プロローグを読むと1995年に起きた八王子スーパー強盗殺人事件、3人が射殺されて未解決の事件をモデルにした小説だと気付かせる。強盗殺人事件ではあるが、実は保険金殺人を誤魔化すための犯行であったという設定のようだ。警視庁捜査一課の刑事・日向直幸は多摩川河川敷で起きた発砲事件の捜査を命じられる。使用された拳銃の線条痕が、22年前の「スーパーいちまつ三好店強盗殺人事件」で使用された拳銃と一致したのだ。日向尚幸はDVで絶縁し家庭を崩壊させた元鬼刑事の父親が捜査を担当した〝因縁の事件〟に対峙することなる。元刑事の父親と確執を繰り返しながら解決していくストーリー。途中時々思い出として挿入される過去に父親が主人公とその母親におこなってきた凄惨なDVの話は滅入る。なぜここまでになったかが詳しく書かれていない為解りにくいのが難点。バイオレンスミステリーだが後半失速しリアリティが感じられず残念だったが真相の仮説としては面白かった。。
2021年1月双葉社刊
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