私が通っていた鍼灸学校には、毎年「体験治療」という必修科目(?)があった。そのココロは、「これから鍼灸師になろう、という人が、自分自身は治療を受けたことがないというのはおかしい。だから、自分の体で実際の治療を体験してこい」というのが理由らしい。そして私がこの「体験治療」で最も強烈に感じたのが、「こんな治療でも、プロを名乗ってていいンだ」ということだった。
腰の違和感があった時、経絡治療をやっている治療院に行った。その先生は経絡治療の世界では結構名の知られた人らしく、私が体験治療に来たということで、何人かの弟子を集めて詳しい説明付きで治療をしてくれた。
さすがに経絡治療家らしく、丹念に脈診を行い(※経絡治療では、脈診を最も重視する)、「ウン、脈が整った。今日はこれで帰っていいよ」と言われて治療院をあとにしたのだが、肝心の腰の具合が全く変わっていない。しばらくすると変わるのかと思い、何日か様子を見たが、全く変わらなかった。
そう言えば、腰が主訴だったにも関わらず、その先生は脈ばかり診て、腰をほとんど(あるいは全く)診てくれてなかった。
上とは時期が異なるが、やはり腰に違和感があって、カイロプラクティックと鍼灸を併用している治療院に行った。その先生はアメリカの大学でカイロを学び、D.C.(※Doctor of Chiropractic。アメリカの国家資格)を持っていて、日本でも専門書を何冊も出しているが、物腰は柔らかく、偉そうではない。
治療では腰まわりを中心に整形外科テストを行って、骨盤が歪んでいる、と指摘。かなり時間をかけて体全体をもんだあとボキボキと矯正し、「はい、これでいいですよ」と帰された。が、腰の具合は変わらず終い。
家に帰って、自分で骨盤の状態を調べたら、歪みは治っていなかった。仕方がないので、自分でブロックを使って矯正したら、違和感も消えた。
先生たちの名誉のために付け加えれば、
・私は特に重い症状を抱えて治療を受けたわけではない。
・「体験治療」として来たことを、先生も承知している。
・治療は1度しか受けていないので、その後も継続的に受け続ければ、大きな変化があったかもしれない。
・以前、カイロの学校に行っていた時、そこの講師の先生から「君は治りづらい体をしている」と指摘されたことがある。
しかし、それを割り引いても、「?」という治療だった。そして、「ああ、こんな治療してても、大家として通用する世界なんだ」という失望と同時に、「あの程度で大家なら、簡単に追い越せそうだ」とも感じ、それが私に開業してやっていく勇気を与えてくれた。「体験治療」には感謝している。
ただ…
神田で中国人の先生がやっている鍼灸院は、予約の電話の応対もぞんざいで、全く期待していなかった。疲労感があったくらいで、特に治療をお願いするところもなかったせいもある。行ったのは、「体験治療」のノルマを果たすためだった。
先生は日本語はほとんど普通に話せるが、こちらから何か質問でもしなければ、黙々と治療しているタイプ。治療も特に変わった手法らしきものもなく、終わったあと、何かパッとしない治療だったなと思いながら、治療院をあとにした。
が、次の日、いくつもあった口内炎がすっかり消えていた。実は、口内炎があることは問診でも言っていなかったのだが…やはり、凄い治療家はいたのである。
腰の違和感があった時、経絡治療をやっている治療院に行った。その先生は経絡治療の世界では結構名の知られた人らしく、私が体験治療に来たということで、何人かの弟子を集めて詳しい説明付きで治療をしてくれた。
さすがに経絡治療家らしく、丹念に脈診を行い(※経絡治療では、脈診を最も重視する)、「ウン、脈が整った。今日はこれで帰っていいよ」と言われて治療院をあとにしたのだが、肝心の腰の具合が全く変わっていない。しばらくすると変わるのかと思い、何日か様子を見たが、全く変わらなかった。
そう言えば、腰が主訴だったにも関わらず、その先生は脈ばかり診て、腰をほとんど(あるいは全く)診てくれてなかった。
上とは時期が異なるが、やはり腰に違和感があって、カイロプラクティックと鍼灸を併用している治療院に行った。その先生はアメリカの大学でカイロを学び、D.C.(※Doctor of Chiropractic。アメリカの国家資格)を持っていて、日本でも専門書を何冊も出しているが、物腰は柔らかく、偉そうではない。
治療では腰まわりを中心に整形外科テストを行って、骨盤が歪んでいる、と指摘。かなり時間をかけて体全体をもんだあとボキボキと矯正し、「はい、これでいいですよ」と帰された。が、腰の具合は変わらず終い。
家に帰って、自分で骨盤の状態を調べたら、歪みは治っていなかった。仕方がないので、自分でブロックを使って矯正したら、違和感も消えた。
先生たちの名誉のために付け加えれば、
・私は特に重い症状を抱えて治療を受けたわけではない。
・「体験治療」として来たことを、先生も承知している。
・治療は1度しか受けていないので、その後も継続的に受け続ければ、大きな変化があったかもしれない。
・以前、カイロの学校に行っていた時、そこの講師の先生から「君は治りづらい体をしている」と指摘されたことがある。
しかし、それを割り引いても、「?」という治療だった。そして、「ああ、こんな治療してても、大家として通用する世界なんだ」という失望と同時に、「あの程度で大家なら、簡単に追い越せそうだ」とも感じ、それが私に開業してやっていく勇気を与えてくれた。「体験治療」には感謝している。
ただ…
神田で中国人の先生がやっている鍼灸院は、予約の電話の応対もぞんざいで、全く期待していなかった。疲労感があったくらいで、特に治療をお願いするところもなかったせいもある。行ったのは、「体験治療」のノルマを果たすためだった。
先生は日本語はほとんど普通に話せるが、こちらから何か質問でもしなければ、黙々と治療しているタイプ。治療も特に変わった手法らしきものもなく、終わったあと、何かパッとしない治療だったなと思いながら、治療院をあとにした。
が、次の日、いくつもあった口内炎がすっかり消えていた。実は、口内炎があることは問診でも言っていなかったのだが…やはり、凄い治療家はいたのである。
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