最近、カイロプラクティック関係で検索していて、PCRTという言葉にぶつかることが多くなった。何やら新しい治療法らしい。何だろうと思って調べてみたら、心身条件反射療法(ニューロ・パターン・セラピー)というものであることがわかった。
開発者は保井志之(やすい ゆきのぶ)D.C.という人。鍼灸師でもあり、臨床の傍らアクティベータ・メソッド日本支部の代表としてAMCTセミナーを開催し、その後、心身条件反射療法を体系化した、と自身のHPのプロフィールには書いている。
で、そのPCRTとは何かだが、保井D.C.かPCRT事務局が作成したと覚しき詳しい説明文とflashによる画像があるので、そちらをご覧いただきたい(ちなみに、このflashによる説明はとてもよくできていると思う。私も見習いたいものだ)が、かいつまんで言うと──
さまざまな身体症状の多くは、肉体的な問題に起因するのではなく、本質的には精神的ストレスによる心身の適応障害である、というのが基本的な考え方。そこで、その原因となっているストレスを割り出し(そのためのツールとしては、下肢長検査などを用いる)、そのストレス負荷をかけた状態で、主にアクティベータによる刺激を与えることで、ストレスによる条件付けを断ち切る。
──というもの…って、要するにウチがやってる治療そのものじゃん(検査に下肢長じゃなくキネシオロジーの筋肉反応テストを使ってることと、治療ではアクティベータをあまり使わないことを除けば)。
そうか、オイラは知らないうちにPCRTとやらをやっていたらしい。じゃ、HPに「ウチもPCRTやってまーす」と書いてもいいのだろうか。セミナーも受けてないのに…。で、特許庁のデータベースを調べたところ、心身条件反射療法もPCRTも商法登録されていないので、結論から言うと、少なくとも法的には多分問題ない。ただ、事務局なんてものを持っているくらいだから、勝手にHPなどに「ウチもPCRTやってまーす」なんて書いていると、警告メールくらいは来るかもしれない。ま、書かないけど。
それにしても、こんな一部の治療家にとっては当然のようなものでも、それに科学的な説明を加えて体系化し、カッコイイ名前を付ければ、新しい診断・治療システムみたいにパッケージ化して商品にできるのか。なるほどねー。
そう言えば、会社員時代、私はある電機メーカの子会社の開発部にいたのだが、そこでは特許出願のノルマがあった。年に何回か「特許まとめの会」という会議が開かれる。そこで各人が出願する特許のネタを探すのだが、ネタが出てこないと課長から「1年も開発をやってきて『特許が出せません』なんてのは、『私はこの1年何もしてませんでした』と言ってるのと同じだッ」なんて怒られるコワーイ会議だ。で、そんなところに12年も在職したので、私も十数件の特許を出願している(今も特許庁のHPからデータベースを検索すれば、見つけることができる)。
会社員になる前は、特許とか発明って「とっても凄いもの」という感覚があったが、いざ自分が特許を出す立場になってみると、特許とか発明って実はその大半は「とってもショボイもの」であることがわかった。出願に当たっては、既存のものとバッティングしているとダメなので特許公報もずいぶん調べたが、出願されているもののほとんどは、既存のものにほんのちょっと手を加えただけのもので、「苦し紛れに出しました」ということがありありとわかる。そんなものが特許になってしまうんだ、というのは、ちょっと驚きだった。
しかし考えてみれば、よほどの天才でもない限り、これまで全く存在していなかったものを新規に考案する、などということはまず無理なのであって、ほとんどの「新しいもの」とは「既存のものを上手にコラボレートしたもの」に過ぎない。あとは「何と何をどうコラボレートするか」だ。ましてや人の体なんてものは基本的に数千年変わってないのだから、そもそも「本当の意味で新しい治療法」なんてものが存在するはずもない(「これは私の全くのオリジナルだ」なんてトンマなことを言っている人もいるけれど)。そういう意味で、以前ある患者にフォーカシングの原理を説明した時、その人が言った「それは禅の瞑想テクニックとそっくりだ」という言葉が今も印象に残っている。
そう、必要なのはオリジナリティじゃない。コラボレートし、コーディネートすることだ。そうすれば「新し」そうに見えるものをいくらでも生み出すことができる。そのことが改めてわかったことが、この話の一応の結論ということになるだろうか。
開発者は保井志之(やすい ゆきのぶ)D.C.という人。鍼灸師でもあり、臨床の傍らアクティベータ・メソッド日本支部の代表としてAMCTセミナーを開催し、その後、心身条件反射療法を体系化した、と自身のHPのプロフィールには書いている。
で、そのPCRTとは何かだが、保井D.C.かPCRT事務局が作成したと覚しき詳しい説明文とflashによる画像があるので、そちらをご覧いただきたい(ちなみに、このflashによる説明はとてもよくできていると思う。私も見習いたいものだ)が、かいつまんで言うと──
さまざまな身体症状の多くは、肉体的な問題に起因するのではなく、本質的には精神的ストレスによる心身の適応障害である、というのが基本的な考え方。そこで、その原因となっているストレスを割り出し(そのためのツールとしては、下肢長検査などを用いる)、そのストレス負荷をかけた状態で、主にアクティベータによる刺激を与えることで、ストレスによる条件付けを断ち切る。
