仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

NHK土曜ドラマ:「氷壁」

2006-01-14 23:47:59 | ドラマ、映画
第1話「運命のザイル」

井上靖の名作「氷壁」を原案としてゐる。
「原作」ではなくあくまでも「原案」だ。
舞臺は前穗の東壁ではなく、K2。
事件の原因となる事故もザイルの切斷ではなささう。
けふ觀たかぎりでは、たぶんカラビナが破壞されるのではないかと想像される。

主人公の名前も魚津が奧寺に、小坂が北澤になつてゐる。
名前が同じなのは、八代美那子だけか。

キャストは、奧寺を玉木宏、北澤を山本太郎が演じてゐる。
北澤の一途なところを山本が好演してゐた。

第1話。
何が「運命のザイル」なのかといふと、
5年前、屏風岩で奧寺と北澤がザイルを組んでゐた時のこと。
トップの奧寺が落石にやられて墜落。
確保してゐた北澤が、奧寺を引つ張り上げて助けた。

この事故のことがあり、奧寺は北澤に、引け目のやうなものを感じてゐる。
K2登頂のプロジェクトで北澤がK2に挑むことになつてをり、北澤は奧寺をパートナーに指名するが、そんなこともあつて奧寺は迷つてゐる。

この二人は小學校からの友人で、以前から議論してゐた。
もし一人が宙吊りになつて、ザイルを切らないと二人とも死ぬやうな状況だつたらどうするか?
奧寺は切るといひ、北澤は切れないといふ。

5年前の事件の際、結果として、北澤は奧寺を助けられたが、實はザイルを切らうと思つた。
それを告白されて、奧寺は北澤と、再びザイル・パートナーとしてK2に挑戰することを決める。
「今度は切れるか?」と奧寺。
「切る!」と北澤。

舞臺がK2になつたことで、スケールが大きい。
それにしても、K2のベースと東京とで電話で話ができるとは!
私の持つてゐるヒマラヤ登山のイメージとは隔世の感がある。

さて、このドラマ、面白くなるかどうかはさて措き、K2の映像が美しい。
20數年前に、日本山岳會のK2登山隊が映畫になつたが、私にとつてはその時以來のK2の映像だ。
とりあへずK2が舞臺となるであらう、あと2~3囘は觀てみやうと思つてゐる。


<參考:原案>
氷壁

新潮社

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (amuk)
2006-01-15 00:19:28
はじめまして

TBさせていただきました

わたしは原案まったくよんでないので、うらやましいです。。

ありがとうございました。

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ありがたう! (仙丈)
2006-01-15 00:22:16
TB&コメント、どうもありがたう!

原作、あ、原案か。

原案は名作ですよ~

何度讀み返したことでせう。

そのたびに涙してしまひました。

多感な時期(中學・高校)に讀んだと云ふこともありますが・・・



返信する
TBありがとうございます (カオリ)
2006-01-16 21:25:04
私も原作読んでませんが、読まないままで行こうと思います。

しかし、役の名前も結構変わってるんですね。八代美那子だけが変わってないって言うのも意味深な・・・

こちらもTBさせていただきます。
返信する
私も見ました。 (マル)
2006-01-16 21:35:37
先週辺りから予告編をやっていまして。

ずっと楽しみに待っておりました。



山本太郎さんはいい役者さんに育ってますね。

『メロリンQ』の時代が懐かしい・・・。

玉木さん、改めて見るとなかなかオトコマエで。



原作は読んだ事がなかったので、早速文庫を買ってきました。

相当読み応えがありそうです。

返信する
ありがたうです (仙丈)
2006-01-16 21:36:45
カオリさん



コメントどうもありがたう!

原作、讀まなくてもドラマは樂しめると思ひます。

私は昔、山登りをしてゐたもので、山の本を讀み漁つてゐました。

この原作を初めて讀んだのは、もう30年以上も前のことになります。

涙が止まらなかつたのをいまでも覺えてゐます。

たぶん、ドラマでは泣かないだらうと思ひますけどね(笑)



ちなみに、このドラマの八代美那子のイメージは少し色つぽすぎるやうな氣が・・・

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あれ? (仙丈)
2006-01-16 21:43:08
マルさん



あれ?

いつの間にコメントが!

上のコメントを書いたのと殆ど同時なんですね~



山本太郎は「新撰組!」で原田左之助役をやつてましたね。

あれで初めて知りましたが、あの時よりいい感じです。

一本氣な性格の役どころが似合ふのかもしれませんね。



原作にチャレンジですか?

泣かないやうに氣を附けてください(笑)

私は何度讀んでもダメなんです。

泣く場所はその時々で違ふのですが・・・



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一緒に宣伝… (ruko)
2006-01-17 20:31:08
初めまして。TB多謝でございます。



けふ、仕事のかえりに有楽町にてNECの「ぱそこん」を玉木さんと山本さんが2人一緒に宣伝している主人公の2人の広告を目撃いたしました。日頃ウィンドウズのPCに興味がないので今まで目に入ったことがなかったのですが、ちょっと台無しです(笑)。



やはり井上靖は学生時代に読みますね…。

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美那子 (仙丈)
2006-01-17 22:39:01
rukoさん



コメントありがたうございます。

美那子は原作のイメージとはずゐぶん違ひますよね。

清楚な若妻といふ印象だつたのですが、ドラマではフェロモンをまき散らしてゐるやうな・・・

あれではヤマ屋さん達、ひとたまりもないでせう(笑)



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氷壁 (小西孝俊)
2006-01-30 20:16:58
50年前氷壁を読み穂高にあこがれて山登りを始めました。それから名古屋に移り穂高がより近い山になりました。山も人も謎に満ちた何人にもうかがい知れないものをもっているのでしょう。それが美那子であり

穂高だと1人納得しております。

今はかなわぬ夢となるであろうK2を登りたいと思っている64歳の男です。
返信する
50年 (仙丈)
2006-01-30 22:16:05
小西孝俊さん



コメントありがたうございます。

私が「氷壁」を初めて讀んだのが32年前。

50年前といふことは新聞連載の頃ですね~

山の大先輩でいらつしやる!

私は、飼ひ犬に「穗高」と名付けてゐます(笑)

山の穗高にはもう18年も登つてゐませんが、犬の穗高はいつも私のそばにゐます。

ドラマを觀てゐると、また山に足を運びたくなりますね!



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