仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「神々と古代史の謎を解く 古事記と日本書紀」 瀧音能之

2006-12-31 08:44:09 | 讀書録(歴史)
「神々と古代史の謎を解く 古事記と日本書紀」 瀧音能之
お薦め度:☆☆☆☆ /
2006年12月17日讀了


日本の古代史に興味を持ち、これから讀んでみやうと思ふ人には格好の入門書だと思ふ。
記紀神話の解説から始まり、壬申の亂に至るまでの古代史上の謎にひととおり觸れてゐる。
ただし、邪馬臺國については觸れられてゐないので、そちらについては別の本にあたる必要がある。

古代史の謎の多くは、謎解きをしやうとするとそれぞれに1册の本が出來る。
この本を讀んで興味を惹かれたならば、その興味を惹かれた謎について、さらに讀書を深めていけばよい。
つまり、この本は古代史の謎のインデックスのやうな役割を果たせると思ふのである。

ちなみに、以前同じ著者の本で、 「古代史を読み解く謎の十一人」 といふ本を讀んだが、そちらよりは本書のはうが出來がよい。
といふのも、通讀することでまがりなりにも日本古代史の流れを掴むことができるからだ。
前著はその點、人物にフォーカスしたことで、讀んでも歴史の流れが掴めなかつた。
讀者を古代史初心者に想定してゐるのか、それとも古代史について一通りの知識を持つた人を想定してゐるのかよくわからない、中途半端な本だつた印象がある。
その點、本書は古代史初心者に安心してお薦め出來る。



神々と古代史の謎を解く 古事記と日本書紀

青春出版社

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