──というもの…って、要するにウチがやってる治療そのものじゃん(検査に下肢長じゃなくキネシオロジーの筋肉反応テストを使ってることと、治療ではアクティベータをあまり使わないことを除けば)。
そうか、オイラは知らないうちにPCRTとやらをやっていたらしい。じゃ、HPに「ウチもPCRTやってまーす」と書いてもいいのだろうか。セミナーも受けてないのに…。で、特許庁のデータベースを調べたところ、心身条件反射療法もPCRTも商法登録されていないので、結論から言うと、少なくとも法的には多分問題ない。ただ、事務局なんてものを持っているくらいだから、勝手にHPなどに「ウチもPCRTやってまーす」なんて書いていると、警告メールくらいは来るかもしれない。ま、書かないけど。
それにしても、こんな一部の治療家にとっては当然のようなものでも、それに科学的な説明を加えて体系化し、カッコイイ名前を付ければ、新しい診断・治療システムみたいにパッケージ化して商品にできるのか。なるほどねー。
そう言えば、会社員時代、私はある電機メーカの子会社の開発部にいたのだが、そこでは特許出願のノルマがあった。年に何回か「特許まとめの会」という会議が開かれる。そこで各人が出願する特許のネタを探すのだが、ネタが出てこないと課長から「1年も開発をやってきて『特許が出せません』なんてのは、『私はこの1年何もしてませんでした』と言ってるのと同じだッ」なんて怒られるコワーイ会議だ。で、そんなところに12年も在職したので、私も十数件の特許を出願している(今も特許庁のHPからデータベースを検索すれば、見つけることができる)。
会社員になる前は、特許とか発明って「とっても凄いもの」という感覚があったが、いざ自分が特許を出す立場になってみると、特許とか発明って実はその大半は「とってもショボイもの」であることがわかった。出願に当たっては、既存のものとバッティングしているとダメなので特許公報もずいぶん調べたが、出願されているもののほとんどは、既存のものにほんのちょっと手を加えただけのもので、「苦し紛れに出しました」ということがありありとわかる。そんなものが特許になってしまうんだ、というのは、ちょっと驚きだった。
しかし考えてみれば、よほどの天才でもない限り、これまで全く存在していなかったものを新規に考案する、などということはまず無理なのであって、ほとんどの「新しいもの」とは「既存のものを上手にコラボレートしたもの」に過ぎない。あとは「何と何をどうコラボレートするか」だ。ましてや人の体なんてものは基本的に数千年変わってないのだから、そもそも「本当の意味で新しい治療法」なんてものが存在するはずもない(「これは私の全くのオリジナルだ」なんてトンマなことを言っている人もいるけれど)。そういう意味で、以前ある患者にフォーカシングの原理を説明した時、その人が言った「それは禅の瞑想テクニックとそっくりだ」という言葉が今も印象に残っている。
そう、必要なのはオリジナリティじゃない。コラボレートし、コーディネートすることだ。そうすれば「新し」そうに見えるものをいくらでも生み出すことができる。そのことが改めてわかったことが、この話の一応の結論ということになるだろうか。
この間のセルフヒーリングセミナーみたいに、ある程度長く治療に携われば、それなりに自己の治療パターンが出来ますから、だれでもやろうと思えばやれるのでしょう。
だから、治療法そのものより、理論やある程度パターン化させたメソッドみたいなものを作って、パッケージ化するところに価値があるのかもしれませんね。
あと、ある種の厚顔無恥さも必要かも
PCRTの治療中は、ストレスを思い浮かべ続けるのですかね?
だとしたら、酷ですね
嫌な事を思い続けるのもですし、一つのことを思い続けるのもですし。
こちらも、むやみやたらにに関係ない話とか話しかけられない
ポーズロック使うから問題ないですけどね。
>sokyudo先生も、勉強会にカッコエェ名前付けたらいけるんじゃないですか?
そうですね。もう少し経験を積んだら、今やっているものを少し整理・体系化して、何かいい名前を付けて商品化することも考えてみましょうか。
>あと、ある種の厚顔無恥さも必要かも
これには笑いました。いや、あまりにも言い得て妙なので。
>PCRTの治療中は、ストレスを思い浮かべ続けるのですかね?だとしたら、酷ですね
そこまでは、よくわかりません。他にストレスになるものを持たせたりもするみたいです。波動チップがあれば、もっと簡単にできるでしょう。
一見目新しいようなモノに喜びお金を使う知識と知恵の無い浅い人間のおかげで僕たちはメシが食えてるわけですが…(笑)
「大半は単なるオリジナルの模倣・使い回しにすぎ」ないとすると、やはり我々が向かうのは、“古典”ということになるのでしょうか。
最も新しいものは、最も古いものの中にある…ってことで。
習っている先生も周りに沢山居るけど、保○先生の所に送ると、とっても不評だそうだ。どうしてなのかは?知らないけど…。
最近教祖様は、NLPを学ばれたようで今度からこのNLP色も強くなるんだろうなぁ~。
単純にNLPしているほうが効果的な気もするけど…。
>僕は宗教だと思ってました(笑)彼ら…。
へー、そうだったんですか 知りませんでした。
>最近教祖様は、NLPを学ばれたようで今度からこのNLP色も強くなるんだろうなぁ~。
じゃ、私は対抗して苫米地先生の『洗脳護身術』でも勉強しようかな(って何の話だ)。