仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

セリーグは3月29日開幕?

2011-03-20 12:08:23 | 日々雜感
プロ野球では、パリーグが既に4月12日に開幕を延期した。
セリーグは一度3月25日の強行開幕を決定したが、文部科學省からの強い要望を容れて、このたび3月29日に延期した。

なぜ延期しなくてはならないのか。
その理由の最大のものは、電力消費を抑へることだ。
被災地はもとより首都圈でも電力不足は深刻であり、計畫停電すら行なはれてゐる現状で、ナイトゲームをして貴重な電力を消費するなど愚かしい。

さうした觀點からすると、私はパリーグの4月12日開幕ですら疑問に思つてゐる。
そこへ持つて來てセリーグは、再考した擧句に、わづか4日遲らせるだけ。
この4日で、この問題の本質は何も變らない。
電力供給が、たつた4日で飛躍的に改善される可能性がどれだけあるといふのだらう。
この、「ちやんと延期したもんね」的、アリバイづくり的な決定は、野球ファンの(少なくとも私の)怒りに火に油を注いだ。
なんて姑息な!

プロ野球の興業主たちは、どうも「年間144試合を行なふことありき」でこの問題を考へてゐるやうだ。
しかし、この未曾有の國難に對處するに際して、さういふ前提を取り拂つて、日程を白紙に戻して考へ直す必要があるのではないだらうか。
電力消費の徹底的な抑制と、觀客の安全確保。
この2點を擔保して初めて興業が可能になる。
小手先の延期ではなく、年間144試合に捉はれることなく、いま一度原點に立ち返つて再檢討して欲しい。

下手すると、プロ野球といふ興業そのものが、國民から見放されますよ。




<過去記事 「いま私たちがすべきこと~プロ野球開幕など」 より拔萃>

プロ野球の開幕日が問題になつてゐるやうですが、セ・パの開幕日が違ふことなど、どうでもよろしい。
要は、電力消費や交通問題など物理的要因を考慮した上で決めることで、被災地の方々の心情を鑑みて自肅するといふ考へは違ふのではないかと思ひます。
もし、被災者の方々の心情をうんぬんするなら、今季はプロ野球はやめてしまへばいいのです。
それで野球ファンが命に關はるやうな打撃を被るわけぢやないのですから。
4月12日に延期することで、どれだけ状況が變るといふのでせう。
選手の方々も、もし被災者の心情を理由にするなら、1年を棒にふる覺悟で發言して欲しい。
さうでないなら、自らの職業に誇りをもつて、自分たちの活躍で日本を活性化するのだといふ氣概を持つて欲しいと思ひます。
被災者のかたがたの苦勞を思ふと仕事する氣にならない、なんて考へる職業人はさうさうゐませんよ。
あ、誤解されると困るのですが、私はセが3月25日に開幕することについては問題外だと思つてゐます。
その理由は、ひとへに電力消費と觀客の交通問題ですが。





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5 コメント

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夏場はどうするの (とおりすがり)
2011-03-21 01:54:01
今朝(3月20日)の日経新聞の朝刊によれば、東電の現在の発電能力は3400万キロワット、稼動を停止している発電所がで再稼動可能なものがうまく稼動すれば4月末までには4200万キロワットまで回復できるそうです。
ちなみに、全て復帰できれば6000万キロワット、これは夏場のピーク時の最大需要なんだそうです。
日経新聞によれば、夏場のピーク時までに6000万キロワットまでに戻すことは難しいとのこと。

すなわち、夏場にまた計画停電が行われるおそれがあるかも知れないのです。
計画停電は4月末まで、という東電の発表を信じていませんか。

4000戸分の電力が小さいと思うかどうかです。
夕方の電力需要ピーク時間帯にする意味があるのかどうか。
天井灯を消して暗い部屋で仕事して、帰宅時間帯の電車の本数が減らされて、改札規制で30分以上待たされて、それでも帰宅すると真っ暗、なんて人が4000人いても構わない、のかな。
私は野球には興味がないので、試合をすることの効果は分かりませんが、被災地を意識されるのだったら、昼間に試合をすればよろしいのでは。
米国の野球の試合だって、朝から中継をしているんだから、見る立場からすれば、夕方から夜に試合をしなければならない理由はないと思います。
夏場は昼にピークが来るそうなので、それじゃ、朝の通勤時間帯後にすればいいじゃないか、と思うんです。

野球をするなら、じゃあ、フィギュアスケートの世界選手権だって東京で予定通りやれたんじゃないか、これくらいならいいだろう、たった4000戸分だろ、なあんて言い訳が、スーパーからパンやら米やらトイレットペーパーをなくしているのではないか、などなどと感じてしまいます。

目的があって、理由なんて後からつけてくるものだとはいえ、その目的が反社会的であることは許されない状況ではないかと思うのです。

で、こんどは野菜不足です。
返信する
とおりすがり さん (仙丈)
2011-03-21 02:27:49
まさに仰る通りです。
野球ごときが(失禮!)、この危機的状況において貴重な電力を貪つていい筈がありません。
私としては、いつ電力が恢復するのかわからない以上、今季はすべての興業を中止するといふ判斷が下されても、それで一向に構ひません。
野球ファンとしては非常に殘念ですが、それが必要であれば、さういふ決斷を受け容れたいと思つてゐます。
いや、むしろ、さういふ決斷を下して欲しい。

