仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「ゑびす聖子(みこ)」 高橋克彦

2004-04-04 07:37:43 | 讀書録(一般)
えびす聖子(みこ)

幻冬舎

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著者名 高橋克彦   発行年(西暦) 2003  
出版者 幻冬舍文庫   値段 600-800円  
お薦め度 : ☆☆☆+α


日本神話を題材にした冒險小説。
高橋克彦の作品のなかでは「鬼」系統の作品に位置付けられる。
「寫樂殺人事件」「北齋殺人事件」「廣重殺人事件」などの浮世繪シリーズでファンになつた私であるが、「總門谷」を讀んだ時のショックはいまだに忘れられない。
その後、「總門谷」系統の作品も數多く出されて來たが、「總門谷」の二番煎じ的な印象は拭へない。

ところでこの「ゑびす聖子(みこ)」である。
この作品は冒頭でも觸れたが「鬼」系統、すなわち「總門谷」的な要素も持つてゐる。
しかし、注目したいのは、主人公が冒險をしていくうちに成長して行く、ビルドウングスロマンになつてゐることである。
讀者は、主人公の成長とともに自分自身も成長して行くかのやうな、快感を味はふことができる。
また、登場人物たちがみな魅力的で、いつもの高橋克彦ワールドを作りだしてゐる。


2003年8月22日讀了

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