1974年10月14日―「日本の夢が終わった日」。長嶋茂雄引退試合と、三井物産爆破事件が同時に起きたその日、過激派狼グループの次代の「エース」だった・下山英二が突然、失踪した。42年後学生運動の元闘士らしき主人公下山が過去の自分に清算を図るべく静岡から42年ぶりに上京するところから始まる・・・。当時共にシンパとして資金援助していた当時の仲間たち、下山を追う元公安刑事、下山が恋し愛した女、下山と決別した弟。もう二度と会うはずのなかった男女が、42年ぶりに再会した時、最後に見たものは、絶望か?希望か?・・・読んでいて主人公の考え方や行動にイライラしながら感情移入出来ず読み進めた。展開はゆっくりだ、最後のどんでん返しに仕掛けは感じたが、それはひっくり返したことより、さらにイライラを加速させるためのものでしかなかったのだが残念。「Gは永遠に不滅です」と長島が引退した日2022年の今からなら48年前自分は何をしていただろうとその後の自分の人生と重ねわせて読んだのだが・・・。阪神淡路・東日本大震災、オウム事件、米同時テロ、大きな出来事があまりにも多すぎた感のほうがあるかも。
2016年10月河出書房新社
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