2016年秋期のアニメは不作だという記事がネットに流れているが、個人的には必ずしもそんなことはないと思っている。今回はその中で私が推す1本、『魔法少女育成計画(まほいく)』について書こう。
『まほいく』はソーシャル・ゲーム「まほいく」でプレイしていた姫河小雪が突然、現実世界に現れた「まほいく」のマスコットキャラ、ファヴから本物の魔法少女に選ばれたことを告げられる。その言葉に戸惑いながらも、ずっと魔法少女に憧れていた小雪はそれを受け入れ、世のため人のため正義のために尽くしたいと魔法少女スノーホワイトとなる。
実はファヴから指名されて本物の魔法少女になったプレイヤーは小雪1人ではなく、彼女の他に既に14人の魔法少女がいて、しかも新人スノーホワイトの教育係ラ・ピュセルは、小雪の幼なじみの少年だった(彼は現実世界では男だが、魔法少女として活動していた)。
魔法少女は良い行いをするとその内容に応じてマジカルキャンディが与えられることになっている。現実世界でも知り合いだったスノーホワイトとラ・ピュセルはコンビを組んで活動に邁進し、誰よりも多くのマジカルキャンディを獲得するようになるのだが、そこにファヴが一方的に、今度16人目の魔法少女が入ってくるが魔法少女が増えすぎてしまったため半分に減らすことにした、と言ってくる。毎週1人、その週に獲得したマジカルキャンディが一番少なかった者を脱落させる、と。
最初はそのファヴの言葉を軽く聞き流していた魔法少女たちだったが、最初の脱落者が出て、魔法少女から脱落すると本体である人間の体も死んでしまうと知った彼女たちは一気に色めき立つ。一番マジカルキャンディを貯め込んでいるスノーホワイトとラ・ピュセルを襲い、キャンディを奪うことを企てたグループもいたが、いつしか状況は魔法少女同士の直接の殺し合いへと変わっていく。
──という、まるで『まど☆マギ』+『ぼくらの』のような物語。『まほいく』で『まど☆マギ』のキュウべえに当たるのがファヴだ。「○○だポン」と普段は語尾に「ポン」をつけて話すのだが、時々その「ポン」をつけ忘れることがあり、キャラを意図的に作っていることがわかる。そして魔法少女の選定についても、最初からこういう凄惨な状況になるように本来、魔法少女となるにふさわしくない人間を意図的に加えていたフシがあり、キュウべえ以上にゲスいヤツ。
元々ラノベが原作みたいで、アニメもキャラデザは萌え系だけど、実はかなりシビアでエグい話。でも私はこういうエグい話が大好きなんだよ。
さて、魔法少女たちが次々に脱落していく中、ファヴは彼女たちを更に追い込むような動きに出る。ファヴの狙いは、そして彼女たちが最後に行き着くところは?
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