読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

深沢潮著「ひとかどの父へ」

2016-03-18 | は行
母子家庭で育ったので家には父の写真が一枚もなく、おぼろげな記憶の中で幼い朋美を膝に抱いてくれた父は、煙草の臭いがして、顎に大きなほくろがあった。
父のことを思うと、身体の軸が緩んでしまうような心もとない気持ちになる。
立派な父だったと聞かされて育ったある日父の正体を知って動揺する。幼くして生き別れた、その憧れの父が、
在日朝鮮人でしかも公安に目をつけられていた北朝鮮工作員疑惑も・・・衝撃を受けた朋美は
・・・各章ごとに主役が変わり時系列が行ったり来たり母だったり従妹の幸子だったり、
子供のころの朋美、大人になった朋美の章と時代を前後しながらは読みにくかった生い立ちから
「愛せない自分」と向き合う女性を描いてはいて感動はあるが結局今が幸せならそれが何だったの?
在日2世で帰化の著者の心情を書いたような物語。
北朝鮮帰国事情の場面は新鮮だった。
2015年4月朝日新聞手出版刊

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