ふと思い出す上司がいる。
仕事はできて周りから一目置かれていたがさほど部下に人気のある人ではなかった(ごめん)。
仕事もできるし合理的だし尊敬に値する人ではあったが、そこまでツメツメに詰める必要のない論理を極度に通そうとするところ(と周りには見えた。多分本人が気持ち悪かったのであろう)と、論理を通すためには嘘をつく(これは明確に嘘で、ない事実をあるかのように言う)ところは私は好きではなかった。
嘘をつくところは長年付き合っていくとそこはかとなくバレていくもので、部下にも上司の上司にも(なんかちょっと信用できない)と思われていることをご本人は知らなかった。
好きだったところは、周りの部下の能力値をよく分かっていて能力に応じた分だけ仕事していればヨシとするところと、修正作業(よくある差し戻し)を要しないところが合理的で好きだった。
ふと思い出すエピソードは2つある。
よくある『飲み会での悪口』や『何かに対する不満』をその人は口にしなかった。自分が思ってなくとも場を維持するためにそういう話題に乗ることは誰しもあることだと思うが、その人はそれをしなかった。
一度理由を聞いたときには「そういう自分を想像したときにあまり好きではない」ということだった。
もうひとつは、その会社には持株制度があって、皆各々好き好きに買っていたが、儲かりたいというより「自分の仕事の責任を持つという意味で買っている」と言っていたので「そういうのいいと思います」と返したら実に満足そうに(伝わったか!)とでも言わんばかりの表情でこちらを見ていたことである。
きっと人生としてこういう風に過ごしたい、自分はこういう人間でありたい、というものがあった人なのだろう。
いいね👍️
ほとんどの人間は社会性の中で生きていて、特にオフィシャルな場では個性より役割重視であるためその人個人はどうでもいい、と割り切って生きている人が多いのではないかと推察するが、どうせ社会人生活が終われば切れてしまう縁なのであれば(実に面白い、独自性がある)と思える人の方が楽しい。
立場や生まれはあくまでラベルでしかないので、立場がとか場がとか社会がとか言われるよりは(そういうのはある程度想像がつくから)何が好きでどういうのが苦手でどんな人なのかが分かると嬉しいと思う。
まぁ今の会社ではどんな人かが分からないくらいの人間関係の薄さなので、そちらのほうがもっと良いけど😅
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