な力を持つ女性と再会。そのきっかけとなったのが、陸真の父の遺体が多摩川で発見されたことだった。父は警備会社で働いていた。克司は「ちょっと用ができて帰りが遅くなる。」と陸真に電話で伝えたあと、そのまま帰らぬ人となったのだ。月沢克司の死は事件性が高いと警察は判断し、犯行現場の特定のために遺体発見現場の周辺を捜索するも、なかなか犯行現場を特定することができなかった。それは警察の捜索範囲が見当違いだったからだが、そんな警察を出し抜いて、正確な事件現場を探し出したのが、その不思議な力を持つ女性・羽原円華だった。今回のテーマは、AIによる監視社会やDNA鑑定による捜査、個人情報管理、エクスチェッド(特殊な才能と発達障害をもって生まれた子供たち)。中国の現状況や防犯カメラ社会やマイナンバーカードも運用次第ではある意味怖い。中学生2人の友情と成長の物語でもあり前作よりも今回はおもしろかった。
2023年3月角川書店刊



乳岩峽

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