仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

K-1 WORLD GP 2008 決勝

2008-12-07 02:45:43 | Sports
今年の「K-1 WORLD GP」の決勝戰は、2003、2004年と連霸したレミー・ボンヤスキーと、初のファイナリストとなつたバダ・ハリとの戰ひとなつた。

バダ・ハリは、緒戰でかつてのチャンピオン、ピーター・アーツをTKOで降し、準決勝進出。
準決勝では、極眞世界王者のエヴェルトン・テイシェイラに逆轉勝ちしたエロール・ジマーマンと對戰、2Rにダウンを喫したものの、3Rに鮮やかなKO勝ち。

かつて、K-1に登場したばかりの頃のバダ・ハリは、血の氣が多いだけのチンピラのやうな試合をしてゐたものだが、ずゐぶん成長したものだと感心した。

一方のレミー・ボンヤスキー。
緒戰でいきなり「無冠の帝王」ジェロム・レ・バンナと激突。
心情的にはジェロムに頑張つて欲しかつたのだが、消極的な試合運びで、つひには2002年に骨折した古傷の腕を再び負傷し、レミーのTKO勝ちとなつた。
準決勝では、ルスラン・カラエフにKO勝ちしたグーカン・サキを「フライング・ミドル」キックで文字どほり一蹴、その強さを見せつけた。

決勝はともにスピード・破壞力のある2人となつたので、見應へのある試合が見られると期待したのだつたが・・・

ガードをきつちりと固めてカウンターを狙ふレミーに對し、なかなかガードをこぢ開けられないバダ。
どちらかといへば、バダがプレッシャーを掛け續けてゐたのだが、思うような有效打を決められずに苛々してゐたのだらう。
スリップして倒れたレミーにパンチを浴びせ、止めに入つた角田レフリーに引き離される瞬間にレミーの顏面にストンピング。

結局、レミーがそのダメージから恢復出來ないのを見定めて、バダに對して失格が宣言された。

これまで10數年K-1を見てきたが、こんな試合は初めてだ。
かつてジェロム・レ・バンナが倒れた相手にパンチを入れたことがあつたが、さすがにストンピングは見たことがない。
ゲストの魔娑斗が、1年間の出場停止などの嚴しい處分をして欲しいと云つてゐた。
挌鬪技が喧嘩と同樣に思はれてはいけないから。
私もその通りだと思ふ。
ルールに則つたスポーツだからこそ、觀客も安心して見てゐられるし、TV中繼もされる。
これがルール無用のデス・マッチだとしたら、TV中繼など出來ないではないか。

準決勝までのバダ・ハリに感心してゐただけに、私の失望は大きかつた。
どのやうな處分が下されるかわからないが、その處分の後でもなほ改らないやうであれば、K-1追放もやむを得ない。
バダ・ハリには猛反省を求めたい。

角田レフリーの判斷について。
最初、彼はイエロー・カードを出してジャッジに1點原點を指示した。
私はその時點で、ん?と思つた。
あれをイエローで濟ますのか?
最終的にはレッド・カードとなるのだが、レッド・カードはレミーの状態如何で決めることではないだらう。
重大な反則を犯した時點でレッド・カードを出すべきではなからうか。
決勝をこんな形で終らせるのは、ファンに申し譯ないといふ配慮もあつたのかもしれない。
しかし、けふだけのことではなく、ロングスパンでK-1といふ挌鬪技を興行として成立たせやうとする視點に立つならば、ルールを嚴しく適用するべきだらう。
また、もしもかういふ時の處分に關するルールが明確に定められてゐないとするなら、早急にこれを定めなければならない。

日本で生れ、いまや全世界に廣がつてゐるK-1だけに、これからのクリーンなファイトに期待したい。



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