ただ、選手たちが、被災地の方々の心情うんぬんを理由に(理由の一部ですが)開幕の延期を提言するのはどうかと思ひます。
それを云ふなら、今季は野球などしないはうがよろしい。
彼らはそれだけの覺悟を持つてさういふ發言をしてゐるのかどうか。
4億圓の年棒の選手でも今年は收入がゼロになるといふことですが、それがわかつてゐるのかどうか。
私としては、彼らに感情的なことを理由にするのでではなく電力消費問題などの物理的なことのみを問題にし、それさへ解決されれば、プロとして自分たちの職業に誇りを持つて自分たちの出來る精一杯のプレーを見せるのだといふ氣概を持つて欲しいと思つてゐます。
そのためには、NPBは、たかだか4日とか3週間とかの延期ではなく、根本的に日程を見直して欲しい。
さう願つてゐます。

返信する
とおりすがり さん (仙丈)
2011-03-21 02:37:06
書き忘れました。
せつかくのご意見なのですから、「とおりすがり」はやめてくれませんか。
「とおりすがり」の方は複數(不特定多數)いらつしやるので區別がつきません。
その時限りのハンドルネームでも結構ですので、記載して頂くやうお願ひ致します。

返信する
とおりすがり改め (ぶたここ)
2011-03-21 11:56:52
了解しました。
それでは、思い出の品、山行の昼食の定番の、ぶたここ、にしましょう。
(バターココナッツのことです。)

東電管轄域外の状況は分かりませんが、こちらでは、東電が状況を見ながら計画停電を実施するかを、実施予定の時間帯の直前に決定するので、本当に停電するかどうかはそのときにならないと分からないという、不安な日々です。
他の人はそんなふうには思っていないのかもしれませんが、ああ今日は停電に遭わなかった、と安堵して床に就く人は多いはず。
午後になって、特定の路線が停電で不通になる、と通知され、そちら方面に帰宅する者は直ちに帰宅するように、との指示が出た日もありました。

自粛、との意味が恐らく東電管内と外では違っているのではないかと思います。
スーパーやデパートが閉店時間を早めるのは、被災者に配慮して自らの営業意欲をとどめる、という目的なのではなくて、早く閉じて電力消費量を削減しないと、電気を止められる家庭が発生する恐れがあるからです。
計画停電は問答無用で、仕出し屋さんがお弁当作れない、という事態も起きています。

自粛ということばは、顧客に対して、店の都合でサービスを停止するのではない、という恨みもこめた方便なんだと思っています。
たまには外で遅くまで食べたり飲んだりしたいけど、停電で電車が止まったらどうしよう、そんなことになったらタクシーでも帰れないし、ましてや、また歩いて帰るのか、と、そりゃ飲食の回数も減ろうものです。

現在のところ、計画停電といっても、停電が実施されない地域というのがあるのですが、そういう地域の住民の節電の意識の維持が、実は心配されます。杞憂であればよいのですが。
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ぶたここ さん (仙丈)
2011-03-21 13:29:24
をを!懷かしい!
この呼び名、知つてゐる人しか知らない、まるで合言葉のやうですね。
夏山ではパサパサぶどうパンとともに、なかなか喉を通りにくかつたものです。

「自肅」といふ言葉はどうやら2種類あるやうです。
ひとつは物理的もしくは合理的な理由に基くもの。
もうひとつは、亡くなつた方々の喪に服するとか、被災地の方々の窮状を慮つるといふ心情的なもの。

前者は、自らの意志によるものではなく、電力供給や交通機關など外部條件に制約があることによるので、本來の意味の「自肅」ではないでしょう。
條件の許す範圍内で精一杯營業して貰ひたいものです。

後者はまさに「自肅」なわけですが、人間の心理として當然のことだと思ひます。
ただ、それを強制するやうな空氣があるとすれば、それは違ふだらうと思ふのです。
また、「自肅」も結構だけど、それ以上に自分に出來ることを精一杯することのはうが大事なんぢやないかと。

>そりゃ飲食の回数も減ろうものです。
そんな状況下では外で飮食する餘裕はなくなりますね。
ごもつともな話です。
「自肅」ぢやなくて「自衞」ですね。

私の住んでゐる關西では、今囘の災害による節電の必要はありませんが、それでも節電意識は高まりました。
なるべく照明は消すやうになりましたし、エアコンも最小限に留めてゐます。
被災地への電力供給には貢獻できませんが、家計費には貢獻できるかもしれません。
關東地區で計畫停電が實施されてゐない地域の方々も、節電することが被災地への電力供給に貢獻できるのだといふ意識をもつて取り組んで頂きたいものです。
自分に出來ることをして被災地に貢獻したいといふ姿勢がいま求められてゐると思ひます。
さういふ意味では、東北・關東地方での節電は優先順位が最も高いことでせう。
募金以前にするべきことでせうね。

ぶたここさんも通勤など不自由かと存じますが、どうかお仕事に精を出してください。
またいつか、近い年代の者で集まりたいですね。


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