仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

『白の處刑』 太田蘭三

2004-04-07 19:29:51 | 讀書録(ミステリ)
白の処刑

講談社

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著者名 太田蘭三   発行年(西暦) 2004  
出版社 講談社文庫   値段 600-800円  
お薦め度 :☆☆☆☆


太田蘭三との出會は「脱獄山脈」だつた。
あれは面白かつた。

その後、あれほど面白いと思つた作品に出會はなかつたが、この作品は面白い。
冤罪で死刑囚となつてしまつた主人公がどうなつてしまふのか、死刑は執行されるのか。
サスペンスフルな作品である。

ただ、いかに冤罪をテーマにしたとは云へ、あまりに警察の搜査がお粗末過ぎはしないか。
私は決して警察が好きな譯ではないが、この書かれやうはあんまりだといふ氣がした。
確かに世の中に冤罪はあるのだらうが、すべての犯罪者が無實の罪で囚はれてゐる譯ではない。

この作品、安つぽい人權擁護論になつてはゐないのだが、少し氣にはなつてしまつた。


2004年2月15日讀了

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