ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

IGZOのいいところなど

2012-12-04 07:55:31 | Weblog
なにがいいのか簡単に…
素子が小さくなるので開口率がアップする。すると画面は明るくなる。
通常は高精細にすると配線と制御TFT素子のサイズが気になる。
配線は基本的にブラックマトリクスの下に隠すのであまり目立たない。しかし、素子は隠しきれない。
なので画素をよく見ると長方形ではないことがわかる。角がかけているのだ。この欠けが小さい程開口率が大きくなる。

動画と静止画を切り替えた表示
静止画の画面切り替え頻度を落とす。これで画面の消費電力が低下する。可能なら部分切り替えをしたいところだ。
TFT液晶の画面は映画に近い。画面を逐次切り替えている。そして画面を切り替える瞬間に電気が流れる。
動画はそれでいい。切り替え頻度が70Hzとかそのへんだ。そんなものだ。もっと速く切り替えても良い。その方が滑らかになる。
ただし切り替え頻度が上がるので消費電力は悪くなる。
静止画の場合、切り替える必要は無いと言いたい所だが、ある程度の頻度で切り替えなければならない。
その理由は大きく二つある。

第一は液晶の分解防止だ。

液晶に印可する電圧の向きを切り替えて交流印加にすることが必要。
これは例え数Vでも液晶に直流印加すると液晶材料の分解が生じるからだ。それを避けるため印加電圧の向きを換える。

もう一つはフリッカーだ。

画面切替までの期間、液晶に印加する電圧を保持するためのコンデンサがある。液晶に電圧を供給するコンデンサと言ってもよい。
このコンデンサから電圧を供給するかどうかを各画素のTFT素子がスイッチングするのだが、このTFT素子を通じた電流が流れる。
これを漏れ電流というのだが、IGZO素子は漏れ電流が少ない。
漏れ電流が少ないので電圧供給コンデンサの電界は液晶素子にのみ供給される。
漏れ電流が多くなると液晶素子に印可されていた電界がTFT素子を通じて失われるので、液晶への印加電圧が低下する。
液晶への印加電圧が低下するとその画素のコントラストが下がる。すると画面がちらついた様に見える。これをフリッカーという。


実際にどこまで低周波数駆動が出来るのかってのが画面切替消費電力低減に結びつく。
CRTの画面切替周波数70Hzは、人がそのちらつきを感じないレベルだ。だから画面切替周波数はこの辺で決められている。
しかし、液晶の場合はCRTの様に画素が一瞬光って徐々に消えて行く残像を見るのではなく、シャッターが開いたままなのでバラツキがあると目立つ。
液晶表示素子はそういうフリッカー以外に直流で電気分解しにくい液晶材料、界面に溜まった電荷をすぐに除去する何かの開発が必要だ。
このへんは材料技術。IGZOの高移動度をもっと上げる事も必要。

もう一つの技術は「部分駆動」
これは静止画像の一部が動画にした場合、その動画部分だけを高周波数で駆動して滑らかに表示し、その他の静止部は低周波駆動にするというやりかた。
この技術の難しい所は画面のどこがアクティブなのかを先回りしておくことだ。

例えば文書作成であれば、インラインの文字がアクティブになるのだがメニューとかは静止画像で良い。
一方、ウィンドウ内部をスクロールした場合はウィンドウ全体をアクティブにする必要がある。
しかもパソコンなら他の画面で動画再生ってこともあるし、いきなりポップアップウィンドウが開く事もある。
このあたり、OSというか画像処理と兼ね合わせる必要がある。

上記の技術が進むとE-inkを用いた電子ブックの部分書き換えにも繋がる。
E-inkの欠点は動画対応とカラー化が困難な事だ。テキストだけなら新聞と同じく白黒で良いのだが、そうも言えない。
電子辞書に使われない理由もそこにある。
Jetbookというものもあるがこのイラストにだまされてはいけないと思う。
本家サイトはココ
なお、かなり暗い。これは3原色の原理でどうしようもない


電子ブックに関する緒言はこの辺も参考に。


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