仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

2010 7/7 島田商店で利き酒を

2010-07-08 17:45:52 | 寫眞日記



大阪は西區立賣堀3丁目にある 「島田商店」 で、友人と2人で利き酒を樂しんだ。

大阪驛前のバスターミナルから、55系統のバスに乘り、「立賣堀3丁目」のバス停下車。
ちなみに、この「立賣堀」は「イタチボリ」と讀む。
知らなければまづ讀めない、難讀地名のひとつだ。
あひにく降り出した小雨の中、歩くこと1分少々で「島田商店」に到着。

1Fは店鋪で、利き酒をさせてくれるのは地下のセラー。
ハシゴと云つてもよいやうな急な階段を、足元と頭上と兩方に注意しながら愼重に降りると、倉庫を改造したやうな獨特な空間が廣がる。
吉野杉の酒樽の底板で作られたテーブルが2つと椅子が10數脚。(上の寫眞)
平日の午後2時過ぎとあつて、さすがに客は私たちだけだつた。




入り口を入つてすぐのところに、古酒が竝んでゐた。
こちらは、日本酒のなかでも、吟釀、大吟釀、古酒、熟成酒にちからを入れてをられるらしい。
ここに竝んでゐる酒の中でも、開栓されてゐるものは利き酒してよいとのこと。






酒器もたくさん。
陶器や磁器はもとより、ガラス製や金屬製のものなど。
のちほど、酒器の素晴らしさを知ることになる。





精米。
吟釀や大吟釀など、米を精米する歩合が定められてゐる。
吟釀は60%以下、大吟釀は50%以下とされてゐるが、大吟釀では精米歩合35%などといふものもある。
かうして見ると、酒造好適米の「山田錦」はササニシキと較べて粒がかなり大きいことがわかる。




自分達で選ぶことも出來るが、好みを傳へて店のかたに選んで貰ふこともできる。
私たちは、スッキリ系のお酒から徐々に芳醇系へといふ流れでお願ひした。
お店のかたが選んでくれたのが、この5本。
「辛口純米酒 司牡丹」 (ツカサボタン)
「純米吟釀 郷乃譽」 (サトノホマレ)
「特別純米 香露」 (コウロ)
「大吟醸 特釀 滿壽泉」 (マスイヅミ)
「純米 刻のしずく」 (トキノシズク)

ガラスの杯は60mlで、これに8分目まで入れてよい。
1杯210円。
銘酒をこんな値段で樂しめるといふのだから、酒好きにはたまらない。





5つの杯に5種類の酒を入れて竝べる。
向かつて右のはうが淡麗系、左のはうがどちらかといへば芳醇系。
キレの良い「司牡丹」を飮んでから「郷乃譽」を飮むと、野暮つたく感じる。
ところが、他の酒を一通り飮んでから「郷乃譽」を飮むと、さきほど野暮つたく感じたのに、今度はふくよかな味に感じられるから不思議だ。
店のかたが仰つてゐたやうに、酒の順番は酒の味はいに大きく影響するのだ。

「香露」の前に、陶器の杯が置いてあるのには理由がある。
「香露」をガラスの杯で飮んでゐたら、店のかたが、
「そのお酒は陶器の杯で飮んだはうがいいかもしれません」
と云つて、陶器の杯を持つてきてくれた。
それで飮んでみると、これが不思議なことに、酒がやさしい味はひになるのだ。
キレ系の酒はガラスのはうが合ふが、コク系の酒には陶器のはうが合ふとのこと。
また、香のある華やか系の酒の場合は、同じ陶器でも、口が開いてゐて厚さの薄いものが合ふとか。
おそらく、口にあたる陶器の感觸が、味覺にも影響するのではないだらうか。




菊姫の10年古酒。
以前、福島の「髭政」で頂いたことがあつた。
2種類頂いたうちのひとつがこれ(2年前に10年古酒だつた筈なので、平成10年度のものかな)。
もうひとつは、年代は覺えてゐないが、もつと色が濃くて紹興酒のやうな味はひだつた。
店のかたの云ふには、おそらく本釀造のものではないかとのこと。

お店のかた曰く、
「紹興酒みたいと云はれるのがなんか悔しくて。いつか紹興酒を飮んで日本酒の古酒みたいと云はれるやうにならないかな」
そのためには、もつと日本酒を愛する人が増えて、若い人が紹興酒より先に日本酒の古酒を飮めるやうにしないと。
友人の子供(中學生)が20歳になつたら、まづ日本酒の古酒を飮んで貰はう。





「通潤 純米生原酒 山頭火」
ラベルには山頭火の句が書かれてゐる。
この句は、ひとつづつ違ふのだとか。





「純米 三千盛」
お米の味がするやうな酒。





「國稀 大吟釀」
日本最北の酒造なのだとか。
すつきりとしてゐて素直な味はひ。
和食に合ふ感じ。





「極味大吟釀 千利休」
梅乃宿酒造の酒。
この酒はなかなか素晴らしかつた。
今囘味はつた大吟釀に共通して云へることだが、大吟釀でありながら、吟釀香がほとんど感じられず、料理の邪魔にならない。
そして、スッと飮めるのに、きちんと日本酒の味がする。
酒呑みでも飮めるし、日本酒があまり得意でない人にも飮みやすいといふ、魔法のやうな酒。
料理屋などで、吟釀香の強い酒を置いてゐる店があるが、さういふ店はこの酒に變へるべきだ。
この酒なら香が素材の味はひの邪魔をしないので、壽司屋でも使へるのではないかと思ふ。





<使用カメラ:Canon PowerShot G11>






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2 コメント

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セッキー、種田を超える!? (なっぴー)
2010-07-08 19:00:47
あわわわ
読んでるだけでよだれがでてきました^ロ^;
返信する
なっぴーさん (仙丈)
2010-07-08 19:17:04
あ、なっぴーさん、日本酒を嗜まれるのですね?
多品種少量で飮み較べられるのは樂しいですよ~

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