仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

読書録 2024年8月上旬

2024-08-11 19:37:00 | 読書録(備忘)


8月3日
『鴨川食堂 ごほうび』 柏井壽

初読。シリーズ第11巻。
前巻で東本願寺の正面通から上賀茂神社付近の御薗橋通に引っ越した鴨川食堂。王将から少し西に入ったところらしい。
変わったのは住所だけぢゃなかった。鴨川探偵事務所の所長も鴨川こいしから父の鴨川流に変わっている。
なので、探す「食」を依頼人から聴き取るのも流の仕事になったようだ。ただし、依頼人に出す料理は当然のことながら今まで通り流の仕事。
第一話 スポンジケーキ
欧風堂(本作では洋風堂)のワッフルが探す食。探すのは簡単だったようだ。25年前のあの時、相手も依頼人を大切に思っていたらしい。看板猫の名前がミエだってことくらい三枝さんに教えたったらよかったのに。
第五話 牡蠣フライ
母のまずい牡蠣フライを探してくれとの依頼。料理人となった船田にとって母の牡蠣フライは本当にまずかったのか。料理はそれを食べる人のためにつくる、そんな当たり前のことを気づかせてくれるのが鴨川流なのだった。
第六話 ヒレの網焼き
依頼人はダム女出身、当時の恋人は同志社、結婚したのは京大。なんか44年前に京都の学生の間で言われていた通りで笑える。用心棒なら立命だったかな?それか産大?
50年前に同志社の彼と行った店で食べたヒレの網焼きを探すのだが、その店は京大の亭主が苦学生だった頃にバイトに通う途中でいつも憧れていた店で、すでにない。
病気でもう長くない亭主が人生の最後に食べたいと思っているものが嫁の青春の思い出とは、なんと皮肉なことか。 
 
 


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